その時は、フレーズの入りをきまじめ
に(?)小節の頭から始めないで、少
し前や後ろにずらしてみるといいよ、
というようなことを例にとりました。
アウフタクトってやつですね。ですが、
音楽を演奏するときの「ずらし」のテ
クニックというのは、それだけではあ
りません。
たとえば、フレーズの音の使い方を、
その曲の調性にあったスケールから意
図的にずらす、ということがあります。
たとえばCメジャーの曲のなかで、D♭
メジャーのスケールを意図的に弾くと
いうようなことです。いわゆるアウト
フレーズというものですね。
あるいは、4拍子の曲に、あえて3拍
子とか5拍子のフレーズをのせてしま
うというやり方。ポリリズムと呼ばれ
ますが、そんな「ずらし」方もありま
すね。
他にも色々あるのですが、そうやって
「ずらし」てやると、基本的には聴く
側の興味や注意を喚起することになる、
つまりはある種の「緊張感」を生むの
で、演奏は「盛り上がる」方向に行き
ます。演奏のストーリーに合わせて、
そんなテクニックを使うわけですね。
でね、
大事なのは、「ずらし」たスケールや
リズムををずれたままほっておいては
いけない、ということです。アウトフ
レーズなら元のスケールに戻るとか、
ポリリズムなら元の4拍子のリズムに
戻してやるとかですね。
リズムををずれたままほっておいては
いけない、ということです。アウトフ
レーズなら元のスケールに戻るとか、
ポリリズムなら元の4拍子のリズムに
戻してやるとかですね。
ずれたままでは、聴いている側にとっ
ては単なる「でたらめ」あるいは「破
綻したソロ」ととられてしまいます。
どこかで「ずらし」たモノを「戻し」
てやるということが必要になるのです
よね。なので、そういった「ずれ」の
落ち着つく先、つまり「落とし所」を
常に考えておく必要があるんですね。
聴き手の注意を惹きつけるには、ある
種の驚きが必要です。しかし、その注
意を維持するには「ずれ」(意外性)
と「落ち着き」との間の行き来で納得
感を生む必要があるわけですね。
ちょうど、年の初めに普段言わないよ
うな「一年の計」をぶちあげても、落
とし所を考えておかないと、結局破綻
するのと一緒ですかね。ちょっと、違
うか。
良いお年を ( ̄▽ ̄)
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