……ホテルへようこそ

い日だった。ただ妙に乾燥
していて
湿気がなく、なんだか
砂漠のような気候だなと
俺は思
った。砂漠に行ったこともない
のに。

 

俺と同僚ホテルを探していた。クラ
イアントとの打合せでクレームを聞か
されたあと、俺は本社に帰って出直そ
うと同僚に言ったのだが、同僚が出張
を延期して支社と解決策を探るべきだ
と言いはったのだった。

 

宿泊していたホテルに延泊の相談をし
たのだが、満室だと断られ、しかたな
別のホテルを探し出したのだ。どう
も市内で何か大きな催事があるようで
ホテル探しは難航した。

 

俺と同僚で手分けをしてネットを検索
したり、電話をかけまくった後、よう
やく同僚が1件のホテルからOKの返
をもらい、俺と同僚はタクシーに乗
ってそのホテルに向かった。

 

乗ったのは妙なタクシーだった。何か
植物を焚いたような、奇妙な香り
した。嗅いでいると、どこかに行って
しまいそうな香りだった。

 

頭が重くてめまいがしそうだと感じ始
めたところで。タクシーはホテルに着
いた。この街には何度も出張で来てい
るが、見慣れない風景のエリアだった。

 

ホテルのフロントの女性入り口まで
出てきて迎えてくれた。古いホテル
中はちょっと暗いですので、と彼女は
言って、そのまま部屋まで案内をして
くれた。遠くで鐘の音がしたような気
がしたが、記憶はあいまいだ。

 

……ホテルへようこそ、と彼女は言っ
たが、ホテルの名前は聞き取れなかっ
た。古いですが部屋は沢山あります
ら、いつでも空きはあるんです。彼女
は聞いてもいないのにそんなことを言
った。

 

腹が空いていたが、疲れてもいたので、
同僚と俺はホテルのレストランで夕食
を取ることにした。同僚がワインを頼
むと給仕長は、当ホテルでは1969年
の創業以来酒類は置いていないのです
と言った。

 

こんな日に、酒も飲まずに寝られるも
んか。同僚は立ち上がり、フロントと
交渉してくるといって歩き出した。俺
は嫌な予感がして、同僚を追ってフロ
ントに向かった。

 

フロントには誰もいなかった。

 

……が、その脇の開け放たれたドアの
向こうに人影が見えた。同僚はそのま
ま中に入った、俺も後を追った。

 

そこには、例のフロントの女性も、給
仕長もいた。それ以外のスタッフもい
るようだった。皆は手にナイフを握り
なにかテーブルの上のものを突き刺そ
うとしていた。

 

俺たちに気がつくと、フロントの女性
はいった。お客様、言い忘れましたが
チェックアウトは24時間いつでもOK
です。ただ、誰も帰った人はいません
けどね。彼女は笑った。

 

俺は同僚を見た。同僚も笑っていた。
俺はドアを出て逃げ出そうとした……

 

……ところで、肩を揺さぶられて目が
覚めた。

 

明日朝から支社で打合せだ。もう部
屋に戻ろう。寝過ごして遅れるなよ。
同僚は立ち上がって俺に言った。

 

ホテルのレストランで食事をするうち
に疲れが出て寝てしまっていたらしい。
70年代ロックのチャンネルに合わせて
いるらしい有線放送のBGMが流れてい
た。

 

イーグルズの「ホテル・カリフォルニ
ア」の最後のツイン・ギターの演奏が
聞こえた。

 

本当に俺たちは本社に帰れるのだろう
か。

 

(例によって、これはフィクションで
すので、現実の出張や街やホテルとは
何の関係もないです、きっと……)

 

て、ことで。

 

それでは、また。( ̄▽ ̄)

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