もしセッションホストが講談師だったら

ー、どうも。沢山のお運び
ありがとうございます。私が本
日のセッションホストを務めさ
せていただきます。

 

え? なんで置いて座って張り扇
ってるんだ? 机ってね、これ釈台
いうんですがご存じありませんか?
(パン)

 

私、本職講釈師あるいは講談師と呼
ばれる講談を寄席なんかでやってる者
なんですが。まだ前座の身分でして、
生活も苦しいんで、師匠の許しを得て
副業といいますか、アルバイトセッ
ションホストをさせていただいており
ます。

 

講談、ご存じでいらっしゃいますか?
歴史上の人物や出来事をこの張り扇で
調子をとりながら語って楽しんでいた
だくという演芸でございます。武勇伝
とかかたきうちの話が多いんですが。

 

学生の頃、落研とジャズ研をかけもち
しておりまして。その関係でこういう
本業・副業をやっておりますんで。落
語を聴きに寄席に通ううちに講談に目
覚めて、講談師をめざすようになりま
した。めざせ次の神田○山というよう
なことで日々精進しております。(パ
ン)

 

で、さて。今日の演目じゃない曲目
ございますが、これが!……あの「A
列車で行こう」という曲でございます。
かのデューク・エリントン楽団のこれ
はもう十八番中の十八番でございまし
て。

 

ジャズにお詳しくない方でも一度は聴
いたことがあるだろうという名曲でご
ざいますが、この「A列車で行こう」、
作曲したのは実は楽団の親方エリン
トン本人ではございません。エリント
ンの盟友ともいうべきビリー・ストレ
イホーンという御仁で。(パン)

 

なんでも、音楽の著作権団体ラジオ
揉め事があって、エリントンが
分の曲をラジオで放送できないという
ピンチに陥った時、ストレイホーンが
ならば俺の書いた曲を使えと言ってエ
リントンに指し出したのがこの曲だと
言われております。これにエリントン
が「すまねえ、一生恩に着るぜ」と言
った……かどうかはわかりませんが。

 

詳しいいきさつは、また別の機会に語
らせていただきますが(パン)そんな
わけで、元和元年一夜にして、じゃな
かった西暦1939年に書かれたこの曲
がエリントン楽団の主題歌として今に
残っているわけでございますが……

 

で、さて、今日はどうやりましょうか?
(続きます)

 

張り扇で釈台を叩く音

 

て、ことで。

 

では、また  ( ̄▽ ̄)

 

2人のポリリズム?

あ、きみがあいつのリズム合わせるのに苦労しているとろがあるのはわかる。

 

部長がいう。

 

例の同僚2人で担当しているクライ
アントについて定例の報告をしていた
ときの話だ。あいつ、というのはその
同僚のことだ。奴はまたイブが近い
とか言って、俺に報告を任せて午前半
を取っている。

 

前にも言いましたけど、苦労してる
ころがある、っていうのはむちゃくち
ゃ控えめな言い方だと思いますね。

 

俺は言った。この部長があの気難しく
て横暴な同僚に甘いのは全然変わらな
い。

 

まあ、そう言うな。私はきみたち2人
リズムのズレが逆に絶妙にいい感じ
生み出していると思うんだ。ポリリズ
ミックな関係というやつだな。

 

部長はまた変なことを言い出した。
リリズミックな関係ですか? 俺はお
うむ返しに尋ねた。

 

そうだよ、きみも音楽やってるから
リリズムって知ってるだろう。ある拍
の上に別の拍子のフレーズをのせて
演奏すると、絶妙な緊張感盛り上が
が生れたりするだろ?

 

部長はまた突然、ミニキーボードを取
り出して内蔵のリズムマシーンで普通
4拍子のロックのリズムを鳴らした。
やれやれ、またか。

 

たとえば、この4拍子の上で、3拍
5拍でまとまっているフレーズをの
せて演奏すると、カッコよくなったり
するじゃないか。ずれることで緊張感
が生れるけど、それが最後辻褄があ
ってバチンと解決するとやたらかっこ
いいじゃん。

 

部長はキーボードでリズムマシンのリ
ズムに3拍フレーズを乗せて弾いてみ
せた。

 

リズムマシンの4拍子ずれていくが、
ある程度のところでフレーズの辻褄
あって両者がはまる一瞬が気持ちいい。
まあ俺もジャムセッションアドリブ
弾いたりしていて経験していることで
はある。

 

で、きみたち2人はこのポリリズム
たいな感じでさ、合わないと思えるも
のが、最後にあわさって絶妙なグルー
ヴを生み出していると思うわけだよ。
その証拠に2人でやってる仕事でクラ
イアントをしくじったことってない
ろ?

 

はあ。と俺は言った。この人の軽いノ
にいつまでついていけるだろう、と
俺は思った。

 

だから、わがチームとしては、2人
どっちが欠けてしまっても組織として
のグルーヴを失ってしまうと思うわけ
さ。だから2人にはこれからもうまく
やっていってもらいたいわけ。

 

俺は、自分同僚2つのパーカッシ
ョンになって違うリズムを生み出しな
がら演奏されているイメージを思い浮
べた。いつも隣同士一生離れずにぼ
こぼこ叩かれている……いやだ! い
くらカッコいいグルーヴとかいわれて
そんな会社人生なんていやだ!

 

次第にが早くなって、心臓高鳴り
を押さえ切れなくなってきた。

 

……ところで肩を揺さぶられて目が覚
めた。

 

どうした。また昼寝か? そんなに
されて、さては午前中の部長への報
告のし方がまずくて怒られたか?

 

目の前には同僚がいた。周りを見渡す
と俺は面談から戻ってデスクで居眠り
していたのだった。それを午後から出
社してきた同僚に見つかったわけだ。

 

あ、そういえばさっき斉藤さんから
があったから来週金曜日に出張しま
すと言っといたぜ。

 

斉藤さんというのはクライアントの担
当者の名前だ。俺はあわてた。

 

だって、来週金曜日夜にジャムセッ
ションがあるから出張できないって言
ったじゃないか。

 

そうだったかな? まあ、あきらめろ
どうせ大したセッションじゃあるまい。

 

同僚は声をだして笑って自分のデスク
に向かっていった。

 

部長おかしいですよ。俺は心の中で叫
んだ。ポリリズムって最後に辻褄合わ
せるのはリズムを崩した方でしょう?
俺は崩されっぱなしですよ、いつも。
俺は頭を抱えて机の上に崩れ落ちた。

 

(このお話はフィクションです。現実
の会社、同僚、上司への報告などとは
関係ありません。たぶん}

 

て、ことで。

 

では、また ( ̄▽ ̄)

 

カタカナ感染症?

の件につきましては、現在
私どものスタッフが鋭意進めて
おりますが、なにせテレワーク
のために状況確認に若干のご
猶予をいただきたく……

 

例の感染症流行し始めてまだ日も浅
い頃。俺同僚は、クライアントとの
TV会中だった。今日も同僚は家から
参加している。俺は、得意からの質問
の答えを持ち合わせていないため、苦
しいい訳をしていた。

 

テレワークか在宅勤務か知りませんけ
ど、今はいつでも連絡取れる時代でし
ょう。スピード感がなさすぎません?

 

クライアントの担当者嫌味っぽく言
った。

 

申し訳ありません。ただ、東京ロッ
クダウンの可能性もあるとか知事が言
ったとか、オーバーシュートの危険が
あるとか色々ありまして。クラスター
を生み出さないようにも注意しないと
いけませんので……

 

俺はしどろもどろになってきた。

 

ロックダウンって何ですか?オーバー
シュート?クラスター?

 

あ、すみません。こいつバカなんで、
すぐカタカナ用語使いたがるんです。
ロックダウンというのは都市を封鎖
るとかそんなことです。オーバーシュ
ート爆発的な感染拡大のことですね。
クラスター感染者の集団みたいなこ
とです。

 

同僚が口をはさんだ。おまえはどっち
の味方なんだと思いながら俺は聞いて
いた。

 

いずれにせよ、そういうことに注意を
払いつつ進めなければならないので、
若干のご猶予をよろしくお願いいたし
ます。

 

同僚はそんなことを言って、クライア
ントをなだめ、話を終わらせた。

 

まったく、もうちょっと考えて言葉を
口にしたらどうだ。難しい専門用語
カタカナ言葉振り回すな。

 

TV会議からクライアントが退出した
のを確認して、同僚は俺に言った。

 

しかたないだろう、色々情報が流れて
くるから処理し切れんよ。

 

俺は投げやりになって言った。

 

まったくおまえのフォローでこっちは
なおさら大変……

 

そこで同僚のスマホが鳴った。

 

はい、おう。どうした。こんどのライ
ブの曲?それがどうした?え?

音楽仲間からのようだ。

 

……いやだからそこはリディアンドミ
ナントはおかしいだろ。ハーモニック
マイナーパーフェクトフィフスビロウ
だろたとえば。え?そうじゃなくてそ
こはリズミックモジュレーションで拍
子を切替えてだな。何だって?いった
い何回説明したらわかるんだ。そこは
アッパーストラクチャートライアド
………

 

人に言うことと自分の行動がこれだけ
違う奴もめずらしい……俺は呆れて同
僚の話す姿を眺めていた。

 

このお話はフィクションですので、
現実のTV会議やクライアントの担当
者やライブの打合せとは無関係です。

 

て、ことで。

 

それでは、また( ̄▽ ̄)

 

お読みいただきありがとうございま
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ミスしてメタメタ?

ったく、どうしてそう何度
同じミスを繰り返せるんだ?

 

同僚に言った。

 

クライアントとの打合せを終えて、俺
たちはクライアントのオフィスを出た
ところだった。

 

同じこと、というのは俺が打合せの途
中でまたちょっと居眠りをしてしまっ
たことを指していた。

 

すまん。

 

俺は謝るしかなかった。

 

昼飯をちょっと食いすぎたみたいだ。
炭水化物が多かった。

 

俺は昼飯の定食のごはんおかわり
たことを悔やんで言った。

 

だから、そんなこと食べる前から分か
っていただろう。この前とまったく同
じじゃないか。そういうミスばっかり
するやつは、メタ認知能力が低いんだ。
少しは改善する努力をしろ。

 

同僚は言った。俺と同僚は打合せの振
り返りと対応策の相談のために、街な
かのカフェに入ったところだった。

 

メタ認知能力? なんだそれ。

 

俺は言った。

 

自分のことを客観的に見る力だよ。そ
れができてれば、今ここで食いすぎた
らその後の打合せでどうなるか、食う
前にわかるだろう。日記でもつけて毎
日の失敗の記録でもつけるんだな。そ
うすりゃもうちょっとミスが減るだろ
うよ。

 

同僚はかさにかかって俺を責める。俺
は黙っているしかなかった。と、そこ
そばのテーブルにいた男が俺たちを
見た。

 

おう、なんだお前どうしてここにいる
んだ?

 

その男は同僚に話しかけた。同僚はそ
の男を見て驚いて立ち上がりそうにな
った。

 

な、何って仕事得意先に来てたんだ
よ。お前こそ何してるんだここで。

 

なんだそうか、偶然だな。おれもこっ
ちに仕事で来たんだ。それより、お前
今度のライブの練習してるか? お前
つも同じところで間違えるからな。

 

その男は同僚にまくしたてた。どうも
同僚がいつもギターデュオをやってい
るとかいう、その相方らしい。

 

わかってるよ! もう今仕事してるん
だから邪魔しないでくれ

 

あはは。いい加減同じミスしないでく
れよ。あ、すみません、お邪魔しまし
たね。こいつ、何度やっても同じとこ
ろ間違えるんですよ。仕事でご迷惑か
けてないですか?

 

男はに向かって言った。

 

あ、はあ……。

 

なんと答えたものか、俺にはわからな
かったが、同僚の困った顔がおかしか
った。

 

じゃあな、週末までにちゃんとやって
こいよ。

 

男は同僚の背中をパンと叩いて、店か
ら出て行った。

 

沈黙が流れた。同僚は憮然として上を
向いている。

 

俺は笑うわけにもいかず、好きな女の
子の前の高校生みたいに下を向いて
た。

 

このお話はフィクションですので現
実のギターデュオ、クライアントとの
打合せなどとは何の関係もありません。
たぶん。

 

て、ことで。

 

それでは、また。( ̄▽ ̄)

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スインギー・パンデミック?

(今回のお話はフィクションです)
はテレビの電源を入れた。
夜の11時を過ぎていた。

 

練習しなければとギターを手にしてい
たのだが、惰性でスイッチを押してし
まった。悪いクセだ。ライブの本番は
二日後だというのに。

 

テレビではニュースの解説らしきもの
をやっていた。

 

「それでは、今回流行の兆しが見える
といわれる新しい感染症について、医
コメンテーター青井さんに説明し
ていただきます。青井さん?」

 

司会の男が別の男に話を振った。

 

「はい青井です。先日までの感染症騒
ぎが収まったばかりですが、また新た
な感染症が流行の兆しを見せているよ
うです。今日はその最新情報をお伝え
したいと思います」

 

まったく、テレビに出てくるコメンテ
ーターという奴らはどうにも好きにな
れない。人の不安を煽るようなことば
かり垂れ流しやがって。俺はそんな思
いで画面から流れている音声を聞いて
いた。

 

「よろしくお願いします。それで青井
さん、今回の病気ですが、どのような
ものなんでしょうか?

 

「はい、今回の感染症は呼吸器系では
なくて、どうも運動にかかわる神経系
に影響のあるモノのようなんです」

 

「運動にかかわる神経系、といいます
具体的な症状としては、どのような
ものなんでしょうか?」

 

司会の男が質問した。

 

「それがですね、とくに音楽関係の人
ミュージシャンの方々の活動にとって
は影響が大きいのでは、といわれてい
るんですが……」

 

コメンテーターの男が言った。音楽関
と聞いておれは目をテレビの画面に
向けた。運動にかかわる神経系? 
ージシャンの活動に影響する?

 

ミュージシャンの端くれである俺は、
やや真剣になって画面を見つめた。コ
メンテーターの男は続けた。

 

「なんとも奇妙な症状なんですが、感
染すると、均等なリズムを刻むことが
出来なくなるようなんです」

 

(続きます)

 

て、ことで。

 

では、また ( ̄▽ ̄)

 

もしセッションホストがメンタリストだったら

いどうも青井でーす。
今日はね、セッションホストってこと
で、僕もうあまりセッションホストや
ってないんですけど、今日はちょっと
お誘いを受けたんで、やって来ました。

 

はい、ぬこさんもいます。色々歩きま
わると思いますけど、あ、スネアの上
に乗っかっちゃった、すみません、よ
ろしくね。

 

で、セッションだからなんかやるの
かな? もうさ、曲とかよくない? 
別にほら、著作権とかカス……じゃな
かったJ○SR○Cのこととか面倒くさい
じゃない? ストレス溜まるでしょ?

 

でも事前に決まってるから、まあやり
ますか…… “Isn’t She Lovely” だった
っけ?

 

そういえばこの曲「可愛いアイシャ」
っていう邦題がついるんですけど。
イシャっていうのはスティービー・ワ
ンダーの娘さんで、彼女が生まれた時
にスティービーが書いた曲ですね。

 

これ、子供の側からしたら、自分こと
を歌った曲がこれほど世の中で流され
たり演奏されたりするって、どういう
気分なんだろう? 「ヘイ・ジュード」
のジュリアン・レノンとかね。どんな
もんだか一度聞いてみたいと思うんで
すけど……。

 

ま、ともかく、“Isn’t She Lovely”
す。この曲、キーは何でやります?

 

スティービー・ワンダーの原曲はE
すよね。シャープ4つ。でも、キーF
でやったりすることもあります。フラ
ット1つでやりやすいってことですか
ね。

 

で、

 

アメリカのニューヨーク大学音楽心理
学科2016年に発表した論文がある
んですけど。その中で、147人の学生
キーEで演奏するグループキーF
で演奏するグループに分けてこの曲を
演奏してもらって自分がどのくらい演
奏を楽しめそうか、あるいは実際に楽
しめたかを演奏前と演奏後に判定させ
たそうなんですね。

 

最初の予定ではキーEbのグループ
作る予定もあったらしいんだけど、
ーシストが強力に反対したという話で
すが、ま、それは置いといて。

 

で、その結果なんですが、キーEにつ
いては80%のギタリストと75%のベ
ーシスト演奏後の満足度が演奏前
り高かったんですけど、管楽器奏者
人はこれが20%前後だったそうです。

 

一方でですね、キーFについてはギタ
リストやベーシストについてはあまり
変わりはなくて、65から70%くらい
だったんだそうですけど、これ面白い
ことに、管楽器の人たちについてはキ
ーEに比べてかなり上がってギタリス
トたちと同じ位の満足度UP だ っ
た ってことなんですよ。

 

なので結論としては、キーFにした方
が無難っていうことなんですけどね。
これ、へーって話ですよねー。

 

そんなことで、この後のお話としては
じゃあキーEでみんなの満足度を下げ
ずに、どうしたらこの曲を演奏できる
、なんてことを具体的にお話しなが
らセッションしたいと思うので、よか
ったら皆さん下のコメント欄もしくは
概要欄をチェックしてみてください。

 

それでは、皆さんまたお会いしましょ
う。バイバーイ。

 

(このお話はフィクションですので現
実のジャムセッション、メンタリスト、
ぬこさん、大学の論文とは何の関係も
ありません。

 

て、ことで。

 

それでは、また。( ̄▽ ̄)

 

テレテレやってんじゃねーよ?

希望はよくわかりました。た
だ、実際の作業工程と照らし合せ
ると、もう2日ほど時間をいただ
きたいのですが……

 

コンピュータスクリーンの中のクラ
イアントの担当者に向かっておれは話
かけた。バックで作業しているチーム
のリーダーから、なんとか時間を稼い
でほしいと言われているのだ。

 

クライアントの担当者は、どう答えた
ものか悩んでいるようだった。向こう
は向こうで色々言われているのだろう。
それはわかるが少しでも時間が欲しい。
2日くれと言っておいて、1日で折合
う。それが俺の作戦だった。

 

今日は、と例の同僚は東京にいなが
ら、オンラインのビデオ会議システム
を介してクライアントとテレカン打合
をしているのだった。最近ではPC
やらスマホからでも参加できるので、
同僚にいたっては、自宅から参加して
いる。

 

明日のギターデュオライブのために
家で練習する必要があるのだそうだ。
練習の時間が削られる、とんだテレワ
ークだとかいって、だいぶ文句を言っ
ていたが、何食わぬ顔でスクリーンに
は写っている。

 

クライアントの担当者が意を決して何
かを言おうとしたその時、同僚が一足
先に話し出した。

 

いや、やはりそれはわれわれの責任で
ご希望の日時にお収めできるようにす
るべきだろう。

 

同僚は言った。俺はあごが床におっこ
ちそうになるのを右手で受止めた。

 

ちょ、ちょっと、ま……

 

俺は言おうとしたが、その瞬間、クラ
イアントの声が返ってきた。

 

素晴しい!さすがですね。よろしくお
願いします!すぐに現場にひと言報告
してきます。ちょっと失礼。

 

俺が何かを言うまもなく、クライアン
トの担当者コンピュータを離れて部
屋を出ていくのが見えた。

 

お、おい、なんでそんな約束するんだ
よ。うちの現場から大クレームになる
ぞ。俺は同僚に言った。

 

大丈夫だよ。どうせ連中もこれくらい
想定内だから。同僚は涼しい顔で言う。

 

何言ってるんだよ。おまえは休んでる
んだから現場からどやしつけられるの
は俺なんだぞ。

 

大丈夫だって、気の小さい奴だな。こ
こでクライアントに恩義を感じてもら
えれば先々色々やりやすくなるだろう
が。

 

そ、そりゃそうかもしれないが……

 

だろう。さ、戻ってくるぞ、そろそろ。

 

同僚がそういうのとほぼ同時に、クラ
イアントの担当者がドアを開けて入っ
てきたのが見えた……

 

……

 

目が覚めるともう夕方近くなっていた。

 

目の前のコンピュータのビデオ会議
とうに終了しているようだった。

 

スクリーンの片隅同僚からのメッセ
ージが入っているのが見えた。

 

『ビデオ会議でも寝ちまうのかおまえ
は?お得意には上手くごまかして会議
は終わらせといたから、現場にはしっ
かりネゴっといてくれ俺は明日はラ
イブなんで会社休むのでよろしく』

 

俺は呆然としてスクリーンを眺めてい
た。と、スマホ現場のチームリーダ
ーからの着信が入ってきた。俺がビデ
オ会議の結果を知らせないので、しび
れを切らして掛けてきたのだろう。

 

俺は恐ろしくて電話に出られないまま
スマホを見つめていた。

 

このお話はフィクションですので、
現実のテレカン、テレワーク、クライ
アントとは無関係です。きっと。

 

て、ことで。

 

それでは、また。( ̄▽ ̄)

 

もしもセッションホストが病的にマナーにうるさかったら

はようございます!

 

皆さま、私、本日のセッションホスト
をつとめます、青井と申します。なに
とぞよろしくお願いいたします。

 

私、前職は某メーカーの営業でござい
ました。そこで学んだことは、何につ
けてもマナーを守る、これでございま
す。先輩を立てる目上の方に失礼な
ことをしない。そうやって可愛がって
いただいてこそのビジネスでございま
した。

 

これは人間として常に守るべきこと
ございます。ところが、セッションを
始めて愕然としましたのは、この大切
なことが、どれほどセッションでは無
視されているか、ということでござい
ました。こんなことではいけません。

 

そこで私、一念発起いたしまして、
ッションホストになりました。セッシ
ョンのマナーの向上をめざして、ホス
トとしてやっていく決意をしたわけで
ございます。

 

前置きが長くなりました。それでは、
本日のセッションを始めたいと思いま
す。本日の1曲目は、えー、はい「C
ジャム・ブルーズ」ですね。デューク
・エリントンの作った、ごくシンプル
なブルーズの曲です。いいですね。

 

えー、先ほども申しましたが、私のセ
ッションでは、「マナー」というもの
をとてもとても重視しております。参
加される皆さまには、その点を十分に
ご理解いただいた上で演奏をしていた
だきたいと思います。

 

いくつかの注意点を申し上げますと、
まず演奏の前にはしっかりとお互いに
をしてください。とくに若い方
上の先輩への敬意を欠かさないように
お願いいたします。

 

テーマについてですが、よく本来のテ
ーマのメロディがわからなくなるほど
崩したテーマの演奏をされる方がいら
っしゃいますが、これは素晴らしいテ
ーマを書いた先人への礼を欠く行為
すので、節度ある演奏をお願いいたし
ます。

 

また、テーマが終わってソロに入りま
すが、最初にソロを取るのは一番の先
輩からお願いいたします。この中で一
番お年上の方は……あ、サックスの、
はい、ソロの一番目、よろしくお願い
いたします(深く一礼)

 

ソロを取るというのは、全体の最前列
に立つということですので、その前に
は必ず一礼して始めてください。それ
から次の人にソロを受け渡す時も、お
互いに一礼しあって交代してください
ね。

 

それから、あの、最近とくに目に付く
のですが、ソロを替わる時に、前の方
のソロが終わり切らないうちに、それ
にかぶせて演奏を始める人がいますが、
まったく前の方への敬意を欠いた行為
ですので、おやめください。まあ、前
の人が気心の知れた後輩とかでしたら
いいかもしれませんが、お勧めはいた
しません。

 

あと、他の人がソロを演奏している最
中にオブリガートとかいって、かぶせ
て演奏したりする人がいますが、そう
いうことをしたい時は、事前にちゃん
と了解を取った上でなさるようにお願
いいたします。前触れなくそのような
ことをなさるのは重大なマナー違反
私考えております。

 

また、目上の人のソロに、若い方がそ
のようなオブリガートなどを差し挟む
のも、大変無礼な行為ですのでおやめ
くださ……、あれ?

 

参加者のみなさん、どこに行かれまし
た? ……は? 面白くないので帰っ
た?

 

な、なんという嘆かわしいことでござ
いましょう。

 

し、しかし私は負けません。世の中の
セッションが、みんな正しいマナーで
行われる日が来るまで、私は粉骨砕身
戦って参ります。いかなる困難にも私
は……(以下略)

 

※このお話はフィクションです。現実
のセッションやセッションホストとの
関連はありません。たぶん。

 

て、ことで。

 

それでは、また。( ̄▽ ̄)

これなんですか?(楽器屋編)

「ごめんください」

 

「いらっしゃいませ。どうされました
か?」

 

「いや、ちょっとチューナーを失くし
てしまいまして……」

 

「チューナーね。楽器は何ですか?」

 

「あ、ギターなんですが……」

 

「ギターね……。なるほど。えー、こ
ちら、コルグ、ヤマハ、ローランド、
プラネット・ウェイブスとか、あとこ
中国製の安いのとかね、そろえてま
すけど……。ま、どれになさってもね、
同じようなものかと……」

 

「……えーと……。じゃあこの中国製
のクリップオンのやつでお願いします」

 

「はい、この500円の一番安いやつ
すね……」

 

「……これなんですか?

 

カポタストですね」

 

「あー、そうですか……」

 

「使われますか?」

 

「あ、いやいや、そんな……」

 

「ははは。じゃ、これでよろしいです
ね?」

 

「……えと、あとギターの弦も替え時
みたいで。エレキのサビが出てきち
ゃってて……」

 

「ギターの弦ですかー。そうしますと
ダダリオ、エリクサー、フェンダー、
アーニー・ボール、アリア、GHSなど
がありますね……。ま、どれになさっ
ても同じようかと思いますが……」

 

「あ、なるほど……。……じゃ、ダダ
リオの09のやつで」

 

「はい、ダダリオの0942……と」

 

「……これなんですか?

 

カポタストですね」

 

「あー。あー、これがカポタストね」

 

「使われますか?」

 

「いやいやいやいや。まさか……」

 

「ははは。じゃ、これでいいですね?」

 

「えー、あ、あとピックも最近前から
使ってる奴がどうも合わない気がして
て、何か新しいのを……」

 

「ピック、ピック……と。それではど
うでしょう? フェンダー、ギブソン、
ジム・ダンロップ、ピックボーイ、な
どありますけど。素材もね、ナイロン、
べっ甲、ウルテックス、セルロイド、
金属製、とかありますし、おにぎ
り型、ティアドロップ型とか丸いのと
、あと厚さも色々……ありますけれ
ども、ま、どれになさってもね、同じ
ようなものかとは思いますが

 

「あー、わかりました、じゃああの、
Jazz IIIのウルテックスのやつで」
「はい、Jazz IIIのウルテックス……
と。そうしますと、これとこれ……と
これですね。一緒の袋でいいですか?
Jazz IIIは小さいのでなくさないように
注意
していただいて……。それでは以
上でよろしいですね?」

 

これください

 

カポタストですね」

 

「げほげほげほ……」

 

(*今回もネタなので、「どれも同じ
じゃない」とか怒らないでください)

 

て、ことで。

それでは、また。( ̄▽ ̄)

 

世の中のアドバイスとミシン目と??

回ご紹介する冗談というか
は、私が考えたものではなくて、
ずーっと前に、春風亭小朝師匠
誰かが落語のマクラに使ってたの
をなぜか覚えているんですが。

 

もしかしたら昔のソ連のジョークあた
りが元ネタなのかもしれません。

 

どこの話だか忘れましたが、ブラジル
とか南米の話ってことになっていた気
がします。

 

その国では国産の飛行機の試験飛行
繰り返していました。でも何度やって
翼が胴体からちぎれてしまい、失敗
してしまうのでした。

 

今日も同じ失敗を繰り返し、試験飛行
を担当している開発者達は、頭を抱え
ていました。どうやったら翼がちぎれ
なくすることが出来るんだろうかと、
スタッフ達はああでもないこうでもな
いと議論をしていました。

 

すると、ちょうどそこに部屋の掃除に
来ていた清掃員のおじさんが、口をは
さんだのです。

 

「全く、大学出たエリートかなんだか
知らないが、そんな簡単なこともわか
らないのか?翼の付け根に端から端ま
でミシン目を入れてやれば、そんな問
題はすぐに解決するぞ」

 

おじさんは自信満々に言いました。

 

で、ワラにもすがる思いだった開発担
当者達はおじさんの言う通りにミシン
目を翼の付け根に入れてみたんだそう
です。

 

すると、あら不思議。飛行機の翼はち
ぎれることもなく、試験飛行は大成功
したのです。

 

開発者の人たちは、ヒーローとなった
おじさんに、どうしてそんな解決策を
思いついたのか聞きました。そうする
と、おじさんはこう言ったんだとか。

 

「俺は毎日トイレ掃除してるが、トイ
レットペーパーがミシン目のところで
切れてるのを見たことはない」

 

(小咄おわり)

 

ま、そんな話なんですがね。

 

でね、

 

巷にある色んなアドバイスって、この
ミシン目みたいな話多くないですか?
もちろんすべてとはいいませんけど、
音楽とか楽器関係でも結構色々あるよ
うな気も(こらこら)。

 

より次元の高いところを押さえた、
質をついたアドバイスに出会うことが
できるというのは、なかなかラッキー
なことかもしれません(まじめか)

 

て、ことで。


それでは、また。( ̄▽ ̄)

泣いたギタリストの赤鬼(続き)

前回の続きです)
鬼の立てた計略に従って、
鬼と赤鬼は山の麓の街のジャズフ
ェスにエントリーしました。

 

鬼をジャズフェスに参加させるかで、
地元では賛否両論ありましたが、フェ
スの主催者「頭の角のあるなしで参
加者を差別はしない」という原則を貫
いたことで、参加できることになりま
した。ダイバーシティは大切ですね。

 

そして、フェスの当日、赤鬼は青鬼と
一緒に会場に入りました。もちろんヘ
ッドライナー的な扱いではないので、
午後の早い時間ではありましたが、
がジャズを演奏するという物珍しさ
惹かれて客の入りは悪くありません
した。

 

まず青鬼ステージに上がります。

 

青鬼ルーピングマシンを使いながら
複雑に音を重ね合わせ不協和音を詰
め込んだ演奏を始めました。通常のコ
ード進行ではなく、非機能的な和声の
オンパレードでその上妙なスケール
使ったため、そういう音楽を聴きなれ
ない観客目を白黒させました。

 

「なんだこれは」
「こんなもの音楽じゃない」
「うわあああ、助けてくれ」

 

そんなが聞こえる中、阿鼻叫喚にな
一歩手前で青鬼は演奏を終えました。

 

青鬼は楽屋に戻ってくると赤鬼にいい
ました。「さあ、早く行くんだ」

 

青鬼に背中を押されるようにして、
ステージに出ました。そして、ご
ごく普通のスタンダードナンバー
ソロギターでごく普通に演奏しました。

 

「わかりやすい!」
「やっとまともな音楽が聴けた!」
「おおおお、癒される」

 

赤鬼の演奏が終わると、観客は総立ち
で拍手するありさまでした。こうして
フェスを救ったヒーローとして、赤鬼
はたちまち人気者になったのです。

 

赤鬼が山に開いたカフェにも、街の人
たちがやってくるようになりました。
赤鬼は毎日忙しく店を切り盛りし、手
の空いた時間には、店内でライブ演奏
をするという、最初に思い描いたよう
充実した生活を手に入れました。

 

それでも赤鬼には一つ気になること
ありました。あの青鬼があのフェス以
来一度もカフェにやってこなかった
です。

 

赤鬼は青鬼の家を訪ねることにしまし
た。行ってみると家の戸固く閉まっ
おり、戸の脇には張り紙がしてあり
ました。

 

それは、

 

「赤鬼くん、人間たちと仲良くして、
楽しく暮らしてください。もし、ぼく
が、このまま君と付き合っていると、
君も変な音楽が実は好きな鬼だと思わ
れるかもしれません。それで、ぼくは
旅に出ます。どっちにしてもぼくの音
楽はここでは受け入れてもらえないの
で、 ぼくの音楽を聴いてもらえる大都
会に行くことにしました。ぼくはいつ
までも君を忘れません。さようなら、
体を大事にしてください。ぼくはどこ
までも君の友達です」

 

という青鬼の置手紙でした。赤鬼はそ
れを読んでさめざめと泣きました。

 

青鬼がいなくなってだいぶ経つ今も、
赤鬼
は、思うのです。自分は人気者に
なって店も繁盛しているけれど、音楽
的な冒険はできなくなってしまった。
ちょっとアウトなフレーズを弾いても
客は妙な顔をする。

 

人気と引き換えに自分は音楽的な自由
を手放してしまったのかもしれない。
青鬼のように自分の音楽を追求してい
くことはもうできない。そう思うと
鬼の目からは今も再び涙が頬を伝って
流れ落ちるのでした。

 

(この話はフィクションですので、実
在する街や山や鬼とは何の関係もあり
ません。あと別に私は超アウトなフレ
ーズが特別好きなわけでもないです。
いや、ま、ちょっとは好きだけど 笑)
て、ことで。

 

それでは、また。( ̄▽ ̄)

 

泣いたギタリストの赤鬼

ある山の中に心の優しい、
楽が好きな赤鬼が住んでいました。

 

赤鬼は、人間たちと仲良くしたいと思
い、見晴らしのいい場所に小屋を建て
て、ライブもできるカフェを開業しま
した。赤鬼は手の空いている時には自
分でギターを弾いて万人受けしそうな
スムーズジャズ系のオサレな曲を演奏
することにしました。

 

には、

 

心のやさしい鬼のお店です。どなたで
もおいでください。おいしいお菓子が
ございます。お茶も沸かしてございま
す。素敵な音楽も演奏しています

 

という看板を出しました。

 

しかし、人間たちは恐れてお店に近寄
りませんでした。やってくるのはクマ、
リス、イノシシ、シカ、蝶たちばかり
です。

 

山の麓の街では、この店に入ると妙な
音楽を鬼に聴かされて洗脳され、家来
にされてしまう、というようなまこと
しやかなまで流れているという話で
した。

 

赤鬼はとても悲しみ、人間に信用して
もらえないことを悔しがり、しまいに
腹を立てて、表の看板を外してしま
いました。

 

そうやって赤鬼が一人で悲しんでいる
ところに、音楽仲間コンテンポラリ
ージャズが大好きな青鬼が訪ねてきま
した。

 

青鬼はちょっと練習場所に店を使わせ
てもらいたかっただけなのですが、
いている赤鬼を見て、どうしたのかと
聞きました。赤鬼が事情を説明すると、
それを聞いた青鬼はあることを思いつ
きました。

 

それは、近々麓の街で開催されるジャ
ズフェスティバル青鬼が出て超難解
な曲を弾き、人々を苦しめる。そこに
赤鬼が登場して、スムーズできれいで
わかりやすい曲を演奏してみんなの
気者になる、というものでした。

 

「そんなことしたら、君ばかりが悪者
になるじゃないか。そんな申しわけの
ないことはできないよ」

 

と赤鬼は言いましたが、青鬼は強引に
ジャズフェスへのエントリーを決めて
しまいました。

 

そして、ジャズフェスの当日二人は麓
の街へと出かけて行ったのです。

 

続きます。

 

て、ことで。

 

それでは、また。( ̄▽ ̄)

 

タワー・オブ・パワーブリージング?

(今回のお話はフィクションです)
緊張していた。ギターの
ネックを
持つ手の掌が汗ばんで
いるのがわかる。
まだ演奏が始
まってもいないのに。

 

俺は隣にいる同僚を見た。涼しい顔
している。何も感じないのかこいつは?

 

クライアント秋の社内祭りの時期に
出張することになってしまったのがそ
もそものことの起こりだ。クライアン
トの担当部長から、祭りのクライマッ
クスに社内の精鋭を集めたバンドを結
成してライブをやるのだが、ギタリス
として参加して欲しいといわれたの
だ。

 

なんでもピアノ音大出の若者が弾き
トランペットサックストロンボー
ン他社内ビッグバンドから選抜され
たメンバーが出るそうだ。地区大会で
全国大会にも出たことのあるバ
ンドらしい。

 

お二人とも、いつもギターを弾いてい
んでしょう?ぜひ、参加して腕前を
披露してください。タワー・オブ・パ
ワーのカバーをやりましょう。

 

そう担当部長に言われ、俺は断ろうと
思ったのだが、同僚が二つ返事で、
いですよ、よろこんで、と承諾してし
まったのだ。

 

上司にも相談したが、上司もこのクラ
イアントにはこの前納期の件で迷惑
かけたので、是非ともやってこい
マしたら査定に響くぞ、と脅されてし
まう始末だったのだ。

 

冗談じゃない。なんで趣味のギターが
査定の対象にならなきゃいけないのだ。

 

俺は不満だったが、退路を断たれてし
まったのでもはやいかんともしがたく
こうやってギターを抱えてライブ会場
の控室にいるのだった。

 

どうした、緊張してるのか?

 

同僚が面白がって俺を見ながら言う。

 

いつもと勝手が違うから、段取りを頭
の中で確認してるだけだよ。俺は
ついた。

 

ふん、いつも軟弱なジャムセッション
とかやってるから、こういうときに緊
張してしまうんだ。を見ろ。毎回真
剣勝負ギターデュオのおかげで、
張なんかとは無縁だ。

 

お前は神経が何本かないんだろうよ、
と俺は言おうとしたが、面倒なことに
なるのでぐっとこらえた。

 

いいことを教えてやろうか。同僚は笑
いながら言った。

 

いいことってなんだよ?

 

緊張を和らげるには、呼吸が大切だ。
息を4秒かけて吸う、そしてその倍の
8秒かけて吐く。これを繰り返してみ
ろ。

 

4秒と8秒?

 

だいたいでいいんだ。大事なのは吸う
時間の倍の時間をかけてゆっくり吐く
ことだ。パワーブリージングっていう
そうだ。ま、やってみろ。

 

同僚に指示されるのは嫌だったが、藁
にもすがりたい気持ちだった俺は、同
僚のいう呼吸法をやってみた。

やってみると、なんだか心が落ち着く
ような気がした。俺はその呼吸法をく
り返した。

 

そうこうするうちに、出番がやってき
て俺たちはステージに上がった。ステ
ージには椅子が用意されていて、俺た
ちは指定の椅子に座った。

 

俺はひたすら今教わった呼吸法を繰り
返した。なかなかいい。心がどんどん
平静になる……

 

……

 

乱暴に揺さぶられて俺は目が覚めた。

 

どうした、寝てたのか?お前のへたく
そなギターが聞こえてこないと思った
んだが、道理でな。

 

えええ?俺は同僚の顔を見た。

 

心配するな、お前の分も俺がソロ弾い
ておいたから。部長さんも客席で嬉し
そうにしてたよ。お前の下手なギター
を聴かれなくて良かったのかもな。

 

同僚は声を出して笑いながら、控室に
歩いて行った。

 

えええええええーーー???

 

★今回のお話はフィクションですので
現実の会社、出張、バンド等とは無関
係です(たぶんね)

 

て、ことで。

 

それでは、また。( ̄▽ ̄)

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新・アラカンあるある?

分前に、アラカン世代のあ
るある話
をいくつか書いたので
すが。

 

久しぶりにやってみようかなと思いま
して。アラカン世代の人がやりがちな
こと、アラカン世代の人たちに起こり
がちなことをつらつら書いてみました。

 

では、

 

若い頃に好きでよく聞いたりコピー
していたバンドやアーティストが久し
ぶりにツアーでやってくる時、「最後
の日本公演!」とかのコピーがあって
も、信じない

 

でも、そんなコンサートにたぶん行
く。

 

(ギタリスト編)家にあるギター
半分以上1年以上弾いていない

 

買った、アーティストのライブ
もう見られないVHSテープを捨てられ
ずにまだ持っている例:クラプトン
アンプラグドとか

 

そんなビデオがYouTubeに上がって
いると、喜んで「あとで見る」ボタン
を押す。

 

でもたぶん見ない

 

そのうちにYouTubeから削除される

 

4に戻る

何かの事情で最近流行っている曲
やろうとして、曲を覚えようとするが
覚えられない

 

10そのくせ40年以上前にやった曲
ことは詳細に覚えている

 

11Facebookの投稿についたコメント
返信でやり取りしてると、横から別
の人が割り込んでコメント返信してき
て、さらに自分でオチを付けて去って
いく

 

12なんなんでしょうね↑ま、いいか。

 

……とまあ、書いてきましたが。

 

皆さんの気づいたアラカンあるある話
面白いのがありましたら、ぜひコメン
トで教えてください
ませ。

 

以前に書いたあるある話を読みたい
方はこちらを!▼▼▼

 

て、ことで。

 

それでは、また。( ̄▽ ̄)

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心配を記録してみる??

前にも「心配」をどうコン
トロール
するか、なんて話を書
きましたけど。

 

日本人よりはだいぶ心配しないんじゃ
ないかと思えるアメリカ人でも心配症
な人はいるみたいでして。まあ当然で
しょうけど。

 

以前にも紹介した、ジュリアード大卒
のバイオリニストでもある心理学博士
ノア・カゲヤマさんが紹介していた
のですが。じゃあ実際に心配事を記録
してみて、それが現実に心配したとお
りに起きているのかみてみたらいいん
じゃないか、という研究をしたチーム
がいたそうでして。

 

被験者心配事を日記につけさせたん
ですね。

 

そしたらですね、

 

心配事の90パーセント以上は現実に
は起こらなかった

 

のだそうですよ。

 

なので心配性の人はやってみたらいい
んじゃないの、とカゲヤマさんは言っ
てました。よろしければ皆さんもやっ
てみて、結果を教えていただけると嬉
しいです。

▲クリックすると拡大します

それから、上の図はカゲヤマさんが紹
介していた LifeHacker というサイト
にあったフローチャートなんですが。
これいいと思いません?1日1回これ
を見るといいかもですね※※

 

カゲヤマさんのブログの記事はこち
らです

 

※※こちらの記事にあったチャートを
訳しました

 

※※※心配について以前に私が書いた
記事を読みたい方はこちら!

 

て、ことで。

 

それでは、また( ̄▽ ̄)

 

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もしセッションホストがしょぼいユーチューバーだったら

い、どうもこんにちは!

 

今日はですね、ジャムセッションのホ
ストをやります! ジャムセッション
て知ってますか? みんなで曲を決め
て、それを素材にアドリブでソロを演
奏したりするんですよ。

 

そして、セッションのホストは、それ
を色々ディレクションしてまとめ上げ
ていく役目の人のことなんです。今日
は、僕の友達で楽器を弾くプレイヤー
の人たちに集まってもらいました。

 

さて、は何をやろうか? ジャムセ
ッションだから、事前に練習してきて
から、あまり複雑なのは難しいよ
ね。J-POPとかは展開が複雑な曲が多
いからやめとこうか。え? ソウル
か昔のAORがいい? Just the Two

 

いいじゃない、Just the Two of Us、
名曲だよね。展開も複雑じゃないしね。
それに今日はサックスもいるし、あの
リフ弾いてもらえるからいいかも。

 

じゃ、それでいこう。サックスの他は
ギター2人とキーボードベース
ラムと、うん、ちょうどいいかな。
ォーカルは僕がやらしてもらいますね。

 

ほんとはコーラスも欲しいんだけど、
今日はいないので、できたら僕が後で
編集の時に足しますわ。

 

で、カメラなんだけど、今日は2カメ
用意してるんで……えーと、この辺に
1カメ固定して、もう一つこっちのカ
メラを……どうしよーかなー。

 

えーと、悪いけどギターの2人のどっ
ちかカメラに回ってくれないかな?
え? きみやってくれる? ありがと
うありがとう。

 

ね、これ、こうやって持つと手ブレが
しない仕組みになってるからね、これ
演奏中のメンバーを1人ずつ抜いて
ってもらえます? うん。で、ま、い
ちおう僕を中心にお願いしますね。僕
チャンネルに上げるんで。

 

あ、それから動き回る時、固定のカメ
ラに写らないようにしてくださいね。

 

あ、あとさー、演奏の途中1、2度
ストップして、僕とギターとサックス
位置を入れ替わってカット繋ぎ
3人が瞬間移動してるようにしたい
だけどいいかな? やっぱり、ちょっ
映像的なギミックを入れたいわけよ。

 

キーボードとドラムの入れ替わりも考
えたんだけど、さすがに大変そうだし。
あとの時間もあるしね。いい? そう?
ありがとう、助かるわー。最近、再生
数が伸びなくってさー。このままだと
広告入れてもらえなくなりそうで……

 

えーと、コホン、さて……

 

みんな準備大丈夫かな? じゃあ、始
めますよー。せーの、ワン、ツー……

 

あ、ごめん、言いわすれてたけど、
奏終わったところで、僕が感想はコメ
ント欄にって言うんで、みんなで下の
方を指さしてもらっていい? よろし
くね。

 

そういえば、みんなチャンネル登録
てくれてる? してない人は後でしと
いてね。お願いします。目標の数にな
なか届かなくてさ。大変なのよユー
ューバーも。

 

じゃあ、撮りますよ。サックスリフ
の練習止めて本番行くよ? 大丈夫?
いまいち不安? たのむよ、頑張って
ねー。

 

それじゃ、イントロはキーボードから
ね。よろしく!せーのー……

 

※このお話はフィクションで、現実の
ジャムセッションとは無関係だと思い
ます、たぶん。

 

て、ことで。

 

それでは、また( ̄▽ ̄)

 

どこかのギター名人伝(その3)

(昨日の続きですよ)
西の山にたどり着いたギター
名人を目
指す男は、早速その山
に住むという
高の名人ギタリ
ストを探し歩いた。

 

10日ほど山の中をさまよった末に、男
は森の中で老人に出会った。西の山の
孤高のギタリストというのはあなたか
と尋ねると、そんな風に呼ぶ人もいる
ようだとの返事だった。

 

男は疲れ果てていたこともあって、
面突破で行くしかないと考えて、名を
名乗り勝負を申し出た。そうすると、
男の耳に急にBPM200越えのドラムと
ベースの伴奏が聞こえてきたのである。

 

挑まれた老人は、しかしドラムやベー
スはおろか、ギターを持っているわけ
でもない。だが、老人は、「今聞こえ
ている音に合わせて、ギターを弾いて
みろ」という。言われた男は、いつに
もまして、あらん限りのテクニック
持ち出して、ソロを弾いた。

 

老人は涼しい顔をして、それを聞いて
いたが、しばらくすると、

 

「一通りは弾けるようだな。ついて来
なさい」

 

と言って歩き出した。

 

老人の後をついていくと、森の少し開
けたところに、なんとステージが現れ
た。ステージ後方には、スタックされ
マーシャルのアンプがそびえている。

 

老人は男にステージ前方に転がしてあ
モニターアンプ足をのせて弾いて
見ろという。男は片足をアンプにのせ
て弾こうとしたが、足をのせると、ア
ンプはグラグラし、ステージの面(つ
ら)から
客席側に落ちそうになった。

 

男はバランスを崩し、慌てて身を後ろ
に引いたソロを弾くどころではなか
った。老人はそれを見て笑っている。

 

そして、老人は男のそばに来ると、
足でその不安定なアンプの上に軽々と
乗った。そして、バランスも崩さす涼
しい顔を続けている。

 

次の瞬間、男の耳にはそれまでに聞い
たこともない、この世のものとも思え
ないギターソロが響き渡ったのである。
しかし、見ると老人は別にギターを弾
いているようには見えない。

 

ソロを弾くのにギターがいるうちはま
だまだ修行がたらん。ギターも何も持
たず一瞬のうちにメロディーが脳内に
響き渡ってこそ一人前。老人はそう言
った。

そして気づくと老人のギターの音(?)
を聴きに森中のクマ、シカ、サル、イ
ノシシ、タヌキ、キツネ、ハクビシン
といった獣たちが集まってきたのであ
る。頭上では鳥たちも枝に止まって
き入っている。

 

男は、老人の前にひれ伏し、教えを乞
うた。老人はこれを許し、それから
年もの修行が始まったというが、その
修行の記録は残っていない。修行は
ずエアギターから始まったという噂も
あるが定かではない。

 

男のいた街の人々は、急に姿を消した
カリスマギタリストのことを折にふれ
て話したが、男の行方は誰も知らなか
った。そのうち男は伝説のギタリスト
と呼ばれるようになった。

 

昔男の師匠だったギタリスト老衰
死んでしばらくした頃、男は戻ってき
た。

 

男のことを覚えていた人々は、男を
かく向かい入れ、再びライブハウスで
演奏するように頼んだが、男はもはや
ギターを手にすることはなかった。た
だ毎日、バーカウンターで呆けたよう
バーボンのストレートを口にするだ
けである。

 

男がギターを弾くことはなかった。が、
男のそばにいると、人々は脳内に天上
の音楽のごとき至高のギターソロを聴
いたといわれている。

 

そして、これはもはや真偽を質す術も
ないのだが、こんな逸話が残っている。
ある日、くだんのライブハウスで客の
もっているギターを見た男は、急にそ
れに興味を示し練習に使いたいので
それを貸してくれと乞うたというので
ある。

 

人々は色めき立った。またあの男のギ
タープレイが聴けるかもしれない、と。

 

しかし、翌朝人々が目にしたのは、
ートボールのグラウンドで手にしたギ
ターで玉
を打つ男の姿であった。

 

なんでも、男のいるチームは、全員の
「グルーヴがぴったりと一致」してい
て、ものすごく強かったということで
ある。

 

おしまい

 

(なんども言いますが、このお話はフ
ィクションで、実際のギタリストとは
無関係です。あと、このお話が中島敦
の「名人伝」によく似ていると思った
あなた、単なる気のせいです←オイ)

 

て、ことで。

 

それでは、また( ̄▽ ̄)

 

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どこかのギター名人伝(その2)

(昨日の続きです。フィクションです
よ。)
者修行を終えてカリスマ超
絶技巧ギ
タリストとなった男は
良からぬことを
考えていた。

 

もはやこの国の中に自分のカリスマを
脅かす存在がいるとすれば、それは
匠だけである。なので、師匠のホスト
しているセッションに行って、師匠を
凌駕する演奏をして完膚なきまでに打
ち負かしてしまえば、もうこの国で
いものはない

 

そう考えた男は、師匠がまさにホスト
しているところにずかずかと乗り込ん
だのである。そして今まさにセッショ
が始まろうとしているところに割っ
て入った。そこにいたギター担当の男
をどけて、自分のギターをアンプにつ
ないだのである。

 

そして、男は、自分の持つあらんかぎ
りのテクニックを駆使した超絶速弾き
フレーズを機関銃のように繰り出した
のだった。

 

だが、

 

しかし、師匠もさるもの、男の意図を
一瞬のうちに感じ取るや、自らもギタ
ーを手に取り、男の弾くギターの音に
対して逆位相の音をすぐさま繰り出し、
男の弾く音をすべてキャンセルしてし
まったのだ(ノイズキャンセリング・
ヘッドフォンの原理ですな)。

このバトル十数分にわたって続けら
れたといわれているが、客席からはな
んとギター音は全く聞こえなかった
いう。

 

この壮絶なバトルが終わったとき、二
人のギタリストは互いを抱きしめ合い、
涙を流して和解したと伝えられている。

 

涙ながらに抱擁し合いながらも、師匠
のギタリストは考えた。今日はなんと
かうまくいったが、今後またこの男は
何かをしでかすかもしれない。そんな
状況が続くのは剣呑でかなわん。何か
手を打たねばなるまい。

 

そこで師匠は男に告げた。もはやお前
教えることは何も残ってはいない
これより上を目指すのであれば、西の
山に住むという、孤高の老ギタリスト
の元に行くしかなかろう。

 

西の山の孤高の老ギタリスト?男は繰
り返した。

 

そうだ、その人のテクニックに比べれ
ば、我々の技巧など、子供だましにす
ぎない。お前が師と仰ぐべきなのはそ
のお方だ。行け、西の山へ。

 

なんと、この国にはまだそのような超
絶ギタリストがいたのか。男は打ちひ
しがれたが、生来立ち直りの早い性格
であったので、ペットショップボーイ
の音楽をバックにすぐさまギターを
背に西の山へと向かった。

 

もはや男の頭には、その西の山の超絶
ギタリストを倒すことしか頭になかっ
た。

 

続きます(笑)

 

て、ことで。

 

それでは、また( ̄▽ ̄)

 

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どこかのギター名人伝

とある国に住む男が、世界
一のギタ
ーの速弾き名人になろ
うと志を立てた。

 

師となる人物を物色すると、当時速弾
きギタリストとしては当代一という人
の噂を聞き、弟子入りを志願した。
は男にまずは、ギターを持たずに、
休まず右手のピッキングの動作を止め
ずに続けるよう命じた。

 

16分音符のオルタネイトでアップダウ
ンを繰り返し、一時たりとも止めては
ならぬというのだった。男は家に帰る
と、早速同棲していた彼女が仕事が帰
るのを待ちながら夕食の支度をしたが、
その間も右手のアップダウンは休まず、
左手だけを使って料理を作った。

 

当然、できた料理は食べられたもので
はなく、帰ってきた彼女文句を言う
しかし男は意に介さず、ひたらすら右
手のアップダウンを止めなかった。

 

男はあきれた彼女にアパートを追い出
されてしまった。しかし男は友達の家
を点々としながら、コンビニのバイト
をして食いつないだ(彼女に追い出さ
れ慣れているというのもあったが)。

 

とはいえ、コンビニのバイトも使える
のは左手だけなので、レジはまかせて
もらえず、商品の出し入れしかやらせ
てもらえなかった。バイト代はいつも
最低賃金レベルだった。

 

それでも男はアップダウンを続けるう
ちに、ついに、何も意識しなくても右
手は正確なリズムで上下するようにな
った。友達に聞くと、寝ている間も彼
の右手はアップダウンを続けるように
なっていた。

 

そこで男は師匠のところに行き、それ
報告すると、師匠はそれだけでは、
まだギターを持ってはならない、次に
音を聴けという。最大限の集中力
演奏される音を聞いて、細かい音の一
つ一つがそれぞれ4分音符のようにゆ
っくり聞こえるようにしろというのだ
った。

 

男はそこで、世の中のギターの速弾き
で有名な音源を集めて、ただひたすら
聴くことにした。バイトの最中ヘッ
ドフォンをつけて聴きまくった。集中
しすぎて、左手を動かすことも忘れて
しまったので、すぐにクビになってし
まったが。

 

クビになったせいで、食べるモノにも
事欠くようになり、いつも腹を空かせ
ようになった。だが反面、頭の雑念
はなくなり、集中力は増したのだった。

 

そうこうするうちに、最初はものすご
く早く感じたイングウェイペトルー
フレーズの一音一音がしばらくす
ると8分音符のように、そして1年も
経つうちに4分音符のようにゆっくり
と聴こえるようになったのである。

 

1拍6連のフレーズが2拍3連のよう
に聴こえるようになった頃、男は再び
師匠を訪れた。師匠はでかした、と言
うとついに男にギターを持つことを許
し、武者修行の旅に出るようにと命じ
た。

男はその足で旅に出ると、国中のライ
ブハウスやセッションバーに殴り込み
をかけた。すると、その超絶速弾き
センセーションを巻き起こし、男は一
カリスマギタリストとしてあがめら
れるようになったのだった。

 

こうして男は、国中を席巻し尽くすと
2年後に自分の住んでいた街に戻って
きた。そして、街にあるライブハウス
に向かった。その日はちょうど男の師
匠がホストをしているセッションデー
だった。

 

男は何か良からぬことを考え始めてい
た……

 

続きます( ̄▽ ̄)


(今日のお話はフィクションで、現実

のギタリストとは何の関係もありませ
んよ。いや、ほんとに)

 

て、ことで。

 

それでは、また。( ̄▽ ̄)

 

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すぐおいしい、一発芸セッション?

4という月は年度の頭という
ことで、世の中ではいろい
ろと
あるわけですが。

 

で、たとえば4月になるとテレビの編
も変わりますよね。新番組が始まっ
たりして。その一方、3月で終わる番
組もありますね。

 

NHK の朝ドラも4月とか9月になる
と新しいシリーズに切り替わりますね
(最近はコロナのせいで変則的になっ
たりもしましたが)。

 

朝ドラといえば、「まんぷく」という
ドラマがあって、チ○ンラーメ
ップ○ードル発明したあの会社の創
業者とその妻の物語でした。この番組
のおかげで、チ○ンラーメンはだいぶ
売れたらしいですね。

 

時代に敏感な(ほんとか?)われら
ラカンセッションとしては、このドラ
マが放送された頃、そんな流れにのっ
て、とある曲に改造を加えたセッショ
をしたことがありました。

 

あのセッションスタンダードなんです
けどね。

 

というわけで、今日はほんと一発芸
ございます。お楽しみいただければ幸
いです▼▼▼

 

 

て、ことで。

 

それでは、また。( ̄▽ ̄)

 

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