シーラ・ユーキと7人の小人

々、パーカッション
踊りの得意な女性ミュージシャ
ンがいました。

 

結城志摩子という古風な名前でしたが、
シーラ・Eに憧れていたので、シーラ
・ユーキという名前で YouTube演奏
動画とかをアップしていたところ、見
た目も悪くないので、そこそこファン
がつきました。

 

そこで、活動の幅を広げようと思った
シーラ・ユーキは周りでくすぶってい
た音楽仲間に声をかけて、7人編成の
のバックバンドをつくりました。

 

そして、シーラ・ユーキと7人の小人
という名前で、さらに動画を作ると同
時にライブハウスでのステージ活動
始めました。派手な衣装で、ファンキ
ーにパーカッションを叩きまくって歌
って踊るというステージはそれなりに
注目を集め、かなりの人気となりまし
た。

 

さて、そんなシーラ・ユーキの活動
横目で見て面白くなかったのが、同じ
ように YouTuber からのし上がろうと
していたある女性ミュージシャンでし
た。人生の苦悩を歌う陰キャな彼女の
動画は、それなりに受けたのですが、
再生数もフォロワーの数もシーラには
今一つ及びませんでした。

 

そんな、ある日……

 

なんの巡り合せか、とあるライブハウ
でこの陰キャの女性シンガーシー
ラのバンド対バンになったのです。
その時、陰キャのシンガーの頭にある
悪い考えが浮んでしまったのです。

 

シーラのバンドのちょうど1つ前のス
テージだったその陰キャ・シンガー
こっそりステージの上に飲んでいた水
をこぼしました。ちょうどシーラが
しく踊るあたりを狙って……

 

その日のライブハウスのスタッフは、
あまり注意力のない人だったので、ス
テージに水がこぼれたのに気がつかず、
そのままシーラのバンドをステージに
送り込んでしまいました。

 

そして、演奏が始まり、シーラ歌い
パーカッションを叩いて踊り始め
客はノリノリになりました。が、その
時、ステージの水ですべってバランス
を崩したシーラは、足をくじいて倒れ
てしまったのです。

 

シーラは倒れたまま起き上れません
演奏中断し、大騒ぎになりました。

 

と、その時、客席から1人の王子様の
ようないでたちの男性ステージに飛
び出してきたのです。

 

それはメジャー・デビューして人気が
出たものの最近活動に行き詰りを感じ
ていたあるミュージシャンの男性(説
明的)でした。シーラの噂を聞いて、
その日観に来ていたのです。

 

感動した。君はこんなレベルの小屋
満足していてはいけない僕と一緒
に活動しないか?」

 

聞きようによっては大きなお世話なそ
んなセリフともに、その男はシーラを
抱きかかえるとそのまま彼女を連去っ
てしまいました。

 

その後2人は一緒に活動を始め、さら
にメジャーなスターになっていったそ
うです。

 

「……」

 

残された陰キャなシンガーと「7人の
小人」はしかたなく新ユニットを組ん
だそうですが、鳴かず飛ばずで消えて
いきましたとさ。

 

おしまい。

 

てことで。

 

では、また  ( ̄▽ ̄)

 

 

どんちゃか茶釜ブラザーズ

かしむかし、あるところに
貧乏な道具屋がおりました。

 

ある日、古道具屋は一匹のタヌキ
にかかっているのをみつけ、かわい
そうになって助けてやりました

 

翌朝タヌキは古道具屋のところに
ってきて、こう言いました。

 

「昨日はありがとうございました
に、私が最近人気急上昇中ジャパ
ン・ビンテージギターに化けますか
ら、誰かに高値で売ってください」

 

そういうと、タヌキはくるりと宙返り
をして、最近注目トー○イレスポ
ール・タイプのギターに化けました。
ほぼ未使用状態で、木目見事なもの
でした。

 

すると、さっそく近所のお寺の和尚さ
が通りかかりました。ギターのコレ
クターとして寺に100本以上もギター
を持っている和尚さんは、

 

「これは見事な○ーカイだ。ぜひ譲っ
てほしい

 

と言って即金大金をはたいてタヌキ
の化けたギターを買っていきました

 

お寺にギターを持ち帰った和尚さんは
小坊主にギターをきれいにクリーニン
するようにいいました。小坊主は、
クロスオレンジオイルをつけて指板
を磨きはじめましたが、それがくすぐ
ったかったので、タヌキはおもわず

 

「お、おい、やめてくれ。きゃはは」

 

を出してしまいました。

 

ビックリした小坊主は、あわてて和尚
さんに報告しましたが。和尚さんは
じてくれません

 

「なにをバカなことを言っているのだ。
それより、ギターの弦を私の好きな
リクサーNANOWEB に張替えてお
くれ」

 

そこで小坊主は、ギターの弦を張替え
ようと、古い弦を外すのにペンチで切
ってしまおうとしましたが、タヌキは
化ける時ヒゲを使って弦に見せかけ
ていたので、

 

「あたたたた! 痛いじゃないか!」

 

と言って山へ逃げ帰っていきました

 

その晩、タヌキはまた古道具屋にあら
われて言いました。

 

「お寺は乱暴でいけません。私と一緒
に街へ行きましょう」

 

タヌキは古道具屋と夜の飲み屋街に行
って、ギターに化け2人(?)で流
をして地道に稼ぐことにしました。

 

このコンビは、ギター1本なのにバン
ドのような音がすると話題になり、
歌えば3声くらいでコーラスをつけ
たりするので、次第に夜の街の人気者
になりました。タヌキ化かされてい
んですけどね。

 

調子にのった2人は、見た目1人なの
「茶釜ブラザーズ」と名乗り、夜な
夜な流しで稼いで一財産作りました。

 

生活派手になっていきましたが、
の飲みすぎオーバーワークがたた
タヌキになり、古道具屋の
のかいもなく、死んでしまました
あっけないですね。

 

古道具屋和尚さんと相談して、丁重
タヌキを葬ってやりました。今でも
お寺にはレスポールの形をしたタヌキ
の墓があるそうです。おしまい。

 

教訓:恩返しの搾取はやめましょう

 

て、ことで。

 

それでは、また。( ̄▽ ̄)

 

焼き芋とスパイスと俺とあいつと??

度もいうが、あいつと仕事
をするのが大変なのはよくわか
る。

 

部長は PC のスクリーン越しにそう言
った。

 

はあ、何度も聞いてますが、それはも
何の慰めにもならないので。は言
い返した。何度こんな会話をしなけれ
ばいけないのだろう。

 

毎度毎度、俺は部長との面談で、あの
同僚とのチームをそろそろ解消したい
懇願するのだが、受け入れてもらえ
ない。

 

まあ、そう言うな。俺は君とあいつの
組み合せは、焼き芋とスパイスみたい
なモノだと思っているんだが。部長が
また突拍子もないことを言い出した。

 

焼き芋……ですか?

 

うん。実は最近焼き芋に目覚めたんだ。
部長が身をのり出してくるのが画面越
しに見えた。変なものに目覚める人だ。

 

今、焼き芋ってスーパーにいくとどこ
でも売っているだろう? だけど、
焼き芋屋でしか買えなかっただろ?

 

はあ。どこに行こうとしてるんだ、こ
の会話は。

 

あれ、スーパーの中で焼き芋を焼ける
電気釜開発したメーカーがあったん
だな。それでここ20年くらいで一気に
全国のスーパーに広まったらしい。部
長は続けた。

 

そして、最近ではあのねっとりとスイ
ーツのように甘い安納芋とか紅はるか
とかいう品種が出てきている。冷めて
も甘くておいしい。自然な甘味で、
にもいい。

 

だが、この冷めた焼き芋をだな、輪切
にして、フライパンごま油かなん
かで焼いてやると、また別の美味しさ
が生れる。話が料理教室みたいになっ
てきた。

 

フライパンで焼くんですか? それは
やったことはなかったな。俺は思った。
たまにが食べているのを少しもらっ
て食べる程だった。それもたしかに
美味いのだが。

 

そうだ、焼き目をつけて、そこに好み
のスパイスを振って食べると、一気に
大人のスイーツに変身する。バニラア
イスかなんか添えてもいい。部長の表
情は恍惚としてきた。なんだか俺も
の中につばが湧いてきた。

 

色々試したんだが、私の好みは七味唐
辛子だな。これは YouTube でどこかの
シェフが言ってたんだが。甘い焼き芋
に七味という意外性もあるが、なかな
か乙なもんだ。

 

そして、もう一つ、クミンパウダー
凄くいいカレーを作るために買っ
たクミンが焼き芋にこんなに合うとは
思わなかった。部長は続ける。

 

俺の頭の中は、クミンを振った焼き芋
いっぱいになってしまった。

 

で、だ。この取り合せは焼き芋がどん
スパイスと組み合わされてもしっか
りと焼き芋として美味しいから成立
るわけだ。紅はるかしっかりと
土台を作っているから、あいつがクミ
ンパウダーみたいな変化球でも、しっ
かり結果が出るわけで……

 

あ、はい、わかりました。良く考えて
みます。ありがとうございました。失
礼します。まくし立てる部長をさえぎ
ってオンライン面談を終了させた。

 

同僚のことなどどうでもよくなって
た。俺は立ち上って、家を出て焼き芋
を買うために近所のスーパーに向かっ
た。七味クミン以外に他に何を組み
合わすのがいいだろう? そんなこと
を考えながら。

 

※このお話はフィクションですので、
現実の会社や変な同僚や部長や、スー
パーの焼き芋や焼き芋機とは無関係で
す。あ、でもクミンとの組み合せはお
勧めです。

 

て、ことで。

 

それでは、また。( ̄▽ ̄)

 

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202X年インフレ物語(後編)

(またまたこちらの続きです)
だ。

 

朝は苦手だ。しかし朝食を作って
やらないと……と、思ったが、すぐに
今日は夫が朝食を作る番だということ
を思い出した。

 

よかった、まだ寝ていられる

 

は、また引き込まれるように眠りに
ついた

 

どのくらいまた眠っていたかよくわか
らないが、その眠りから私を引きずり
出したのが夫の声だった。

 

なんだこれは!

 

それで目が覚めてしまった。なんなの
だいったい。岡本太郎か?

 

まったくから何を騒いでいるのか。
夫の声はまだ続いて聞こえてきていた
よくわからないが、何か夫にとっては
ひどいことが起こったらしい。

 

私は寝床から抜け出しリビングに向
かった。すると飛び出してきて、
いってきますと言って玄関を出て行っ
てしまった。

 

そんな慌てる時間でもないだろうに。

 

リビングに行ったが、自分の部屋
わめき散らしているようだ。

 

何よ、どうしたのよ。うるさいわね。
私は夫の部屋ドアを開けて言った。

 

お、俺のギターの弦がぁ。夫は私の顔
を見てまた叫んだ

 

あー、うるさい大声出すのやめて
静かに話しなさいよ。私は強めの口調
で言い返した。

 

だ、だから俺のギターの弦が……錆び
て……値上がりしてるから……

 

叫ぶのはやめたが、言ってること
要領を得ない。だから落ち着いて話
しなさいよ。わけわからないじゃない
の。私がさらに強く言うと、さすがに
夫も最初から説明を始めた。

 

早い話が、前に大量買って部屋に置
いていたギターの弦を見てみたら、
か何かをかけられたようで、かなりの
錆びているというのだった。

 

何を朝から騒いでいるかと思ったら
んなこと? 私は呆れて言った。

 

そ、そんなことってことはないだろう。
ギターの弦だって値上がりしてるん
だ。せっかく安いうち買っておい
弦だったのに。ギターの数だって多い
んだから、俺の小遣い影響する……
夫は逆上して言い返してきた。

 

私はそれにカチンときた。

 

じゃあ、そんなにたくさんあるギター
の数を減らせばいいんじゃないの?1、
2本残して処分すれば、使う弦だって
少なくてすむでしょ。なんなら、私が
売ってきてあげるわよ。

 

私の剣幕押されたせいか、黙っ
、そのまま部屋のドア閉め引き
こもってしまった。まったくギター
ことになると子供より始末に悪い

 

ぜったい娘のしわざだ。私は確信した。
なんで私に黙っていたのだろう? 私
に言えばギターの弦なんてさっさと始
末してやったのに。

 

そういえば、ギターの弦というのは
チールのはずだ。それって金属回収
業者売れないのだろうか? ある程
まとまった量なら引取ってもらえる
かもしれない。調べてみよう。

 

私は、朝食を食べながら、そんなこと
を考え出していた。

 

このお話はフィクションなので、特
定の家庭や親子関係、夫婦のもめごと
とは無関係ですよ。いやほんまに。

 

て、ことで。

 

では、また  ( ̄▽ ̄)

 

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202X年インフレ物語(中編)

こちらの続きです
だ。

 

朝食を家族のために作り、自分ひ
とりで先に食べ、その後テレビをつけ
ニュースを観ていた。

 

また、値上げのニュースか。俺はテレ
ビを観ながらつぶやいた。まったく、
困ったものだ。このままでは、俺の
遣いの使いでがどんどん目減りしてい
ってしまうではないか。

 

月額の交渉必要だ。俺は思ったが、
その話とすることを考える気が
さらに重くなった

 

起きてきたので、俺はおはよう
をかけ、しばらくテレビを観ていた
が、気が重くなる話題ばかりだったの
で、テレビを消して、自分の部屋に戻
った。

 

妻はまだ寝ている。

 

俺は PC を立ち上げ、メールなどの
ェックを始めた。SNS などの話題
見ても、インフレの話が多い。そして、
音楽コミュニティの方の書込みを見て
また気が重くなった

 

ギターの弦が値上がりしている、とい
うのだ。

 

は、オンラインの楽器系ショップ
サイトをのぞいて、ギター弦値段を
チェックしてみた。そして確かに弦の
値段がとても高くなっていることを確
認した。なんてことだ。

 

ますます小遣いの値上げが必要だ……
と、考え始めたその時、何か頭をよ
ぎったあれ?

 

何か忘れていることがある。俺はそう
思ってしばらく必死に考え、そして
い出した

 

コロナのせいでスチールの生産
影響が出て弦が入手困難になるという
が流れた時に、弦をたくさん買い込
んだことがあったではないか。

 

持ち帰った時妻とモメていや
な思いをしたせいで、記憶から消し去
ろうとしたので忘れていたが、買った
弦は部屋のどこかにあるはずだ。

 

となれば、しばらくは高い弦を買わな
くても大丈だ。これは助かる。やは
り俺は先見の明があったのだ。そう思
って俺はその日初めて晴れやかな気持
になった。

 

そうだ、あの時買ったギター弦どこ
に置いたかな? 俺はすぐに思った。
たしか楽器屋の手提げ紙袋にいれたま
部屋のどこかにあるはずだ。その辺
にあるはずだが……

 

俺は部屋の中を探した。すると、部屋
一番片隅の、ギターケースの影に置
いてあるのが見つかった。

 

おかしいな、こんな奥まったところに
置いた記憶はないが……。おれは紙袋
をつかんで、部屋の中ほどまで引きず
りだした

 

紙袋が破けた

 

え? 俺はそこで異常に気がついた

 

あの楽器屋の紙袋丈夫でそう簡単に
破れないはずだが……。俺は袋の中
のぞき込んだ。次の瞬間俺は叫んで
た。

 

なんだこれは!(さらに続きます)

 

※このお話はフィクションなので、特
定の家庭やオンラインショップやギタ
ー弦とは無関係ですよ。いちおう。

 

て、ことで。

 

それでは、また。( ̄▽ ̄)

 

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202X年インフレ物語(前編)

だ。

 

ベッドを出て、リビングに向かっ
た。

 

昨日も夜中過ぎまで受験勉強をしてい
た。まだ頭が半分眠っている。まった
高校3年生なんてなるもんじゃない。

 

とりあえず、パジャマの上にカーディ
ガンを羽織って、テーブルに座った。

 

起き抜けでまだ食欲がない

 

おはよう、ソファでテレビを観ていた
父親が言った。おはよう、私も返事
する。

 

実のところちょっとドキっとした
あのこと気がついているのだろ
うか。どうもそんな様子はないようだ。
また値上げかぁ父親ニュースを観
ひとりごとを言っている。

 

は、テーブルに出されていた朝食を
食べ始めた。しかし、いつあのこと
父親が気がついて騒ぐかもしれない。
私は気が気ではなかった。

 

まあ、そうなったらそうなったで、
らないふりをきめこむしかないのだが。

 

一週間ほど前のことだ。

 

自分の部屋で受験勉強をしていた私は、
その時家に一人でいた。勉強ひと区
切りしたので、ちょっと休憩すること
にして、私は冷蔵庫からお気に入り
炭酸水のペットボトルを取り出してフ
タを開けて飲みながら父親の部屋に
入った

 

ときどき私は家で一人の時父親の部
屋に入ってみる。なんだかギターとか
その関連の機材とか、ギターを弾かな
い私にはわけのわからないものが沢山
ある、それが逆にちょっと面白いので
ときどき覗いてみるのだ。

 

別に何するわけでもない。以前、学校
の音楽の授業使おうと思ってギター
を1本無断で借りたら、すごい剣幕で
怒ったのでそれ以降はギターには触ら
ないようにしている。

 

そのうちまた何か持出してやろうかと
思っているが、それはまた別の話だ。

 

その日、勉強でちょっと疲れていた
足もとへの注意おろそかになって
いたのかもしれない。父親の部屋の何
かに足を引っかけてしまった

 

倒れそうになった私は手近にあった
かなにかに捕まってころぶのを防
いだ。

 

それは良かったのだが、手にもってい
炭酸水のペットボトル落として
まい、ペットボトルは、に置いてあ
った手提のついて紙袋の中にそのまま
落下してしまった。

 

袋の中は水浸しだ。まわりのにも
が飛散っている

 

私は慌てて、洗面所から雑巾を持って
きて、床にこぼれた水を拭取った
袋の中出来るだけ水を雑巾で吸取っ
が、中にある小さな箱というか紙の
ケースには水がかなり染込んでいる
うだった。

 

どうしよう。私は思ったが、こんな所
に無造作に袋を置いておく方が悪い
いう結論を無理やり自分に言い聞かせ
その紙袋を目につかない部屋の隅の方
に押込んで、そのまま部屋を出た。

 

そんなことがあってから、父親の様子
を観察していたが、おそらく気がつい
ていないようで、一週間が過ぎていた。

 

朝食を食べ終わった私は、学校に行く
仕度を始めた。

 

ほぼ仕度が終わって、髪の毛のカーラ
を外していたちょうどその時父親
の叫び声が聞こえた。

 

なんだこれは!

 

まずい。気がついたらしいカバ
を手に取ると玄関に突進した。

 

いってきまーす。

 

早足に出て、そのまま学校に向か
った。後は野となれだ。

 

母親が後は何とかしてくれることを祈
のみだ。(中編へ続く

 

このお話はフィクションですので、
現実の女子高校生、受験勉強等のその
生活とはおそらく無関係です。

 

て、ことで。

 

それでは、また( ̄▽ ̄)

 

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「できない」は世界を救う?

年ぶりか……俺はつぶやいた。

 

最後に出社してから、確かに1年
が過ぎていた。久しぶりにオフィス
戻った俺は、浦島太郎のような気分だ
った。

 

1年半前、俺は希望していた1年間の
大学院での国内留学の選考に受かり、
あの同僚とのコンビ解消して、学生
生活を送らせてもらったのだ。このご
時世に、会社もよく行かせてくれたも
のだ。

 

1年間なのでハードではあったが、土
日にはジャムセッションにもしょっち
ゅう行けたし、おれはハッピーだった。
そして無事に MBA の資格を手にした
俺は、こうやって会社に戻ってきた
いうわけだった。

 

俺がやっていた仕事どうなったんだ
ろうな。俺は思った。確かあの仕事は
入社2年目若手社員同僚とコンビ
を組むことになったはずだった。

 

あの同僚との仕事をそんな若者に託す
ことになって、俺は少々心が痛んだ
それ以上にあの同僚から解放される
とが嬉しかった

 

あれ? そうか1年経ったんですね。
おかえりなさい。後ろでがした。

 

見ると、留学に行く前一緒に仕事
していた内勤の社員だった。同僚がな
んでもクライアントに言われた無理を
押し付けるので、かなりの苦労をかけ
相手だ。

 

ああ、君か。どうだい、最近例のクラ
イアントの仕事は? 相変わらず無茶
なこと言ってくるんだろうな。俺は尋
ねた。

 

ああ、いや、それがね。あの若手の彼
に担当が替わってすぐに、一つとてつ
もない無茶な依頼が来たんですが、結
局それ、納期に間に合わなくて、穴を
開けちゃったんですよ。

 

え? 本当か? それでどうなった?
俺は驚いて聞き返した。

 

それがね、もちろんうちの社内でも問
になったんですが、あちらさんの方
でも、あんまり無茶な発注をするもん
じゃない、という話になりましてね。
最近では、そんなわけで、結構オーダ
ーがまともになりました。おかげで、
定時に退社できることも多くなりまし
たよ。

 

その社員は、笑って、じゃまた、とい
って立ち去ったえええ〜〜

 

そんなことがあったとは。社内の根回
しとか大変な苦労していた俺の努力は
何だったんだ。俺は、呆然として、そ
ばにあった椅子に崩れ落ちた

 

……

 

と、いうところで目が覚めたか。
ちぇ。世の中は甘くない。ま、今どき
MBA なんてのも流行らないか。

 

また、昼寝か。いい気なもんだな。
の声がした。見ると俺の目の前に立
っていた。

 

お得意からのあの発注の件内勤には
伝えたのか? どうせあいつらは時間
がないとか文句言うんだろうが、ちゃ
んと言うこときかせてくれよ。
日ライブがあるから帰るぞ。じゃな。
そう言って同僚は立ち去った

は、黙って見送っていたが、この案
件、穴を開けた方がいいのではないか
思いはじめていた。それが、みんな
の幸せのためじゃないのか? いや
対そうに違いない。

 

そんなどす黒い思い脳内を駆け巡る
のを、俺は押しとどめることができな
くなりつつあった……

 

このお話はフィクションですので、
現実の国内留学制度、クライアントの
無茶振り、社内のもめごとなどとは無
関係ですよ。たぶん。

 

て、ことで。

 

それでは、また。( ̄▽ ̄)

 

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何も思いつかない夜?

る晩、俺がリビングに行く
と、高校生の娘が暗い顔をして
座っていた。

 

どうしたんだ?

 

俺が尋ねても、じっと黙っている。こ
ういうときは、だいたい学校の課題
宿題が大変だとか、そんなことが
なことが多い。

 

何度か質問しているうちに、ようやく
娘が話し出した。どうも何かテーマ
決めて自分で調査とか研究とかをして
レポートをするという課題が出ている
らしい。そのテーマとどんな研究をす
るか、翌日発表しなければならない
いう。

 

本当はその日早く帰ってきて考えをま
とめるつもりだったのだが、学校の合
唱祭で娘がピアノの伴奏を弾くことに
なり、その打合せが夜までかかってし
まって、準備が出来なかったらしい。
娘は3歳の時からピアノを習っていた
ので、お鉢が回ってきたようだ。

 

打合せで疲れて頭が回らないし、どう
したらいいかわからない、と娘は今に
泣きそうな顔で言った。

 

テーマは自由でいいんだろ? 何か思
いつくことはないの? と俺は聞いた
が、考えがまとまらないらしい。なる
べく自分の日常の身の回りのことをテ
ーマにするのが良いらしいが、良い考
えが浮ばないらしい。

 

俺は、聞かなきゃよかったと思ったも
のの、このまま放ったらかして自分の
部屋に戻るのも親としてどうかと思い
娘のそばに腰かけた。

 

んー、と、そうだなあ。身の回りかあ。

 

おれはそう言いながら、何かないか
えを巡らした

 

えーと、あ、その合唱祭に何か関係の
あることってどうかな? 苦し紛れに
俺は言った。

 

合唱祭に関係することって何よ? 
は聞き返してきた。

 

だ、だからさ……そうだ、クラスの中
にも音感のいい人間もいれば悪い人間
もいるだろ? 音が簡単に取れる子
いれば、苦労する子とか。

 

娘はうなずいた。彼女は小さい頃から
ピアノをやっているので、絶対音感
あるらしい。自分のように音を聴きと
れない人間がクラスにいることは理解
しているようだ。

 

だから、そんな人間の音感について調
べるっていうのはどうかな? クラス
の中で絶対音感持ってる人そうじゃ
い人を調べてみるとか。

 

娘の顔が明るくなった、それならでき
るかもしれない、と思ったようだ。

 

わかった。それでまとめてみる。娘は
言った。

 

俺は、親の威厳をなんとか繕いつつ、
部屋に戻った。ふう、口からでまかせ
だったがなんとかなったようだ。夜に
娘が1人でいるところにはなるべく近
づかないようにしよう。

 

そんなことを考えながら、俺は、部屋
のPCの前に座った。スクリーンには
作りかけのプレゼンテーション資料
ファイルが開かれていた。

 

スクリーンを改めて見て、俺は頭を
えた明日まで来期にむけての
イアントへの提案内容をまとめて
長に説明しなければならないのだが、

 

何も思いつかない

 

のだ。なんとか早くまとめないと、と
思うものの、手が動かないまま時間ば
かりが過ぎていくのだった。このまま
では徹夜だ……

 

※このお話はフィクションですので、
現実の高校生、合唱祭、授業の課題、 
会社のプレゼンテーションとは無関係
です。きっと。

 

て、ことで。

 

では、また。( ̄▽ ̄)

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スタープレーヤーの悲劇?

の日、俺は少しばかり浮れ
た気分久しぶりに出社した。

 

なぜ浮れていたかというと、ついにあ
の同僚と別れて仕事をすることになっ
たからだ。

 

その理由が、社長発案で社内の優秀
「スタープレーヤー」が集められて
「ドリームチーム」が作られることに
なり、それにあの同僚が選ばれたとい
うのは、かなり(というかすごく)
にくわなかった。だがしかし、それを
上回る解放感で、俺は浮れていたのだ。

 

その日は、新たなチームの顔合せをし
たい、最初だからリアルでという部長
声掛けで、出社することになった。
俺にはまったく異存はない新たな仕
事仲間が誰になるか、それにも興味が
あった。

 

俺は、会議室のドアを開けた。

 

と、そこには部長が1人で座っていた。

 

おはようございます。俺は言った。

 

お、おう、おはよう。部長は言ったが
なにか歯切の悪い挨拶だった。

 

私の新しい仕事のパートナーはまだ来
てないんですね? 俺は尋ねた。

 

うん……それなんだけどな。実はちょ
っと問題があって。

 

問題? 俺はおうむ返しに聞いた。

 

そう……。つまりさ、ほら、よく色ん
バンドのエース級を寄せ集めて、
しいバンド組むなんてことあるだろ?

 

は? 何を言ってるんだこの人は?
俺は思った。また音楽の話か?

 

だけどさ、そういうのって、なかなか
うまく行かないじゃない? みんな
強すぎて、空中分解したりして。
部長は続けた。

 

俺はとても嫌な予感を感じないではい
られなかった。

 

……でさあ、例のあの社長のプロジェ
クトなんだが……

 

部長は説明を始めた。早い話、社内の
スーパープレーヤーたちが集められた
が、初回の会議から仲違いになって、
お互いこんな奴らと一緒に仕事はでき
ない、ということになったらしい。

 

つまり、社長プロジェクトは、白紙に
戻ったわけだ。

 

俺はさあ、最初から嫌な予感してたん
だよ。本部長にも言ったんだけどなあ。
部長は、俺に目を合わさないで言った。

 

で、まあ、すまんが……

 

……ちょ、ちょっと待ってくださいよ。
俺はいった。じゃあ、次の仕事の俺の
パートナーは……

 

と、そこで会議室のドアが開いた。

 

そこに誰がいるか、俺には分かってい
が、そちらを見る勇気は出てこなか
った。

 

このお話はフィクションですので、
現実の会社、組織のスタープレーヤー
やドリームチームなどとは無関係です
たぶん。

 

て、ことで。


それでは、また。( ̄▽ ̄)

 

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ウォーキング・イン・リズム??

て、天気もいいし歩いて
こうか?

 

俺は同僚に言った。

 

ずいぶんと久しぶりにクライアント
訪問する出張に来ている。新幹線の駅
を降りて、クライアントの社屋まで歩
こうと言ったわけだ。駅から歩いても
10分程度の所なのだ。

 

何言ってるんだ、タクシーだろう。同
僚はバカにしたいつもの言いかたで俺
に言った。

 

会社に請求すればすむのに、何が悲し
くて歩く必要があるんだ?

 

でもさ、ここんところ在宅勤務の日が
多いから運動不足だし……俺は説得
しようとしたが、聞くような同僚じゃ
ないのは明確だった。

 

やだね。どうしても歩きたければお前
1人で歩けよ。俺はタクシーで行く。

 

結局、俺は折れてタクシーに乗った。

 

……

 

いやいや、本当に久しぶりだねえ。得
意先の部長エントランスのロビー
われわれ2人を出迎えて言った。また
会えてうれしいよ。

 

私どももまたお会いできてとても嬉し
いです。同僚は俺に向かう時とはうっ
てかわった愛想の良さで言った。早速
お打ち合せをしたいのですが。

 

おお、そうだな。それで、最近私は
ォーキング・ミーティングというのを
実践してるんだが、今日はきみたちと
やってみたいと思って待っていたんだ。

 

ウォーキング・ミーティングですか?
同僚はおうむ返しの返事をしたが、す
でにその顔は曇っていた。

 

そう、まあ文字通り歩きながらミーテ
ィングするってことなんだが、これが
なかなかいいんだよ。会議室じゃ生れ
ないアイデアが湧いたりするんだ。う
ちの会社の裏は広い公園だから、そこ
を一緒に歩いて話をしよう。

 

部長はわれわれの返事を待たずに、
を出てその公園に向かって歩きだし
た。

 

は、すぐさまその後を追った同僚
俺が見た中で一番のブンむくれた顔
をしていたが、しかたなく俺の後から
ついてきた。

 

俺は部長に追い付くと言った。ウォー
キング・ミーティングって面白そうで
すねえ。

 

そう思うか? 部長は言った。アメリ
では、会議の生産性を上げる手法
して、結構採用されているそうだ。君
らも本社に戻ってもやってみるといい。

 

そうなんですかあ。俺はアメリカのこ
とはどうでも良かったが、同僚の仏頂
を見るのが面白くて、笑いをこらえ
ながら部長と話をつづけた。

 

たまにはこんな出張もあっていいな。
そんなことを思っていた。頭の中では
楽しげなマーチのリズムが鳴っていた。

 

このお話はフィクションですので、
現実の会社、出張、ウォーキング・ミ
ーティングとは無関係です。なんじゃ
そりゃ。

 

て、ことで。

 

それでは、また。( ̄▽ ̄)

 

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目の○が痛い?

る日の夕方、俺は同僚との
いつものオンライン打合せを終
えようとしていた。

 

なんだ、おまえ目をシバシバさせて、
どうかしたのか? 同僚が言った。

 

ん、最近ちょっと、目が痛くなるんだ
よな。なんか、とくに目の奥の方が痛
いことがときどきね。俺はいった。

 

おまえ、コロナかもしれないぞ。どこ
かの記事で読んだんだが、コロナの症
状の1つとして目の痛みがあるって書
いてあったぞ。同僚は、心配している
というよりは、どちらかというと面白
ろがっている口調で言った。

 

え、だって、俺はワクチンの4回目打
ってもう2ヶ月たつんだぜ。俺はそう
いいながらも不安な気分になって言っ
た。

 

ワクチンだって万能じゃないからな。
一度見てもらった方がいいんじゃない
のか? 同僚はそう言い残して打合せ
から退出していった。まったく、人を
安にさせることにかけては天才的
奴だ。

 

俺は、PC から離れて、部屋の外に出
リビングに行った。リビングでは
が何か映画かドラマをテレビで観てい
た。

 

なんかさあ、最近目の奥が痛くなるこ
とが多いんだけど、コロナの症状かも
しれないって言われたんだよ。俺は同
僚の話を妻にした。

 

んー、まあ違うわね。妻はすぐに言っ
た。まったく心配するという様子はな
かった。

 

なんでそう確信もって言えるんだよ。
同僚の言い方もいやな感じだったが、
妻の言い方も俺は気にくわなかった。

 

だって、ネット動画の見過ぎよ、それ。
毎日、ろくに仕事もしてないくせに、
しょうもない動画ばかり観てるじゃな
い。妻はテレビから目を離さず言う。

 

そりゃ仕事の合間に見たりはするけど
さ。俺は言った。

 

違うでしょ、ネット動画を観る合間に
ときどき仕事してるんでしょ? 妻は
言い返してきた。

 

まったく、心配して欲しかったら、ま
ず自分の行いを見直すことね。眼精疲
ってやつよ。目薬さしたら?

 

……それ以上いっても、言い争いにな
るだけなので、俺は黙って部屋に戻っ
た。

 

ネット動画が危険だというのは確かに
一理はある。とはいえ、俺はちゃんと
わきまえた観かたをしてる……はずだ。

 

たまに面白い動画に当たるとハマる
とはあるけどな。例えばこのいきなり
関西人になってしまう関西電気保安協
会の CM とか、その CM を観て関西
に住むイギリス人が受けまくるという
この動画も……

 

後で目薬を買ってこよう。と俺は頭の
片隅で思いつつ PC の画面を見つめて
いた。

 

このお話はフィクションですので、
現実の会社の同僚、家族関係、ネット
動画とは無関係……かな? あれ? 
ちなみに目の痛みとコロナの話にご興
味のある方はこちらをどうぞ。
て、ことで。

 

それでは、また。( ̄▽ ̄)

 

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ワクチン・ナイト・フィーバー

の朝、俺は普通に起きたの
だが、妻が前の日に打った
チンの副反応で熱があるとい
て、起きてこなかった。

 

俺も同じ日にワクチンを接種したのだ
が、微熱さえもなかったので、ちょっ
と驚いた。

 

あなたはいいわよね、日頃から鈍感で。

 

妻はそう言って、横になったままでい
る。

 

なんでそんなことをいわれなきゃいけ
ないんだと思いながら、しかたなく俺
娘の分と自分の朝食を作り、食べて
後片づけをした。

 

その日は朝から例の同僚と、クライア
ントに翌日提出する資料の作成の件で
打合せをする予定だったので、朝食後
俺は早速 PC を立上げた。

 

すると、同僚からメールが来ていた。

 

昨日ワクチンを打ったら熱が出た。打
合せ出来る状況じゃない。資料作りは
まかせる。

 

そういう文面だった。

 

なんてこった。あいつも昨日ワクチン
を打っていたとは。偶然とはいいなが
ら、困ったことになった。

 

俺はそう思ったが、しかたなく、一人
で資料作りに取りかかった。同僚から
の面倒くさい提案や、妻の横からの変
な頼みごともなかったせいで、仕事は
思いがけず早く進んだ。

 

午後には資料の作成は終わり、俺はそ
れを同僚にメールして、クライアント
に送る前に目だけは通すように依頼し
た。

 

さて、気分転換に、ちょっと散歩でも
してこようかな。

 

おれはそう思って立ち上った……が、
何かがおかしい頭がくらくらして、
足下がおぼつかない

 

あわてて体温を計ってみたら、38度
以上あった。遅れて発熱するケース
ある、という話を俺は思い出した。

 

だいぶ熱下ったわ。夕ご飯どうする?

 

そう言って、ちょうどそこにが入っ
てきた。

 

なんか、俺、今ごろ熱が出てきた
わ。俺は妻に言った。

 

えー、じゃあ夕食作ってくれないの?
ほんとに間の悪い使えない人ねえ。

 

そう言って妻は出ていった。

 

俺は怒る気力もなく、横になった。す
ぐに眠ってしまったようで、ビージー
妻と同僚が踊るという夢を見た。うな
されていたに違いない。

 

翌朝、熱もだいぶ収まったので起きて
メールを見たら同僚からメッセージ
届いていた。

 

クライアントの)○○さんもワクチ
ンで熱が出たそうで、今日の説明は
集に延期になった。しかしお前の作っ
た資料はひどいな。俺が作り直して送
っておいた。感謝しろよ。

 

おれは、PC の電源を落とした。もう
今日は仕事しないと心に決めた。食事
も作らない……絶対、おそらく、たぶ
……

 

このお話はフィクションですので、
実際の家庭や仕事やワクチン接種とか
副反応とかとは無関係です。たぶん。

 

て、ことで。

 

それでは、また( ̄▽ ̄)

 

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ネット環境構築物語(その1?)

(すみません、フィクションです)

ーい聞こえるか?俺の PC
の向こうから同僚の声が聞こえ
た。

 

聞こえるよ。俺は答えた。せっかくの
休日に朝から同僚と PC 上とはいえ話
をするのは気が進まなかったがしかた
ない。

 

といっても、いつもの仕事の会議とい
うわけでもなかった。俺と同僚は、そ
れぞれの家の PC で、ネット上でセッ
ションができるというアプリを立ち上
げていた。

 

わけあって、このアプリを試しに使っ
てみる必要があったのだ。わけという
のは、クライアントの部長のMさんだ。

 

Mさん音楽が趣味で、社内でもバン
を作って活動している。前はわれわ
れが出張して先方で打ち合わせするの
に合わせて、打ち合わせ後にセッショ
に誘われたりしていた。

 

それが、なかなか出張がままならなく
なったため、セッションする機会もな
くなっていたのだが、この前オンライ
ンでの会議の時にMさんが、このアプ
リの話を持ち出してきたのだ。

 

それで、1週間後にオンラインのセッ
ションをしようという話になってしま
ったので、こうやって俺と同僚は休日
試験的にセッションを立ち上げてい
るわけだ。

 

なんだか、音質悪いなあ、それに遅延
だいぶある。同僚は俺に言った。お
前、インターネットの回線何を使って
るんだ?

 

何って、よく知らないけど前から使っ
てるケーブルテレビと一緒に入ったや
だよ。それを WiFi で飛ばしてる。

 

ふん、どうせ、料金の安い遅い回線
んだろう。音楽をやる奴はできる限り
早い回線の契約をするのは常識だぞ。
同僚は言った。

 

何言ってやがる、と俺は思った。俺の
知り合いネットでセッションをやっ
ているといったら、ネットなんかでセ
ッションがまともにできるわけがない
そんな奴の気が知れない同僚が言っ
ていたのは、つい去年のことだ。

 

どうせ、ギターデュオをやっている
に言われて環境を整えたんだろう。
なんでもその相方 IT 系の企業に勤
めていて、こういうことには詳しい
だそうだ。そう思ったが、めんどくさ
いので口には出さなかった。

 

それから WiFi もダメだ。ちゃんと
ーターからイーサーネット・ケーブル
で繋がないと、満足な速度は出ない。
同僚はかさにかかって言い立ててくる。

 

えー、何だいそれ?そんなこといわれ
てもよくわからんよ。俺は言った。

 

まったく、お前みたいな奴はもう音楽
なんかやる資格ないな。これからの
楽はネットが主流だ。オンラインでち
ゃんとセッションできない奴は見捨て
られるぞ。だいたいお前がいつもトロ
いから俺が苦労……

 

そこまで言われたところで、俺は退出
のボタンをクリックした。嫌な所から
はすぐに避難できるのも、ネットのい
いところだ。俺はひとりごとをつぶや
いた。

 

しかし、と俺は思った。

 

悔しいが同僚の言うことにも一利ある
のは認めざるをえなかった。わが家の
ネット環境の改善を考えなければ。

 

そうだ、この際、PC を通じてネット
に楽器やらマイクやらを繋げる環境も
含めて一新して、俺の部屋を一段も二
段もアップグレードしたスタジオ化
ることにするか。そう考えると、なん
だか楽しくなってきた。

わくわくした気分になって、色々考え
ていると、がドアをノックもせずに
開けて入ってきたようやく起きた
うだ。

 

なにを部屋で一人でにやにやしてるの
よ?朝ご飯は?妻は言った。

 

こ、これから作るよ。ちょっと待って
てくれ。俺は言ってキッチンに向かっ
た。いかん、理想のネットスタジオ環
境の構築をするには、この妻をクリア
しなければいけなかった。

 

慎重にプランを練る必要があるな。
はそう思いながら朝食の支度にとりか
かるために、冷蔵庫の扉を開けた。

 

例によってフィクションですので、
現実のクライアントの部長、ネット環
境、セッション用アプリ、家庭内の勢
力図とは無関係です。たぶん。

 

て、ことで。

 

それでは、また。( ̄▽ ̄)

 

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ありがとうっていえなくて?

(このお話はフィクションです)
に呼び出して、すまんな。部
長がモニターの向こうで言った。
急に俺とにオンライン会議を
招集してきたのだ。

 

いえ、オンラインなので、大丈夫です。
は言った。同僚仏頂面をして黙っ
ている。どうせ、ギターの練習でもし
ていて、中断しなきゃならなかったの
だろう。

 

短くすませたいので、端的にいうが、
実は、ちょっと社内の製作部門からク
レームが入った。N社の件だ。

 

N社というのは俺と同僚で担当してい
クライアントだ。

 

クレームですか? 俺は言った。

 

うむ。うちのセクションからの製作に
ついての指示が高圧的だというんだな。
部長は言った。

 

きみたちがクライアントの意向を受け
て指示しているのはわかるが、もう少
穏やかな物言いはできないものかね。
忙しいところすみませんが、とか、
つもありがとうございますとか、そん
言葉を入れるだけでも印象は大分変
わると思うぞ。

 

俺が恐れていたことが起こったようだ。
大体いつも同僚の社内への指示は、
圧的相手への配慮とかそういうもの
一切ないメールでも、やって当然
というような書き方をする。はどち
らかというと裏でフォローに回るほう
だ。

 

部長も、俺の問題ではなく同僚のこと
だというのはわかっているのだろう。
モニター越しなので、どちらの顔を見
て話しているのはわからないが……。

 

ちょっと待ってくださいよ。社内に指
示を送るのになんでこっちがそんな気
を使わなきゃならないんですか。同僚
が言った。

 

そう言うけどな、社内の連中だって
だ。言われ方一つで、指示を受けと
気持は大分変わるもんだ。部長は諭
すように同僚に言った。

 

それに、話がおおごとになりつつある。
向こうの連中はこのままならあっちの
本部長に話を上げると言ってる。うち
の本部長が向こうの本部長に責められ
るというのは社内政治的にもよろしく
ない。

 

そこが本音か、と俺は思った。2人の
本部長は同期で出世を争う仲だ。

 

ともかくだ、アメリカの研究にもある
そうだが、メールに相手の感謝の言葉
を書いて頼みごとをするだけで、その
通りやってもらえる確率は大きくアッ
するそうだ。部長は続けた。

 

別に本気でそう思わなくてもいいから、
ひと言「いつもありがとう」という言
葉をメールに入れてみたらどうだ。き
みたちも音楽やるそうじゃないか。音
楽を一緒にやれる仲間への感謝の気持
を思い出してみたらどうかな?

 

わかりました、気をつけます。俺は言
った。同僚はふて腐れた顔で黙ってい
る。こいつが音楽仲間に何を思ってい
るのか、あまり知りたくない気もした。

 

頼むよ。こういうのは普段から口にし
ていると気軽に使えるようになるもん
だ。ちょっと練習してみようじゃない
か。何を思ったのか、部長は言った。

 

今日は文句を言って申し訳ないが、2
人の働きにはいつも感謝している。
りがとう。部長はそういって頭を下げ
た。

 

こんなぐあいだ。2人もお互いにやっ
てみたまえ

 

……えぇ? と俺は思った。

 

気まずい沈黙が流れた。

 

ここは俺から言うしかないか。しかた
なく俺は同僚に向かっていった。

 

い、いつもありがとう。

 

自分でも顔が引きつっているのがわか
る。

 

同僚ばかばかしくてやってられない
という顔をしたが、それでも、口を開
いて言葉を発しようとした。

 

あ……

 

こいつの口から、「ありがとう」とい
う言葉を聞くのは前代未聞だ。俺はな
んだか知らないが緊張した。

 

あ……

 

部長もモニター越しに固唾をのんでい
る。

 

あ……明日の会議で居眠りするんじゃ
ないぞ。同僚は言った。

 

モニターの向こうで、部長が椅子から
ずり落ちそうになるのをこらえるのが
見えた。

 

社内のクレームは収まりそうもないな、
俺は思った。

 

このお話はフィクションなので、現
実の社内クレーム、上司の出世争い、
い○も○が○りなどとは無関係です。
たぶんね。

 

て、ことで。

 

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ギターとマスクとあいつと俺と

(今日のお話もまたまたフィクション
です)
曜日の朝、俺は腹を立てて、
ひとりで家を出た。

 

なんで腹を立てたかというと、が俺
の大事なエレガットギターを、勝手に
らだ。なんでも音楽の授業でギターを
弾かなきゃならないので、練習用に貸
せというのだった。

 

どんな理由があるか知らないが、たと
え父親のものだとしても、黙って持っ
ていくんじゃないといったら、むくれ
た顔をして、そのままひと言も口をき
かずに部屋に閉じ籠ってしまった。中
から鍵をかけて。

 

俺が娘の部屋の外から話しかけよう
していると、10時近くなってようやく
起きてきた妻が、うるさい静かにしろ。
あんなに沢山あるギターの1本くらい
貸してやれ、という。

 

そういう問題じゃない、と俺が言うと、

 

それじゃあ、今からあんたの部屋にあ
ギターの必要性について1本1本
れぞれじっくり説明してもらおうかし
ら?

 

妻は切れ気味の声で俺にすごんだ。

 

俺は、頭に来たが、これ以上対決姿勢
を取ること得策ではないと判断して
だまって家を出たのだ。まったくなん
て家族だ。

 

俺は、そのまま家から一番近くにある
楽器店に向かった。そして、開店した
てのその店に入ると、ギター売場に向
かったのだった。

 

それならそれで、もう1本買ってやる。
俺は思った。娘の持っていったギター
は小ぶりで持運びには良いが、もうち
ょっと大きめのサイズのが欲しいと思
っていたところだったのだ。

 

ギター売場で、よさそうなエレガット
を見つけた俺は、店員に言って試し弾
きを始めた。なかなかいい感じだ。も
ちろん最終的に買うまでには何軒か店
を回る必要はあるが……

 

ギターを手に取って少し落着いた俺
そこで、何か違和感を感じた。なぜか
回りの客店員視線俺に集中して
いるように感じたのだ。

 

そこで、気がついた。

 

俺は、怒りのあまり家を出る時にマス
クを着けずに来てしまったのだ。普段
の外出なら、忘れるようなことはない
のだが、その朝は頭に血が上っていて
忘れてしまったのだ。

 

回りの客はみなマスクをしている。あ
る男女のカップルはこちらの方を遠目
から、非難するような目で見ている。

 

店員はさすがにそんな素振はみせない
が、それでもときどきちらちらこちら
を見ている早く立去れとでも思って
いるのだろう。

 

俺だって、悪気があってマスクしてい
ないわけじゃない。たまたま忘れたん
、と言いたかったが、家庭内でケン
カした話をするのも恥ずかしい。考え
ただけで顔が紅潮するのが感じられた。

どうしようか。ギターを置いて立去り
たい気分になりながらも、それも悔し
気がして、俺はその場でギターをい
じり続けた。

 

そこに後ろから声がした。

 

なんだ、朝から下手なギター弾いてる
奴がいると思ったらお前か。

 

振り向くと、例の同僚が立っていた。

 

マスクをしないで。

 

同僚は、以前から世の中がマスクの着
用を強制するのはおかしい、といって
絶対マスクをしようとしないのだった。
一度クライアントにどうしても出向く
必要があったときもマスクをしなかっ
奴だ。

 

な、なんだお前、何してるんだ。

 

何って、ギターの弦を買いにきたらい
けないとでもいうのか?

 

そ、そんなことは言ってないが、マス
クくらいしたらどうだ。俺は自分がし
てないことを忘れてつい言ってしまっ
た。

 

俺がマスクしないことは知ってるだろ
う。……というか、お前だってしてな
じゃないか。お前、頭大丈夫か?
ャムセッションなんてしょうもないこ
とやってるんでついにおかしくなった
のか?

 

同僚は、大きな声で俺に言った。

 

俺は、マスクをしない男2人が大声で
会話しだして、さらに迷惑そうな目
俺たちに注がれるのを感じた。

 

全く、お前みたいな奴に買われるギタ
ーはかわいそうだな。同僚はさらに俺
皮肉を浴せた。

 

俺はギターを置いて、黙って同僚を残
して店を出た。全く、なんでこんな目
にあわないといけないのだ。
おれは土曜日の朝だというのに絶望的
な気分になって、逃げるように家に向
かったのだった。

 

このお話はフィクションですので、
現実の女子高生、主婦、会社の同僚、
楽器店とその客とはたぶん無関係です。

 

て、ことで。

 

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少食に適した音楽??

(今回のお話はフィクションです)
寝をしていたら、ついつい
過したようだ。夫がやってきて、
夕食の用意ができたという。

 

夫の勤務が原則テレワークになってか
らというもの、私と夫は1日交代で夕
食を作る当番制をはじめた。1日家に
いられるというのも鬱陶しいので、そ
見返りにと私が言い出したのだ。

 

いやがるかと思ったのだが、夫は案外
素直に同意した。どうも、ネットの動
で紹介されるレシピを見て、料理作
りに興味が湧いたらしい。まあ、もと
もと食いしん坊な人ではあるのだが。

 

ネットで見たレシピ再現しようとす
るので、ときどき突拍子もない料理
出てくるのが難点だが、まあ多少のこ
とは大目に見ている。なにより、献立
を考える手間が半分になるのはありが
たい。

 

私は起き上って、ダイニングに向かっ
た。

 

なにか様子が変だ。

 

ダイニングの照明がいつもの半分以下
くらいに暗い。テーブルの上にはキャ
ンドルが置かれている。まるでどこか
ラウンジみたいだ。

そして、気味の悪いことに BGM まで
流れている。なにやらゆったりとした
BPMのヒップホップ系のルースな音楽
……。

 

ちょっと、なんなのこれは?

 

私は夫に向かって言った。

 

いや、たまには気分を変えてみようか
と思って。夫は言う。

 

いやよ、こんなの気味が悪い

 

気味が悪いって……いいじゃないか
ードがあって。夫は反論する。

 

冗談やめてよ、何でいまさら家でムー
ド出して食事する必要があるの……

 

そこで、私はピンと来た。

 

何か妙なこと企んでるでしょ?

 

え?そ、そんなことないよ。ただ……

 

ただ、何なのよ。

 

いや、照明暗くして、メローな音楽を
聴いて食事すると、食べる量が抑えら
て、痩せるっていうんで……

 

は?つまり何?私が食べ過ぎだってい
いたいわけ?

 

食事をしっかり摂るのは私の生甲斐
のだ。それをこの男は……

 

い……いやその、ちょっと予算オーバ
になりそうだったんで、少ない量で
満足してもらう方法を調べて……

 

それはあなたが訳のわからないレシピ
見て、妙な材料色々仕入れてくるから
でしょう?家庭料理に何悪凝りしてん
のよ。だんだん腹立ちが抑えられなく
なってきた。

 

だいたい、何よこの音楽。私が音量の
大きい音楽が好きなことへのあてつけ
なわけ?

 

え……と、そういうわけでは……

 

私は、部屋の照明を明るくし、音楽を
かけ変えた。打首獄門同好会の「日本
の米は世界一」▼▼▼

 

テーブルに座って夫の作った食事を食
べ始める。味は悪いとは言わないが、
量がいかにも物足りない。この際、
の分も食べてやる、と心に決めた。

 

夫は、そばで呆然とながめている。

 

このお話はフィクションですので、
現実の食事、音楽、夫婦の会話とは無
関係です……よね?あ、食事の量と照
明・音楽の関係については、そういう
研究が本当にあるらしいです。知らん
けど。

 

て、ことで。

 

では、また ( ̄▽ ̄)

 

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オンラインの病?

(今日のお話はフィクションです)
の日は久しぶりに自宅から
レワークだった。長い休みが
終わっての最初のオンラインの
打合せを、俺は例の同僚として
いた。

 

結局、またこいつと仕事する日常に戻
るわけだ。俺は溜息をつきながら同僚
仕事の現状を確認し終えた。

 

……しかしどうも同僚にいつもの元気
がない。そんなに明るく快活なタイプ
ではもちろんないが……いやどちらか
というと皮肉たっぷりのダークなタイ
だがそれにしても、なんだかやつれ
ている

 

どうした、身体の具合でも悪いのか?

 

俺は同僚にたずねた。

 

ん? いや別にたいしたことはない。
ちょっとオンラインの動画観たり
撮ったりしていて、あまり寝てない
だけだ。

 

同僚はそう言った。

 

同僚の話によると、長い休み中家に籠
っていたので、オンラインの動画を観
ていたらはまってしまったのだという。
特に、色んなミュージシャンたち
宅で撮った動画やら、それらを使った
コラボ動画を見続けていたらしい。

 

観るだけでなく、自分でもそういった
コラボ動画を作ろうと、録画だのライ
ン録りだの色々とやっていたらしいの
だ。

 

凝り性完璧主義者の同僚のことなの
で、時間を忘れて何テイクも繰り返し
ようだ。それで、目の下に隈ができ
ているのか。

 

なんだ、そんなことか。まあ病気じゃ
ないならいいが。

 

俺は言った。

 

そんなこととはなんだ。まあ、おまえ
みたいにがさつなジャムセッション
やっている奴にはわかるまい。

 

同僚は言返してきた。まあそのくらい
の口がきけるなら問題あるまい。俺は
打合せを終わらせようとした。

 

ちょっと待て。おまえ、太っただろう?

 

同僚は逆に俺のことを話題にしだした。

 

え? そうか? まああまり外にも出
られなかったからな。運動不足にもな
るさ。

 

俺はそう言ってごまかしたネット
急に氾濫し出した料理の動画を見て、
食欲を刺激されて色々作って試食して
みた結果だとは言えなかった。

 

そうやって、怠惰な日々を繰り返して
る奴が生活習慣病にかかったりするん
だ。俺を見ろ、毎日ジョギングを欠か
さない……

 

同僚がまくし立てるのに付き合ってい
られないと思ったおれは、会議ソフト
「退出」ボタンを押した……

 

……ところで後ろから揺さぶられて目
がさめた。

 

ちょっと、もう夕方だけど、夕食の用
意始めなくて大丈夫?

 

振向くとがいた。

 

ああ、今からやるよ。

 

俺は答えた。在宅テレワークの間は一
日置きに夕食当番が回ってくるのだ。

 

まったく、ほんとにちゃんと仕事して
るの? 居眠りばかりして。クビにな
らないでよね。

 

妻がまた皮肉を言ってくるのをやりす
ごそうと、俺は立ち上ってキッチンに
向かった。夕食当番か……

 

まあいい、まだネット動画で仕入れた
レシピで作ってないのがあるからな。
今日は例の豚のショウガ焼きにしよう。

 

なかなか痩せるのは難しいものだ……

 

今日のお話はフィクションなので、
現実のネットの演奏動画やレシピ動画
とは無関係です。たぶん。

 

て、ことで。

 

では、また ( ̄▽ ̄)

 

 

もしセッションホストが講談師だったら(続き)

こちらの続きです)
日のメンバーは、と見れば……。

 

鍵盤ギター、ベース、ドラムが一人
っついて、あとはテナーサックスに、
ペットに、おっとトロンボーンですか。
なかなか錚々たる面々でございますな。

 

それじゃあ、まあ一つ奇をてらわず
オーソドックスというやつで参りまし
ょうか。そういたしますと(パン)

 

まずこの曲出だしが肝心で、ピアノ
イントロがこれはもうおきまりとい
うものがございまして。キーはCです
がこのAのフラットといいますかGの
ャープが入ってくる。印象的な音使
いのイントロでございます(パパン)

 

その後、曲の構成はと申しますと、
メロ8小節2回、そのあとBメロ8
小節Aに戻ってまた8小節という。
いわゆるAABA32小節というよく
ある流れになっておりまして(パパパ
パン)

 

勢ぞろいされた手練の皆さまには、テ
ーマの後のソロも馴れたものでござい
ましょうが、僭越ながらポイントを申
し上げますと、まずはAの3, 4小節目
D7(II7)のところでございます。

 

ここで、何のスケールを弾くのか?
ブンスコードでございますから、常道
ミクソリディアンか? それとも
からリディアン・ドミナントを繰出
すのか?(パン)このへんが常識的な
ではございます。

 

あるいはDのホールトーンスケール
いう秘伝の変化球も考えられるところ
でござますが、さて? お手並み拝見
いや拝聴させていただきましょう。

 

その後Bメロの前半4小節が、Fメジ
ャーのワンコードという、下手すると
ダレてしまいかねない進行になってお
りますが、ここは裏でダイアトニック
コードの進行を脳内で想定してソロを
とる、というような技が求められます
(パンパン)

 

それから、ソロの後、この曲にはセカ
ンド・リフというのがございます。今
日は3管という願ってもない編成でご
ざいますので、これはぜひ入れていた
だきたい。(パン)

 

ホーン隊一斉のセカンドリフドラム
ソロのやり合い、いわゆる4バース
いう形でAメロ。Bメロんところは全
面ドラムソロで、最後またAメロでの
掛合いという形で、ワンコーラス(パ
パン)……ぜひ、お願いいたしますね。

 

そして後テーマの最後エンディング
もまたお決りのフレーズがございます。
Aトレイン・エンディングという名前
さえついているという、ラスボスのよ
うなエンディングでございますが。

 

まあ、落着いてやりさえすれば、そん
なに難しいもんではございませんが、
そこはそれ(パパンパパンパパパン)
最後の最後というところで、ムダな力
が入ってずっこける、という失敗もよ
くおこりますんで(パン)画竜点睛を
欠かないよう、よろしくお願いいたし
ます。

 

ま、そうはいっても、間違えたところ
で今の世の中、腹を切れとか島流し
か、そんなことにはなりませんがね。
ここをぱしっと決めれば「でかした、
あっぱれ。いい出来だ」という声もか
かろうというもので(パン)このA列
車の旅も、大団円でございます。

 

ありがとうございました。

 

……あ、そうじゃなかった演奏これか
でしたね。すいませんね、ディレク
ションで盛り上がっちゃって。えーと、
それでは皆の衆よろしくお願いいた
します。

 

せーの

 

※このお話はフィクションですので、
現実のジャムセッション、講談師とは
無関係です。きっと。

 

て、ことで。

 

それでは、また。( ̄▽ ̄)

 

 

もしセッションホストが講談師だったら

ー、どうも。沢山のお運び
ありがとうございます。私が本
日のセッションホストを務めさ
せていただきます。

 

え? なんで置いて座って張り扇
ってるんだ? 机ってね、これ釈台
いうんですがご存じありませんか?
(パン)

 

私、本職講釈師あるいは講談師と呼
ばれる講談を寄席なんかでやってる者
なんですが。まだ前座の身分でして、
生活も苦しいんで、師匠の許しを得て
副業といいますか、アルバイトセッ
ションホストをさせていただいており
ます。

 

講談、ご存じでいらっしゃいますか?
歴史上の人物や出来事をこの張り扇で
調子をとりながら語って楽しんでいた
だくという演芸でございます。武勇伝
とかかたきうちの話が多いんですが。

 

学生の頃、落研とジャズ研をかけもち
しておりまして。その関係でこういう
本業・副業をやっておりますんで。落
語を聴きに寄席に通ううちに講談に目
覚めて、講談師をめざすようになりま
した。めざせ次の神田○山というよう
なことで日々精進しております。(パ
ン)

 

で、さて。今日の演目じゃない曲目
ございますが、これが!……あの「A
列車で行こう」という曲でございます。
かのデューク・エリントン楽団のこれ
はもう十八番中の十八番でございまし
て。

 

ジャズにお詳しくない方でも一度は聴
いたことがあるだろうという名曲でご
ざいますが、この「A列車で行こう」、
作曲したのは実は楽団の親方エリン
トン本人ではございません。エリント
ンの盟友ともいうべきビリー・ストレ
イホーンという御仁で。(パン)

 

なんでも、音楽の著作権団体ラジオ
揉め事があって、エリントンが
分の曲をラジオで放送できないという
ピンチに陥った時、ストレイホーンが
ならば俺の書いた曲を使えと言ってエ
リントンに指し出したのがこの曲だと
言われております。これにエリントン
が「すまねえ、一生恩に着るぜ」と言
った……かどうかはわかりませんが。

 

詳しいいきさつは、また別の機会に語
らせていただきますが(パン)そんな
わけで、元和元年一夜にして、じゃな
かった西暦1939年に書かれたこの曲
がエリントン楽団の主題歌として今に
残っているわけでございますが……

 

で、さて、今日はどうやりましょうか?
(続きます)

 

張り扇で釈台を叩く音

 

て、ことで。

 

では、また  ( ̄▽ ̄)

 

2人のポリリズム?

あ、きみがあいつのリズム
合わせるのに苦労していると
ろがあるのはわかる。

 

部長がいう。同僚2人で担当して
いるクライアントについて定例の報告
をしていたときの話だ。あいつ、とい
うのはその同僚のことだ。奴はまた
イブが近いとか言って、俺に報告を任
せて午前半休を取っている。

 

前にも言いましたけど、苦労してる
ころがある、っていうのはむちゃくち
ゃ控えめな言い方だと思いますね。

 

俺は言った。この部長があの気難しく
て横暴な同僚に甘いのは全然変わらな
い。

 

まあ、そう言うな。私はきみたち2人
リズムのズレが逆に絶妙にいい感じ
生み出していると思うんだ。ポリリズ
ミックな関係というやつだな。

 

部長はまた変なことを言い出した。
リリズミックな関係ですか?俺はおう
む返しに尋ねた。

 

そうだよ、きみも音楽やってるから
リリズムって知ってるだろう。ある拍
の上に別の拍子のフレーズをのせて
演奏すると、絶妙な緊張感盛り上が
が生れたりするだろ?

 

部長はまた突然、ミニキーボードを取
り出して内蔵のリズムマシーンで普通
4拍子のロックのリズムを鳴らした。
やれやれ、またか。

 

たとえば、この4拍子の上で、3拍
5拍でまとまっているフレーズをの
せて演奏すると、カッコよくなったり
するじゃないか。ずれることで緊張感
が生れるけど、それが最後辻褄があ
ってバチンと解決するとやたらかっこ
いいじゃん。

 

部長はキーボードでリズムマシンのリ
ズムに3拍フレーズを乗せて弾いてみ
せた。

 

リズムマシンの4拍子ずれていくが、
ある程度のところでフレーズの辻褄
あって両者がはまる一瞬が気持ちいい。
まあ俺もジャムセッションアドリブ
弾いたりしていて経験していることで
はある。

 

で、きみたち2人はこのポリリズム
たいな感じでさ、合わないと思えるも
のが、最後にあわさって絶妙なグルー
ヴを生み出していると思うわけだよ。
その証拠に2人でやってる仕事でクラ
イアントをしくじったことってない
ろ?

 

はあ。と俺は言った。この人の軽いノ
にいつまでついていけるだろう、と
俺は思った。

 

だから、わがチームとしては、2人
どっちが欠けてしまっても組織として
のグルーヴを失ってしまうと思うわけ
さ。だから2人にはこれからもうまく
やっていってもらいたいわけ。

俺は、自分同僚2つのパーカッシ
ョンになって違うリズムを生み出しな
がら演奏されているイメージを思い浮
べた。いつも隣同士一生離れずにぼ
こぼこ叩かれている……いやだ!いく
カッコいいグルーヴとかいわれても
そんな会社人生なんていやだ!

 

次第にが早くなって、心臓高鳴り
を押さえ切れなくなってきた。

 

……ところで肩を揺さぶられて目が覚
めた。

 

どうした。また昼寝か?そんなにうな
されて、さては午前中の部長への報告
のし方がまずくて怒られたか?

 

目の前には同僚がいた。周りを見渡す
と俺は面談から戻ってデスクで居眠り
していたのだった。それを午後から出
社してきた同僚に見つかったわけだ。

 

あ、そういえばさっき斉藤さんから
があったから来週金曜日に出張しま
すと言っといたぜ。

 

斉藤さんというのはクライアントの担
当者の名前だ。俺はあわてた。

 

だって、来週金曜日夜にジャムセッ
ションがあるから出張できないって言
ったじゃないか。

 

そうだったかな?まあ、あきらめろ
どうせ大したセッションじゃあるまい。

 

同僚は声をだして笑って自分のデスク
に向かっていった。

 

部長おかしいですよ。俺は心の中で叫
んだ。ポリリズムって最後に辻褄合わ
せるのはリズムを崩した方でしょう?
俺は崩されっぱなしですよ、いつも。
俺は頭を抱えて机の上に崩れ落ちた。

 

※このお話はフィクションです。現実
の会社、同僚、上司への報告などとは
関係ありません。たぶん。

 

て、ことで。

 

では、また ( ̄▽ ̄)

 

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