「偽りの希望シンドローム
(症候群)」という言葉があり
ます。
わりと最近よく見かける言葉ですが、
もともと International Journal of
Obesityという雑誌に発表された論文
で使われた言葉です。Obesity という
のは「肥満」という意味ですね。
つまり、「肥満」に関する学術雑誌に
掲載されたというわけでして。なかな
か示唆的ではありますが。早い話この
言葉は「人間、高い目標を立てたとい
うそのことで脳が満足してしまいがち」
ということを表しています。
その結果として、その目標を実際に達
成するための「行動」することへのモ
チベーションは失われてしまう、とい
う人間の悲しい性を表してもいるわけ
ですね。
そんなわけで、「一年の計」とか言っ
て新年に高い抱負というか目標設定し
たとしても、結局それに対する行動は
伴わず、1週間もすると忘れてしまう
日本人のなんと多いことか(別に日本
人に限った話じゃないんですけどね。
上の論文を書いた人はカナダの人でし
た)。〇コちゃんに叱られそうですよ
ね。
で、まあ当然ですが、この「偽りの希
望シンドローム」というのは、別に新
年の目標だけに限った話ではないわけ
で。1年いつでも起こりうる話でござ
います。
なので、例えば「楽器の練習を頑張っ
て、ライブでみんなを驚かせるような
素晴らしい演奏をするんだ」というよ
うな誓いを立てたとしてもですね、そ
れだけではたいてい行動レベルに移れ
ないわけです。
人間、何かを「やらない」「できない」
言い訳を考える時に一番クリエイティ
ブになる、という話があるくらいでし
てね……
じゃ、どうするか?
この論文を書いた人は、「実現可能な
目標と不可能な目標をよく見分ける必
要がある」と書いていますが、それが
たとえ実現可能だとしても、それを達
成するために必要な行動に移れなけれ
ばダメですよね。
実際に目標を達成するあるいはそこに
近づいていくには、そのためにやるべ
き具体的な行動をできるだけ細かくイ
メージして実行に移す必要があります。
そして、その第一歩は、極力敷居の低
いものであるのが長続きする秘訣だと
はよく言われることですね。朝、とに
かく楽器を「手にする」ことから始め
るとか。
あるいは、セッションに参加して演奏
をガンガン楽しむことが目標だとした
ら、まずは、セッションの「見学」に
行くことから始めるとかですね。
そういった、難易度が低くてもまずは
行動に移せた人が、「偽りの希望」か
ら逃れる第一歩を手にしたといえるの
ではないかと。
おめでとうございます(誰に言ってい
る?)
て、ことで。
それでは、また。( ̄▽ ̄)
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