(こちらの続きです)
今日のメンバーは、と見れば……。
鍵盤にギター、ベース、ドラムが一人
っついて、あとはテナーサックスに、
ペットに、おっとトロンボーンですか。
なかなか錚々たる面々でございますな。
それじゃあ、まあ一つ奇をてらわずに
オーソドックスというやつで参りまし
ょうか。そういたしますと(パン)
まずこの曲は出だしが肝心で、ピアノ
のイントロがこれはもうおきまりとい
うものがございまして。キーはCです
がこのAのフラットといいますかGの
シャープが入ってくる。印象的な音使
いのイントロでございます(パパン)
その後、曲の構成はと申しますと、A
メロ8小節が2回、そのあとBメロ8
小節、Aに戻ってまた8小節という。
いわゆるAABAで32小節というよく
ある流れになっておりまして(パパパ
パン)
勢ぞろいされた手練の皆さまには、テ
ーマの後のソロも馴れたものでござい
ましょうが、僭越ながらポイントを申
し上げますと、まずはAの3, 4小節目
の D7(II7)のところでございます。
ここで、何のスケールを弾くのか?セ
ブンスコードでございますから、常道
のミクソリディアンか? それとも搦
手からリディアン・ドミナントを繰出
すのか?(パン)このへんが常識的な
選択ではございます。
あるいはDのホールトーンスケールと
いう秘伝の変化球も考えられるところ
でござますが、さて? お手並み拝見
いや拝聴させていただきましょう。
その後Bメロの前半4小節が、Fメジ
ャーのワンコードという、下手すると
ダレてしまいかねない進行になってお
りますが、ここは裏でダイアトニック
コードの進行を脳内で想定してソロを
とる、というような技が求められます
(パンパン)
それから、ソロの後、この曲にはセカ
ンド・リフというのがございます。今
日は3管という願ってもない編成でご
ざいますので、これはぜひ入れていた
だきたい。(パン)
ホーン隊一斉のセカンドリフとドラム
ソロのやり合い、いわゆる4バースと
いう形でAメロ。Bメロんところは全
面ドラムソロで、最後またAメロでの
掛合いという形で、ワンコーラス(パ
パン)……ぜひ、お願いいたしますね。
そして後テーマの最後、エンディング
もまたお決りのフレーズがございます。
Aトレイン・エンディングという名前
さえついているという、ラスボスのよ
うなエンディングでございますが。
まあ、落着いてやりさえすれば、そん
なに難しいもんではございませんが、
そこはそれ(パパンパパンパパパン)
最後の最後というところで、ムダな力
が入ってずっこける、という失敗もよ
くおこりますんで(パン)画竜点睛を
欠かないよう、よろしくお願いいたし
ます。
ま、そうはいっても、間違えたところ
で今の世の中、腹を切れとか島流しと
か、そんなことにはなりませんがね。
ここをぱしっと決めれば「でかした、
あっぱれ。いい出来だ」という声もか
かろうというもので(パン)このA列
車の旅も、大団円でございます。
ありがとうございました。
……あ、そうじゃなかった演奏これか
らでしたね。すいませんね、ディレク
ションで盛り上がっちゃって。えーと、
それでは皆の衆、よろしくお願いいた
します。
せーの
(このお話はフィクションですので、
現実のジャムセッション、講談師とは
無関係です。きっと。)
て、ことで。
それでは、また。( ̄▽ ̄)