昔、おじいさんとおばあさん
がひっそりと田舎に暮らしてお
りました。
おじいさんは別にひっそりしたくはな
かったのですが、売れないミュージシ
ャンで、仕事もなくヒモ同然、という
某朝ドラのトランペッターみたいな立
場だったので、仕方なくひっそりして
おりました。
おばあさんが親から受継いだアパート
の経営でなんとか食いつないでいまし
たが、だんだん老朽化して住人も減り
家賃収入が低下の一途で、とうとうそ
の年を越せるか越せないかという状況
になりました。
仕方なくおじいさんは、自分の CD や
レコードのコレクションを街で売って
急場をしのぐべく出かけていきました。
雪の降る日のことでした。
途中地蔵峠という所を通ると、そこに
あるお地蔵さんたちの頭の上に雪が積
もっていたので雪を払ってあげました。
街に出て 中古 CD/レコードショップ
に行くと、わりとレア物を持っていた
せいか、そこそこの金額になりました。
しかし、一緒に持ってきたおじいさん
が若い頃に自主製作した CD 50セット
は、
「すみませんが、これは扱えませんの
で、お持ち帰りください」
と丁重に断られてしまいました。世の
中売れないミュージシャンには冷たい
ですね。
おじいさんは、やさぐれて自分の CD
を抱えて家に向かいましたが、途中で
また、お地蔵さんたちの雪を払い、や
けになって売れ残った CD を笠代わり
にお地蔵さんたちの頭にかぶせてあげ
ました。そして、
「雪が止んでも鳩よけにはなるだろう
ぜ、フン」
と捨てぜりふを吐いて家に帰りました。
その夜、おじいさんとおばあさんが寝
ていると何やら音が聞こえました。耳
を澄ますと、どうもドナ・サマーの
のようでした。
外に出てみると、お地蔵さんたちが、
おばあさんのアパートから出て、帰っ
て行くのが見えました。
あわててアパートに行ってみると、な
んと内装が全て新しくなっていました。
しかもなんだか、ミッド・センチュリ
ー・テーストのオサレな内装です。部
屋の一つには置手紙があり、笠のお礼
ですと書いてありました。
そこで、おじいさんとおばあさんは、
アパートの名前を
カーサ・ジゾウ
と変え、テレワークにいそしむクール
な人たちのワーケーション・スポット
としてとして貸出したところ、家賃収
入も安定し、幸せに暮らしましたとさ。
固定の収入の誘惑には勝てませんよね
老後は。
どんどはれ
て、ことで。
それでは、また。( ̄▽ ̄)
お読みいただきありがとうございま
した。こんな話やら、セッションノ
ウハウ情報などお届けする無料のメ
ルマガをやっておりますので、よろ
しければご登録ください。その他、
色々な音楽企画やシニアライフにま
つわる話題をお届けしております。
こちらからどうぞ。▼▼▼
https://seniorlife.sakuraweb.com/page-48/