これなんですか?(セッション編)

「ごめんください」

 

「いらっしゃいませ。どうされました
か?」

 

「いや、ちょっとジャムセッション
たいなあ、なんて思うんですが……」

 

「ジャムセッションね……。ジャンル
は何を?」

 

「えーと、ロックを少し……」

 

「ロックね……。なるほど。えー、こ
ちら、『クロスロード』『パリの散歩
道』『ロング・トレイン・ランニング』
などそろえてますが……。ま、どれに
なさっても同じようなものかと……」

 

「……えーと……。じゃあ『ロントレ』
をお願いします」

 

「はい『ロントレ』ですね……」

 

……これなんですか?

 

『スタンド・バイ・ミー』ですね」

 

「あー、そうですか……」

 

「演奏されますか?」

 

「あ、いやいや、まさか……」

 

「ははは。じゃ、これだけですね?」

 

「……えと、あとファンクもやってみ
うかな、なんて思うんですよね」

 

「ファンクねえー。そうしますと『チ
キン』『スーパースティション』『カ
メレオン』などがありますが……。ま、
どれになさっても同じようなんですが
……」

 

「あ、なるほど……。……じゃ、『チキ
ン』で」

 

「はい、『チキン』……と」

 

「……これなんですか?」

 

『スタンド・バイ・ミー』ですね」

 

「あー。あー、『スタンド・バイ・ミ
ー』ね」

 

「演奏されますか?」

 

「いやいやいやいや。あはは……」

 

「ははは。じゃ、これでいいですね?」

 

「えー、あとジャズも少々……」

 

「ジャズ、ジャズ……と。それではど
うでしょう?『酒とバラの日々』『オ
ール・オブ・ミー』『モーニン』など
など数多くありますが。ま、どれになさ
っても同じようなものですが……」

 

「あー、じゃ、『モーニン』で……」

 

「はい、『モーニン』……と。そうし
ますと、これとこれ……とこれですね。
ルチ・ジャンルにご興味お持ちでい
らっしゃるようですからね。グルーヴ
取り違えないようにね、注意してい
ただいて……。それでは以上でよろし
いですね?」

 

「これください」

 

「『スタンド・バイ・ミー』ですね」

 

「げほげほげほ……」

 

(*ネタなので、「どれも同じじゃな
い」とか怒らないでください)

 

て、ことで。

 

それでは、また。( ̄▽ ̄)

 

 

もしセッションホストが横丁のご隠居さんだったら 下

(前回の続きです)
、なんだ、『モーニン』
るまえに
この曲の造りをちゃん
と押さえとくの
が肝心ですよ。

 

この曲はね、AABAという、まあ
通の造りになってます。なってるんだ
けどもね、テーマを弾く時はさ、色々
決めごとがあるわけですよ。特に
ところは2小節のかたまりで動いてい
くんだな。

 

まず誰かが、そうだなピアノのことが
多いかな、お決まりの「たったたらた
たたったー」っていうフレーズを弾く
だろ。そしたら他の連中が「たーたっ」
ていうのを返すわけですよ。呼べば応
えるってね、「コール・アンド・レス
ポンス」てやつですよ。

 

で、おんなじようでちょっと違うやり
とりが4回繰り返されて、Aの1回分
になってるんだ。ねえ。作曲はボビー
・ティモンズてえピアニストだけどさ、
いい仕事してますよ。ねぇ。

 

Aを1回やったら、今度は、逆に合い
の手入れてた楽器が主役に回りますよ、
そのままに行って、ここは4小節目
に軽く合いの手が入る感じだね。で、
もう一回最初と同じようにをやって、
それでテーマ一回分ですよ。あとは各
自ソロやってね。

 

なんだい熊さん?ソロはどうやったら
いいですか?そうだねえ、のところ
は基本Fm一発なんで、Fのマイナー・
ペンタでいけますよ。でなけりゃ、
のドリアン一発ていう手もあるな。
んところもまずはA♭のメジャー・ス
ケールで弾ききれると思いますよ。で、
AもBもところどころブルーノートで
味付けする感じかねえ。

 

で、あと注意しとくと、AABAての
は、ぼんやりしてると自分がどのAを
弾いてるか分かんなくなるからね。と
くに八っつぁんや与太郎。おめえたち
うっかりとかぼんやりが着物きて歩
いてるような人間なんだから、気いつ
けな。

 

で、メンバーは誰が入るんだい?熊さ
んがギター?八っつぁんがベース?与
太郎は、でんでん太鼓?あ、そう…。
ドラムは?相模屋の若旦那?そうかい。
え?あと三味線のお師匠さんが、ピア
ノの替わりにテーマを弾きます?ほー
ほー、そりゃなかなかオツですな。

管楽器がいないねえ。え?そう思って
角んところでいつも尺八ふいてる虚無
僧のかっこした人を連れてきました?
あ、この人?で、あなたいけますか?
『モーニン』大丈夫?じゃ、お師匠さ
んとテーマと合いの手の掛け合い、よ
ろしくお願いしますよ。

 

じゃあ、これで勢ぞろいしましたかね。
お師匠さん、いきなりテーマで始まる
んで、よろしくお願いします。じゃあ、
やりますよ、いいかい?せーの……

 

……え、何?ご隠居さんもご一緒にい
かがですか?ピアノで?うーん、それ
もいいけどねえ。

 

……よそう。また夢んなるといけねぇ。

 

 

て、ことで。

 

それでは、また。( ̄▽ ̄)

 

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もしセッションホストが横丁のご隠居さんだったら 上

いはい、こんにちは。失礼
しますよ。

 

なんか知らないけど、八っつぁんが大
慌てでやってきて、あたしゃ昼寝して
たんだけど、たたき起こされましたよ。
ブルーノートの最前列でチック・コリ
聴いてる夢だったのに。そのうちチ
ックがあたしをステージに呼ぶんです
よ。一緒に演奏しようって。ねえ、も
夢のようでしたよ……。て、夢なん
だけどさ。いい夢だったの!

 

なのに、八っつぁんに無理やり起こさ
れてさ。なんでもいいから来てくれっ
てねえ。騒騒しいったら。

 

何なんだってきいてもとにかく来いっ
ていうから…まったく何事だい?え?
セッションホストするはずだった棟梁
が、急な仕事で?あー、ねえ。忙しい
人だから。

 

そんなら落ち着いてそう言えばいいの
にねえ。どうも慌てると半人前以下
なっちまうねえ、八っつあんは。普通
にしてりゃ0.8人前位にはなるのにねえ。
〇.八五郎って呼んでやろうかね、今度
から。

 

で、何やるの?え?曲ですよ曲。雁首
そろえて町内会やるわけじゃない…え、
何?『モーニン』です?▼▼▼

 

あー『モーニン』ね……。ご存じです
か?失礼なことをいっちゃいけないよ。
だてに隠居するほど歳食ってないです
からね。昔、大はやりした曲ですよ。
そば屋の出前のあんちゃんが口笛で吹
いてたってくらい流行ったんだから。

え、そば屋の出前を知らない?そうだ
なあ、最近は出前しないからねえ。
のそば屋さん頼めば若い衆が届けて
くれたんですよ。肩の上に山ほどそば
を重ねて積んでね、曲芸師みたいな人
(しと)もいましたよ。今なら、なん
てえの?デリバリー・サービス?なん
かなあ、長ったらしくていけないねえ。
出前でいいじゃないか、出前で。

 

ま、いいけどね。じゃ、やりますか、
『モーニン』

 

これね、モーニンってってもね、朝の
歌じゃないですよ。わかってる?コー
シーにトーストとゆでたまごの付いて
くるやつじゃないてんですよ。…何笑
ってんだよ。コーシーじゃなくて、コ
ーヒーです?うるさいねえ、こちとら
三代続いた江戸っ子なんだよ。コーヒ
ーって言おうとしても、コーシーにな
っちゃうの。

 

いちいち揚げ足取るなら、帰りますよ
あたしゃ。……ったく。

 

この、モーニンというのはね、英語で
Moanin’ と書いて、「うめく」とかそ
んな意味なんですよ。人生の苦しみを
歌った曲なんだよ。

 

しかし、人生の苦しみってってもなあ、
なんかこう見事に苦しみとは無縁そう
な面が揃ってるねえ。お気楽そうな奴
らばっかりで。

 

え、私にも人生の苦しみくらいありま
す?へえ、何だいお前さんの苦しみっ
てのは?こないだから水虫が痒い?
か、隣町の皮膚科行ってこい。

 

 

えー、ご隠居は話が長いので続きます。
m(_ _)m

 

果たしてセッションできるのか?
( ̄▽ ̄)

 

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もしセッションホストが気○予○士だったら

んにちは、もり○でござい
す。今日はこちらのコーナーじゃ
なかったッションのホスト役
なりましたので、どうぞよろしく
お願いいたします。

 

さて、今年の夏はどうもすっきりしな
いみたいですね。これは、太平洋高気
圧の勢力がいまいちなせいなんですね
え。そんなわけで、晴れのお天気が長
続きせずに、雨の日の多い地域もあり
そうなんですね。

 

……と、いうことで、今日の曲は、

 

Come Rain or Come Shine

 

でいきたいと思います。邦題が「降っ
ても晴れても」といいましてですね、
晴れたかと思うと急に雨なったり、と
いう今の気分にぴったりな、そんな曲
なんですよー。

 

え、降っても晴れてもなんなのか?

 

そりゃあなた、2人の愛は永遠なのよ、
ってそんなラブソングなわけです。山
のように高く、河のように深く、とか
歌ってるんですよ。

 

バカみたい? そうですねえ。ま、
タンダート・ナンバーの歌詞て多い
んですよ、そんなのが。

 

えーとそれで、そんな歌詞のせいなの
か、この曲コードの進路がやや迷走ぎ
でして。

 

キーはFで演奏されることが多いと思
いますが、Fメジャーでスタートした
のが、平行調のDマイナーにいったり
してね。

 

かと思うと、同主調のFマイナーが出
てきたり、でまたメジャーに戻って、
で最後の最後はDマイナーで終るとい
うような、そんな流れなんですよ。ま
さに晴れたり曇ったり降ったりしてる
感じですね。

 

え、聞いたことない? そうですか、
じゃちょっと聞いてみます? 有名な
ス・モンゴメリー『フル・ハウ
ス』というライブ・アルバムにある奴
です。

 

はい、そんなわけでジャズの4ビート
スイングした感じで演奏されること
が多いですが、バラードでやる人もい
ますし、それから、クラプトンとB.B.
キングがやってるブルージーなのもあ
りますね。今日はボーカルの方もいる
ようですから、それ風なアレンジでい
きましょうか? よろしいですか?

 

さて、構成自体はABA’C32小節
という、まあ一般的なものなのですが、
先ほどご説明したように、コードの動
きがやや複雑なので、今日のセッショ
ンのロスト確率は30%という微妙に高
い予報になっています。初めての方は
とくにご注意くださいね。

 

そんなアレンジなので、各所でギター
のブルージーなフレーズが予想されて
おります。Fのメジャーとマイナーの
ペンタの境目の前線上が盛上りのポイ
ントでしょうかね。所によりコード・
トーンが入ることもあるでしょう。

 

最後に熱中症対策ですが、熱烈なラブ
ソングではあるものの、最終的にはマ
イナーキーに落ち着くため、そこまで
ヒートアップはしない見込みです。た
だ、ソリストの演奏の張り出し方によ
っては、熱くなる可能性もありますの
で、念のためご注意ください。

 

……てことで。

 

それでは、ドラマーの方のカウントか
らお願いいたします……

 

せーの、( ̄▽ ̄)/

 

このお話はフィクションなので、現
実のセッション、気象予報士、お天気、
線状降水帯、とは無関係です。たぶん。

 

もしセッションホストがちょっとアレな代議士だったら

んにちは、私、埼玉○区選
出のと○
と申します。

 

この度、このセッションホスト役を
拝命いたしました。身にあまる大役で
はございますが、誠心誠意取り組んで
参る所存でございますので、どうぞよ
ろしくお願いいたします。

 

私、ジャムセッションというものの素
晴らしさというものに、数年前に触れ
まして、このような素晴らしい音楽の
活動に光が当たる世の中にしなければ
ならない、と心に誓った次第でござい
ます。皆様とともに「ジャムセッショ
ンを日本の文化に」スローガンのも
と…

 

え?はい?時間がない?

 

それにそのスローガンはある社長がも
うだいぶ前から使っている?

 

(横を向いて)ちっ…

 

…えー、それでは、本日の1曲目に早
速参りたいと思います。今日の1曲目
は、ハービー・ハンコックウォータ
ーメロン。マンで…。え?何なの秘書
の○○くん。そうじゃなくてカンタロ
ープ・アイランドです?だって、昨日
の資料には…。最後に順番が変わりま
した?

 

ちーがーうーだーろーーーーー!この
ボケ!

 

あんたにジャムセッションのことを教
えてやったんよね、あたしが。その私
に向かって、お前のいってることは違
うというわけ?あたしに?

 

あたしがウォーターメロン・マンって
いったらウォーターメロン・マンなん
だよ!

 

これ以上、あたしの評判を下げるな!

 

(以下、ウォーターメロン・マンの節で)
ど〜〜して〜〜こうなるのかーなー
な〜〜んで〜〜そうなるのかーなー
毎日こんなことばかり
明日も起こるーのかなー
今日も〜ドキドキ〜〜

 

あ、皆さん演奏はまだ始めなくていい
んですけど。ディレクションもちゃん
としてないし。あー、もうサックスの
ソロに入っちゃった。こら、秘書、お
前のせいでメチャクチャじゃないか…

 

あ、何?さっきからICレコーダー回し
てたの?それ、止めて、私によこしな
さい!

あ、こら、秘書。そのレコーダー持っ
どこに行くの?私によこせというの
に。こら、待ちなさい。こらー

 

誰か、そいつを止めて。そこの人、
手なんてどうでもいいから!もー、
てっちゃったじゃないのー。

 

ぜえぜえ…。うええええーん。(その
後、入院したという)

 

 

…てことで。

 

それでは、また。( ̄▽ ̄)

 

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ジャズ屋姫 その2

んとかジャズ屋姫に営業で
ろんな店やらハコやらに行かせた
ジャズ喫茶「ジャズ屋」のおじ
いさんは、計略を練りました。

 

知り合いの超イケメンのトランペット
吹きの男をジャズ屋姫に紹介して、
させ、一緒にツアーしようともちか
けさせたのです。人でなしですね。

 

「君ならルックスもいいし、スタイル
も抜群だ、ぼくと一緒なら世界を獲れ
かも」おいおい。

 

ジャズ屋姫は考えていましたが、条件
を出してきました。

 

「じゃあ、ヤノピはウ○ハラ○ロミで、
ベースはエ○ぺラ○サ、ドラムはガッ
ということで、よろしく」

 

ペット吹きはつてを色々当たりました
が、さすがに無理だったようで、

 

「悪いけど、ムカ○ヤミ○ルカメ○
セ○ジカトチャンで勘弁してくれよ」
といいました。失礼だろそれ。カトチ
ャンには伏せ字もないし。

 

「じゃあ、ギャラ私が8残りの全員
が2ということでおk?」ジャズ屋姫
はいいました。

 

背に腹は代えられないので、ペット吹
きはなんとか頼み込んで分け前を7:
にしてもらい、2人はバンドの仲間
たちといわゆるビータに出ました(
ンドマンのどさ回りをビータといいま
す)。世の中結局金なのか?

 

ジャズ屋姫の美貌と演奏は、各地でセ
ンセーショナルに迎えられ、行く先々
大入満員を続けました。その知らせ
を聞いたジャズ屋の主人のおじいさん
は、ジャズ屋姫がギャラをわんさか
って帰ってくるのを、今か今かと待っ
ていました。

 

6ヶ月ほどして、今や髪をキンパツ
してミニのドレスを着て、キャ○ディ
ー・ダ○ファーのようになったジャズ
屋姫がジャズ屋に帰ってきました。お
じいさんは、もろ手を上げて迎え入れ
ようとしましたが、ジャズ屋姫はいい
ました。

 

「おじいさん、私はこの6ヶ月の演奏
が認められて、バー○リーの特待生
してアメリカに行くことになりました。
幸いお金もたまったので、向こうでの
生活費も大丈夫です。あ、それから、
ブ○ーノートからデビューする話もあ
るので、発売されたらお店でかけてね

 

そういうと、アメリカ人のエージェン
トらしき男と2人で車に乗って行って
しまいました。その後ジャズ屋姫は2
度と帰ってこなかったそうです。

 

教訓:定年後の不労所得の誘惑には注
意しましょう。

 

 

おしまい。

 

では、また。( ̄▽ ̄)

 

 

ジャズ屋姫 その1

るところに、定年退職して
「ジャズ屋」という何のヒネリ
ない名のジャズ喫茶をはじめたお
じいさんがいました。

 

おじいさんの趣味ギターを集めるこ
でした。欲しいギターはいっぱいあ
るのですが、ジャズ喫茶の売り上げは
なかなかきびしく、おばあさんが少し
しかお小遣いをくれないので、毎日近
所のハー○オフに行って、ジャンク売
り場で掘り出し物をさがしていました。

 

その日もおじいさんが、朝からジャン
ク売り場に行くと、一本のレスポール
金色に光っているのがみえました。
まあ、ボロいゴールド・トップなんで
すけどね。

 

とはいえ、気に入ったので、それを買
って家に持っていき、オーバーホール
をしようと、ネック側のピックアップ
を外してみると、なんと中に小さな女
の子が座っていました。おじいさんと
おばあさんは、これも授かり物だとそ
の女の子を育てることにしました。

 

その日以来、おじいさんが○ードオ○
のジャンク売り場にいくと、必ず光
て見えるギターに出会い
ました。買っ
て帰ると、どうもどれも結構なビン
ージ物
らしく、おじいさんはそれらを
メルカリやらebayやらで売りさばき、
ちょっとばかり小金持ちになりました。

 

そのうちに女の子は美しい娘に成長
ました。そして、アルトサックスを吹
くようになり、「ジャズ屋」でおじい
さんの弾くギターをバックにライブ
やるようになりました。そこで、いつ
のまにか「ジャズ屋姫」というあだ名
で呼ばれるようになりました。

 

ジャズ屋姫のアルトサックスはなかな
かの腕前だったので、その噂はまたた
く間に広がり、近隣のライブハウス
らも、遠方のジャズバーからも出演の
依頼が殺到しました。しかし、ジャズ
屋姫はなかなか首を縦に振りません

 

ギターを売って小金はできたものの、
ジャズ屋の経営が苦しいおじさんは、
なんとかジャズ屋姫を営業に出したい
と思い、作戦を考えました。

 

それは……

 

 

 

続きます。( ̄▽ ̄)

 

 

走るな! メロス

る日、メロスが妹の結婚式
で自分の
友だちとデュエットで
歌を歌おうと、
新しいギターを
買いに久しぶりにオチ
ャノミズ
の街に来てみると、街は以前

はちがってひっそりとしていま
した。いつもの
グルーヴが感じ
られないのです。

 

街の住人に話を聞いてみると、街を支
配する王が、メトロノームのリズム以
外信じられないという理由で、メトロ
ノームあるいはリズムボックスを使わ
ない演奏をした人物を処刑してしまう
ということでした。

 

話を聞いて怒ったメロスは、王のもと
に向かいますが、懐にドラムスティッ
クを持っていたのがみつかり、捕まっ
てしまいます。

 

王の前に連れていかれたメロスは、

 

「妹の結婚式があるので、練習と本番
のために3日だけ待ってほしい」

 

処刑の猶予を願いました。

 

王は必ずメトロノームを使うことを条
件にこれを許しました。練習した曲を
メトロノームのリズムにぴったり合わ
せて演奏すれば、命は助かります。
れが出来なければ、友人のセリヌンテ
ィウスとともに処刑されることになり
ます。

 

メロスは村に帰り、いつのまにか人質
にされてしまったセリヌンティウスと
一緒にオチャノミズで買ったメトロノ
ームを使って練習を始めました。友だ
ちは選んだ方がいいですよ。

 

が、

 

大きな問題が生まれました。メトロノ
ームと一緒に練習すると、メロスはど
うしてもリズムがメトロノームより早
くなってしまうのです。つまり、

 

「走って」しまう

 

のでした。

 

セリヌンティウスは「あちゃー」と思
いましたが、メロスをはげまして根気
よく練習を続けました。2人は徹夜で
中島みゆきの「糸」を練習しました。

 

2晩目に疲労困憊したメロスはセリヌ
ンティウスを置いて逃げ出してしまお
うかと考えますが、なんとか思い直し
て練習を続けました。そして、結婚式
の朝、ようやくメトロノームに合わせ
て演奏が出来るようになりました。

 

「完璧じゃん」セリヌンティウスも喜
びました。いい人にもほどがあります
ね。

 

結婚式本番、メロスはセリヌンティウ
スとともにギターを持ってマイクの前
に立ち演奏を始めました。すると、そ
こに演奏を見届けるために、王と役人
たちが式場に入って来ました

 

それを見たメロスは一気に頭に血が上
ってしまいました

 

メロスは極端なアガリ症だったのです。

 

我を失ったメロスは、練習したことを
すっかり忘れて、どんどん「走って」
いってしまいました。

 

気がつくとメロスは1小節以上早く演
奏を終わってしまいました。妹夫婦と
セリヌンティウスが恐れおののいて自
分を見つめているのに気がついたメロ
スは、そこで自分が「やっちまった」
ことに気がつきました。

 

すると、王は2人に近づいて言いまし

 

「わしのリズムもひどいと思ったが、
ここまで走ってしまう奴もめずらしい
これならわしが恥をかくこともない、
わしをお前達の仲間に入れてくれ」

 

こうして3人はロックバンドを組んで、
超高速でやたらと「走り」まくるので
有名になりましたとさ。

 

おしまい。

 

では、また。( ̄▽ ̄)

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続々・TAB譜○○法騒動秘話

(続きなんで今回もフィクションです)
方ない。例のことをこの男
に言わな
ければならない。俺は
腹をくくった。

 

「申し訳ない。実はお伝えしていなか
ったのですが、あのソースコードは不
完全なものなんです」

 

「不完全?」

 

「ええ、あれをそのままコンパイルし
ても、出来たプログラムは一見問題な
く動きますが、アウトプットが不完全
なんです」

 

「というと?」

 

アウトプットされるTAB譜は最初の
4小節をのぞいてでたらめなものにな
んです。なので、あれが流出しても
あわてることはありません」

 

「……なるほど、そういうことでした
か。で、あなたはそれを私に黙ってい
たと」男は立ち上がった。

 

「すみません。私も保険をかけておき
たかったもので」

 

「……」

 

男は何も言わず、部屋の玄関に向かっ
ていき、ドアを開けた。……すると

 

怒って出て行くのかと思いきや、男は
別の男を招き入れた。大柄の眼光のす
るどい男だった。とてもカタギの人間
には見えない。

 

「なるほどねえ、やけにあっさりソー
スコードを渡されたんで、おかしい
思ったんですよ。そうしたら、アウト
プットのTAB譜が変だと気がついた
でね……」新しく入ってきた男は言っ
た。

 

「あ、あなたは誰です?」

 

「これは失礼。名前は、タキザワとい
うことにしておきましょうか。ま、本
名ではないですが」その男は言ってそ
ばの椅子に腰をかけた。

 

「この方は、私の昔からの仕事仲間
んですよ」例の男は言った。「今回の
TAB譜の規制の話やら政府やら与党や
らからの情報もすべてこの方の力で得
られたものです」

 

「われわれ2人は、いつも緊密な連携
でやらせてもらっていましてね」タキ
ザワと名乗る男はそう言ってにやりと
笑った。

 

スタジオノアと吉そばのようにね」
最初の男もそう言って笑った。

 

「さて、鳥越さん。ビジネス・パート
ナーに対する仕打ちとしては、そのよ
うなやり方は感心できませんなあ。
頼関係を大きく損ねるやり方だ。正常
に動くソースコードをいただかないと
いけませんが、われわれとしてもあま
り回りくどい交渉してる時間がない
のでね」

俺は立ち上がり、逃げ出そうかと考え
た。が、いつの間にか最初の男が玄関
の前に立ちふさがっているのが見えた。

 

そうか、もともとこいつらは政府の認
可など眼中にないのだ。裏社会の資金
として俺のプログラムを利用したい
だけなのではないか。

 

「申し訳ないが、ちょっと荒っぽい聞
き方をさせたいただくことになります。
ま、あなたが信頼を裏切った結果です
から。自己責任ってやつですかな。い
や、ちょっと違うか」タキザワはそう
言って笑って立ち上がった。

 

目はもちろん笑っていない……

 

<(゚ロ゚;)>ノォオオオオオ!!

 

 

では、また。( ̄▽ ̄)

 

 

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続・TAB譜○○法騒動秘話

(引き続き今回もフィクションです)
「もしもし?」俺はスマホ
を手に取っ
た。

 

鳥越さんですか?緊急にお話しした
い件がありまして。すみませんが今か
らちょっとうかがっていいですか?」

 

電話をかけてきたのは、最近俺のビジ
ネスパートナーになった男だった。俺
個人的に開発しているTAB譜の自動
生成プログラムに目をつけてアプロー
チしてきた男だ。ここひと月ほど話し
合いを重ねている。

 

音源を与えてやれば簡単に何パターン
もの指板上の動きに対応したTAB譜を
生成する俺のプログラムのスピードと
信頼性を高く評価してくれている。

 

今回のTAB譜についての法規制の裏側
に精通しているらしく、代議士のコネ
クションを使って、政府公認のTAB譜
作成免許取得第1号となるべく動いて
いるという。どんなすごいコネなのか、
男に尋ねたが、その代議士の正体はあ
かしてもらえていない。ともかく、そ
の男とそのコネクション先とは「スタ
ジオノアと吉そばのように」緊密なの
だそうだ。

 

そんなところに俺のプログラムが目に
とまった、ということのようだ。大量
のTAB譜を短時間で作成して、市場を
独占したいというわけだ。

まだ試作段階で公表もしていないのに、
どこで知ったのか。聞いたがそれも教
えてはくれない。だがテレビでの議員
の言い草じゃないが、ブラックな職場
で夜遅くまでプログラムを書かされて
いる俺にとっては、大きなチャンス
のだ。

 

ドアフォンが鳴った。おれはドアを開
けた。その男だった。

 

「夜遅くにすみません。申し訳ないこ
とが起こりました。例のプログラムの
ソースコードが盗まれたようなのです」
男は入ってくるなり言った。

 

「なんですって?」

 

「われわれと競合関係にある会社の話
はしましたよね?どうも、その会社の
スパイがわが社にいたらしい。昨日か
ら連絡がとれません。そして、どうも
ソースコードのファイルのコピーを持
ち出しているようなのです」

 

「しかしあのファイルは暗号化されて
いて、解読するための鍵は別に保管
れていたはずです。そちらはどうなん
ですか?」

 

「そちらには今のところ手はつけられ
ていません。しかし、やつらが自前で
暗号を解読してしまわないとも限らな
い。あちらの技術力もバカにできませ
ん。動きを早めなくてはいけない」

 

「動きを早める?」

 

「政府への働きかけを急いで、われわ
れへの公認を可能な限り早く勝ち取る
んです。急いで、プログラムのデモと
プレゼンテーションを準備しましょう」

 

思いもかけない急展開に俺は言葉を失
っていた…
さらに続きます ( ̄▽ ̄)

 

 

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TAB譜○○法騒動秘話?

(今回のお話はフィクションです)
「こんにちは、青井明です。
今日の朝
までセッションのテー
マは、まさに今
国会で議論され
ている、主にギターを
対象とし
TAB譜規制法案についてで
す。
今日は、この法案に賛成、反対
双方の陣営を代表する皆さん
にお越し
いただきました」

 

深夜帰宅した俺はテレビをつけて、
事討論番組にチャンネルを合わせた。
こんなテーマを取り上げるくらいなん
だから、日本は平和なんだろうともい
えるが、自分に関わる問題ともなると
注目しないわけにはいかない。

 

「まずは、この法案の趣旨を、法案の
作成ワーキンググループのメンバーで
ある、与党音楽部会ギター・ベース班
田山衆議院議員にお話しいただきた
いのですが」

 

「そうですね、この法案の眼目は3つ
あります。1つ目はギタリストのいわ
ゆる通常の五線譜についての読譜能力
ここ20年での最低になったという直
近の調査がありまして、多分にTAB譜
への過剰依存が原因と指摘されている
ことがあります。2つ目としてはTAB
譜を溺愛するあまり、近年音楽学校
TAB譜の提供を教師に強要し、暴力沙
にまで発展するという問題が多数報
告されていることです」

 

「そんな大げさな。たまたま1、2回
バカな学生が騒いだだけでしょう」
対派の1人が口をはさんだ。

 

「そして、3つ目は」その議員はかま
わず続けた。

 

「3つ目は、ギター関連の教則本の制
作・編集関係の仕事に従事されている
皆さんが、全ての楽譜にTAB譜をつけ
ることを要求されるがゆえに長時間の
労働や深夜残業を強いられているとい
う問題です。すでに数字が縦に並んで
いるのを見ると体調に変調をきたす
どの症例が報告されています。」議員
は立て板に水のように話を進める。

「人の心を豊かにするはずのアーティ
スティックな内容の書籍を作るという
業務が、下手をするとブラック化しか
ねないという問題は看過できない、と
いうことで、この法案の作成に至りま
した。このままTAB譜を野放しにする
のはリスクが大きい。何らかの規制が
早急に必要です」

 

そうはいってもTAB譜のないギター教
則本なんて売れるはずもない。俺は思
いながら画面を見つめていた。そこに
俺の作った「あれ」の出番があるわけ
なのだが。

 

反対派の発言する番になり、すぐさま
反論を始めたが、発言に今一つ説得力
がない。こいつらの問題は、感情的に
なりすぎることだな、と俺は思った。
まあ、無理もないが……。

 

その時、おれのスマホが鳴った。

 

 

続きます。( ̄▽ ̄)

 

 

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ジャズギタリスト金太郎

々、「あしがら」というら
しくない
名前のジャズバーに住
み込みで働いて
いた母親ととも
金太郎という男の子
が暮らし
ておりました。

 

生まれたときからそんな所で暮らして
いたせいで、毎日浴びるようにジャズ
を聴いていた金太郎は、ぐずって泣く
時もアフタービートを効かせていたと
いいます。

 

金太郎が歩けるようになると、母親は
金太郎にハコモノのギターを与えまし
た。まだ子供でただでさえ小さいのに
なぜか18インチボディー幅にロングス
ケールのネックという巨大なギターで、
最初のうちは演奏が大変でしたが、母
親は星飛雄馬の「大リーグボール養成
ギブス」の感覚で与えたのでした。

 

金太郎の遊び友だちは、ライブで演奏
にくるジャズマンたちでした。そんな
環境ですくすくと育った金太郎は、そ
のうち、この大きなギターを弾きこな
せるようになっていきました。とある
コンテンポラリーなジャズギタリスト
と仲よくなった金太郎は、ほどなくし
指をストレッチして変態じみたボイ
シングのコードを弾くまでになりまし
た。

 

母親が、開店前に金太郎を店で遊ばせ
ておくと、そんな変態じみたポジショ
ンで弾いた不協和音で、店の氷のブロ
ックが一瞬にしてクラッシュアイス
なったそうです。親孝行ですね。

 

そんなある年の秋、友だちのジャズマ
ン達から武者修行外のジャムセッシ
ョンに行こうと誘われました。金太郎
は喜んで参加しましたが、ジャズマン
たちの移動用のバンガス欠で、貧乏
なジャズマン達はガソリンが買えませ
んでした。そこで金太郎は店の売上を
ちょろまかしてガソリン代をカンパ
てあげました。良い子はそんなことを
してはいけませんよ。

 

金太郎達は隣の町のジャズ専門のセッ
ション・バーに行きました。そこでは
ストレート・アヘッドなジャズから
ードからフュージョンからアシッド
で様々なジャズが演奏されていました。
金太郎達は夢中でセッションしていま
したが、突然、とても大きな図体のヒ
ゲもじゃの男が入ってきて、無表情な
顔でギターを弾き出しました。

 

熊さんだ……」店内がざわめきまし
た。

 

「熊さん」と呼ばれたその男は、見た
目とはうらはらに、極端にピッキング
のアタックの少ない繊細なフレーズ
弾きましたが、なにやら近寄りがたい
雰囲気でした。熊さんの繰り出す音は
とてもコンテンポラリーで、調性があ
るか無くなるかのすれすれアウトフ
レーズのオンパレードでした。正直ま
わりのジャズマン達も引いてしまって
いましたが、金太郎だけは怖がること
なく熊さんに向かっていきました。

金太郎も得意の変態コードで対抗しま
したが、熊さんも聞いたこともないよ
うなスケールを数々繰り出して勝負が
つきません。ホールトーンスケール
コンディミは序の口で、シンメトリッ
クオーギュメントやら、ハーモニック
マイナーでの4度のインターバリック
ストラクチャーのアルペジオとか、た
とえ説明されても理解不能なスケール
をがんがん繰り出してきました。

 

スケールでは勝てないと思った金太郎
は、7音5音のフレーズが複雑なパタ
ーンで繰り返されるポリリズミックな
フレーズを引き続けました。すると熊
さんの額から大粒の汗がしたたり落ち
ました。金太郎がさらに11音と13音の
フレーズも交えて数十コーラスもの間、
ポリリズミックなフレーズを弾き続け
ると、とうとう熊さんは降参しました。

 

「参りました。どうか私をあなたの家
来にしてください

 

「いやいや、みんなで仲良くやりまし
ょう。さあ、みんな、ジャムセッショ
ンしよう!

 

金太郎は連れのジャズマン達や店の客
の方を見ましたが、ついてこれなくな
ったジャズマンや客達はとっくに帰っ
てしまっていましたとさ。

 

おしまい。

 

では、また。( ̄▽ ̄)

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ファンクギタリスト浦島太郎

々、ある夏の日に浦島太郎
が海辺で
遠くを見つめてビーチ
ボーイズの「サ
ーファー・ガー
ル」かなんかを聞いて
気取って
いると、子供たちが、わいわ

と騒いでいる声が聞こえてきま
した。

 

せっかく西海岸な気分でいたのにとか
思いながら、浦島太郎が近づいていく
と、子供たちは、海岸に打ち上げられ
ギブソン・エクスプローラーをいじ
めているところでした。

 

「なんだ、この変なかっこのギター。
立てかけておけないじゃん」

 

「そうとう歪んだ性格してそうだな」

 

まともな人間の弾くもんじゃない
だろ」

 

……とさんざんないわれようです。

 

「火つけて燃やしてしまおうか

 

それを聞いてエクスプローラーが不憫
になった浦島太郎は、子供たちの中に
割って入り……

 

「こらこら、そんなひどいことをする
んじゃない。浦島太郎オリジナルのギ
ターピックをあげるから逃がしてやっ
ておくれ」といって、子供たちの手か
らエクスプローラーを逃がしてやりま
した。

 

「お前もこんな変形モデルにされて大
変だとは思うが、気をつけるんだよ」

 

「浦島さん、ありがとうございます。
お礼に竜宮城にお連れしましょう」

 

「竜宮城?」

 

「毎晩、毎晩、連夜のジャムセッショ
ン三昧のできるそれは楽しい所です。
きれいなおねいさんもいますよ」

 

そういわれて、そういう所が嫌いじゃ
ない浦島太郎は

 

「ふ、ふうん、ま、ちょうど退屈して
たから付き合ってやってもいいかな」

 

……などとカッコつけましたが、内心
くわくして、エクスプローラーの背
中に乗って出発しました。

エクスプローラーは、浦島太郎を乗せ
て海の中に入り、そのまま海底に向か
いましたが、やがて海中にある雑居ビ
に連れて行きました。階段を3階
で昇って着いた先の店のドアには「セ
ッションバー竜宮城」と書かれていま
した。店に入ると、そこでは、ファン
クのジャムセッションの真っ最中。

 

ステージでは、エビやらヤドカリやら
のバンドが演奏しておりフロアでは
やヒラメが舞い踊っていました。

 

そして、カウンターの向こうでは1人
の女性がドリンクを作っていました。
「どーも、こんばんは。乙姫といいま
すー。うちのエクスプローラーがお世
話になったそうで、今日は、この子を
好きなだけ弾き倒していってください
ね」いつのまにか、浦島の手にはエク
スプローラーがにぎられていました。

 

乙姫に促されるままにステージに上が
った浦島は、エクスプローラーでファ
ンク?とは思いましたが、もともと嫌
いじゃない性格なので、ハウスバンド
ファンクのリズムに身を任せてギタ
ーを弾き始めました。

 

あるときはナイル・ロジャーズ
あるときはアル・マッケイ
はたまたレイ・パーカーJr.
ときにはブルーイ
……といったカッティングを繰り出し
たり

 

かと思えば、
デヴィッド・T・ウォーカーのような
エロいソロを弾いたかと思うと、

 

次には、コーネル・デュプリーのよう
ブルージーなフレーズを繰り出し、

 

また次の瞬間には、
カーティス・メイフィールド風にワウ
を効かせたギター弾きながらファル
セットで歌ったり、

 

やりたい放題の演奏を繰り広げたので
した。浦島太郎は次第にトランス状態
になって行きました。

 

「きもちい〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

 

……

 

気がつくと、浦島太郎は海辺に倒れて
いました。すでに朝になっており、太
陽が次第に海辺全体を照らし、海辺の
砂が熱くなりだしていました。

 

「あー、頭いて……。そうか、一晩中
セッションしてたんだっけ……」

 

浦島太郎が起き上がって、ふと気がつ
くとそばに何か箱のようなものがあり
その中に手紙があるのでした。封筒に
「乙姫」とあり、中をみると、便せ
んに「お疲れさまでした。ノリノリ
したねー。300日連続であんなにギタ
ーを弾いた人は初めてです。あとで
会計お願いしますね」と書いてありま
した。

 

一晩と思えましたが、浦島太郎は300
晩連続でセッションしていたのでした。

 

封筒の中には請求伝票が同封されてい
ました。

 

「う……」

 

その伝票を見た浦島太郎の髪は一瞬で
真っ白くなってしまったということで
す。

 

おしまい。

 

では、また。( ̄▽ ̄)

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ハードロッカー桃太郎

々、おじいさんが山でトラ
ペットの、おばあさんが川でサッ
クスの練習をブルージャイアント
よろしくしていると、川上から
きな桃がどんぶらこっこ、どんぶ
らこっこというシャッフル系のノ
リで流れてきました。

 

「ちょっ、クールじゃん」とおばあさ
んがその桃を引き上げ、家に持ち帰っ
て2人で割ってみると、中からギブソ
ンのフライングVを抱えた長髪で腕に
タトゥーをした男の子が生まれてきま
した。

 

「桃からうまれたのでピーチボーイ
名付けましょう」という安易なネーミ
ングに反発しつつも、男の子はすくす
くそだち、立派なロックギター小僧
成長しました。

 

毎日毎日ギターでリフやらランフレー
やらを大音量で弾くので近所の人や
らクマやらイノシシやらは迷惑そうに
していましたが、おかまいなしに弾い
ていると、上達は著しく、まもなく村
の若い衆ではかなう相手がいなくなり
ました。

 

ある日ピーチボーイはおじいさんとお
ばあさんに言いました。

 

「おじいさん、おばあさん。僕は鬼ケ
にいってギター合戦して鬼退治をし
てきます」といいました。「鬼ケ島」
というのは隣の町にあるジャムセッシ
ョンを夜な夜なやっているライブハウ
の名前でした。

 

おばあさんにきびだんご型のギターピ
ックをもらい、おじいさんから改造し
強力ディストーションエフェクター
をもらったピーチボーイは愛機のフラ
イングVを手に町へと出かけて行きま
した。

 

町に向かっているとがやってきて、
「ピーチボーイさん、お腰につけたギ
ターピックひとつ私にくださいな」と
いいました。

 

「んー、じゃ、お前サイドギターね」

 

犬をサイドギターにしたピーチボーイ
は次にに出会いました

 

「ピーチボーイさん、お腰につけたギ
ターピックひとつ私にくださいな」

 

「んー、やってもいいけど、ギターば
かりいても困るからおまえベースな」

 

猿をベースとして加入させたピーチボ
ーイは次にに出会いました。

 

「ピーチボーイさん、お腰につけたギ
ターピックひとつ私にくださいな」

 

「もうあとはドラマーの空きしかない
けど、それでもよければ」

 

犬と猿と雉が加わってピーチボーイズ
と名乗ることにした一行が、目的地の
「鬼ケ島」に着くと、そこでは鬼達が
大音量ロックジャムセッションの真っ
最中。ピーチボーイは鬼達に言いまし
た。

 

ロックンロールオールナイトいきま
ーす!ワンツースリーフォー!」いき
なりフルテンのボリュームで弾き始め
ました。

 

犬のパワーコード鬼達のパンツを引
き裂きました。

 

猿の重低音ベース鬼達の鼓膜をぶち
抜きました。

 

雉のドラミング鬼達の角を破壊しま
した。

 

そんな阿鼻叫喚の中、ピーチボーイ
ありったけのテクニック高速フレー
ズを繰り出してギターを弾きまくり
した。

 

「ひえええ、降参です降参です。勘弁
してください」

 

ピーチボーイズは鬼達から金銀財宝
取り上げようとしました。

 

が、

 

「すみません楽器代とハコ代とノルマ
で消えてしまいました」といわれてし
まい、あげくのはてにライブハウスの
マスターからチャージを巻き上げられ
一文無しで帰りましたとさ。

 

おしまい。

 

では、また。( ̄▽ ̄)

ギタリストの「変身」(その3)

(フィクションですってば)
睡とはほど遠かったが、ア
キラが次
に気がつくと朝だった。
自分がエフェ
クターになってか
ら丸1日が過ぎたわ
けだった。

 

「兄さん、起きた?」前日に起きたこ
とをアキラが反芻していると、が入
ってきた。「いい知らせよ。専門家
呼んだの」

 

「専門家?」

 

「そう、エフェクターのことはエフェ
クターの専門家に聞くのが一番でしょ」

 

「エフェクターの専門家って誰?」

 

「もうすぐ来るわ。見つけるのに苦労
したけど、持つべきはミュージシャン
仲間よね」妹はアキラとは別のバンド
でキーボードを担当しているのだ。た
しか彼氏がギタリストかベーシスト
ったはずだ。

 

「そうだ、兄さんの写真をインスタ
上げるって約束したんだった」妹は自
分と巨大エフェクターと化した兄の姿
スマートフォンで撮影しはじめた。

 

「おい、よせよ」アキラは言ったが、
そもそも止めようとしても、逃げよう
としても動けないのだった。

 

「いいじゃない。専門家紹介してもら
う代わりに、インスタに写真上げるっ
て約束したのよ」

 

そんなことを話しているうちに階下で
ドアフォンの呼び出し音がした。母親
が対応する声がきこえ、ほどなく来客
と一緒にアキラの部屋にやってきた。

 

「兄さん。いらしたわ。アカシさんよ」

 

「どうも」とその男は部屋に入ってき
た。物静かな様子だが、手には金属製
のスーツケースを持っていた。背後で
父親と母親がこわごわといったおもも
ちで部屋の中の様子を窺っているのが
感じられた。

 

「それじゃ、アカシさん、後はよろし
くお願いしますね」妹はそういうと、
父親と母親と一緒に階下に降りていっ
た。

 

部屋にはアカシという男とアキラの2
人、正確には1人と1台が残された。
「なるほど、これは極めて興味深い
アカシは独り言のように言った。

 

「あのー、俺ってどうなってしまう
ですかね?」アキラはおそるおそる尋
ねた。

 

「どうなってしまうかですか。それは
私にもわかりませんなあ。そもそも
自身どうなってしまうかさえ、私には
わかりません。まして、一夜にしてエ
フェクター、しかもコーラスになった
人がこの先どうなるか、と言われても
ですね」アカシは言った。

 

「……でも、まあ、まずはちょっと見
てみましょうかね」そういってアカシ
はスーツケースを開けた。中にはぎっ
しりと工具が詰まっていた。

「まずは、じっくり調べてみないと
すなあ。エフェクター好きとしてはこ
機会を逃すわけにはいきませんから
なあ」アカシはアキラが見たこともな
い工具を手に取った。そして、アキラ
を様々な角度から眺め始めた。

 

階下のアキラの家族の声が聞こえてき
た。ずいぶんと遠く感じたが、めった
に笑わない父親が笑っているのが聞き
とれた。

 

アキラのに(もはやどこが背かわか
らなかったが)悪寒が走った。冷や汗
が流れた。いや、身体の構造上、冷や
汗をかこうにもかけないが、身体の表
面の金属の温度が下がったので、結露
したのだった…

 

<(゚ロ゚;)>ノォオオオオオ!!

 

 

 

では、また。( ̄▽ ̄)

 

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ギタリストの「変身」(その2)

(くどいですがフィクションです)

「つまり、兄さんは朝起き
たらエフェ
クターになっていた
?」アキラが妹に
自分の身に起
こったことを説明した後、
妹は
言った。

 

「そういうこと。全く突然に」

 

エドワード8世が人妻と恋に落ちる
くらい突然に」

 

「何それ?」

 

「なんでもない。気にしないで……。
でも何か前触れのようなものがあった
はずよ。竜巻の前には匂いを感じる
ていうでしょ。そんな前兆」

 

「さあ、匂いは感じなかったなあ」相
変わらず声はキンキラしていた。

 

「ちょっと待って。いい?1、2の3
て私が数えたら息をとめてね」そうい
うと突然妹は立ち上がり「1、2の3」
というなり、アキラの腹にあるフット
スイッチを思い切りの力で踏みつけた。

 

アキラはしばらく息ができず、声も出
せなかった。ようやく息ができるよう
になって、アキラは言った。「何すん
だよ!」

 

「これでよし、エフェクト切ったから
普通の声になったわ。あ、父さんが帰
ってきたみたいね」と言って妹は出て
いった。階下で声がした。母親が連絡
したため勤め先を早退してきたらしい。
その声は明らかにいらだっていた。

 

「……ったく、仕事中に電話するなっ
……言ったじゃないか」そんな声が聞
こえた。そこから、母親と父親は声を
ひそめて何か話し合っているようだっ
た。途切れ途切れに何か聞こえてきた
が、内容は聞きとれなかった。

 

「やれやれ、これから家族会議よ。行
ってくるから、静かに待っててね」そ
う言うと妹は出ていった。

 

アキラは部屋に1人、いや1台残され
た。静かにしろもなにも身動き一つで
きない。外はいつの間にか日が暮れた
ようで。アキラは次第に眠くなった。
無理もない。こんな経験をすれば、誰
でも疲れ果てる、とアキラは思った。

 

いつの間にかアキラは眠りに落ちてい
た。夢の中で、断片的を聞いた気
がした。

大きすぎ……」
使い物に……るのか?」
エフェクター屋看板……どう?」
「……ード・オフ……もっていくの…
…大変」
「ピアノ引っ越し……ンター……見積
を……」
粗大ごみ……ってタダじゃな……」
「……」

 

さらに続きます ( ̄▽ ̄)

 

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ギタリストの「変身」

(このお話はフィクションです)
る朝、アキラがなにか気が
かりな夢
から目をさますと、自
分が寝床の中で
一台の巨大な
フェクターに変ってい
るのを発
見した。

 

彼は鎧のように堅い背を下にして(い
やそれをいえば全身が堅いのだが)、
あおむけに横たわっていた。頭をすこ
し持ちあげると(後から思うとエフェ
クタのどこが頭か自分でもよくわから
ないのだが、その時はなぜか持ち上げ
られたのだ)真っ青な色の腹といくつ
かのつまみが目に入った。

 

「な、なんだこれは。どうなっている
んだ」アキラは思った。

 

そして、夜遅くハードロックばかりや
るセッションから帰って来たのを思い
出した。その夜のセッションはアキラ
にとっては最悪なもので、リズム隊と
の息は合わず、アキラのギターのソロ
もミスばかりで、気分は最後まで盛り
上がらなかった。

 

そのままを浴びるように飲んで、
夜に帰宅して、そのまま部屋のベッド
で寝てしまったはずだった。夢でもう
なされていた気がするが、思い出せな
い。そのあげく目を覚ますとこの始末
だった。

 

「まいったなあ、こんなことになって
しまったら、自分で動けないじゃない
か」実際、寝返りすら打てないのだっ
た。

 

「今日は来週のライブの練習があるの
に」

 

何とか動けないものかと身体のあちこ
ちに力をいれようとしていると、ドア
ノックの音がした。

 

「アキラ、いい加減に起きなさい。入
るわよ」

 

ドアが開いて、アキラの母親が入って
きた。

 

2人の目が合った。…とアキラは思っ
たが、母親がアキラと目を合わせたと
いう認識をもったかは定かでなかった。
確かなのは、母親が凍りついたような
視線で自分を見ていたことだった。

 

「な、なんなの、これは?アキラ、い
ないの?アキラ?」どうも母親は、目
の前の物体をアキラとは認識していな
いようだ。

 

「俺だよ、母さん。目の前にいるだろ」

 

その声を聞いたとたん、母親はさらに
混乱の色を見せた。

 

「な……何?なにそのおかしな声。ア
キラどこに隠れてるの?」

 

「だから目の前にいるじゃないか!」

 

だが、母親は何かアキラが変ないたず
らを仕掛けているとでも思ったのか、
部屋を出て、となりのの部屋に行っ
て妹を連れてきた。

 

入ってきた妹は一瞬驚きの色をみせた
が、すぐに冷静になって、しげしげと
アキラを見た。

 

「おー、俺だよ俺。なんかこんなこと
になっちゃってさー。何とか助けてく
れよ」

 

「ホントに兄さんなの?何で、そんな
微妙にキランキランした声なわけ?あ、
もしかして……」そういうと、妹はベ
ッドの上にのってアキラを上から見下
ろすようにした。

 

「えー、あのハード・ロッカーの兄さ
んが何でまたコーラス・エフェクター
になったのよ?」

コーラス?そうか、それでこんな青い
なのか。

 

「あんな、大音量で歪ませることしか
頭になかった兄さんが、そんな繊細な
音を出すようになるとはねー」

 

なんて、ことだ。とアキラは思った。

 

「面白がってないで、なんとかしてく
れよ」アキラはか細いキラキラした声
で言った。

 

(なんとかなるのか?)

 

続きます。( ̄▽ ̄)

 

 

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もしセッションホストがちょっとアレな中間○理職だったら

ー、どうも。青井です。

 

えーと。今日は何でしたっけね? 急
に呼び出されたもので……え? あー、
ッションね。私あまり専門じゃない
んだが……え? 2週間前から予定
入ってる? そうだったっけ? あー、
何で入れたんだろうなあ、これ。

 

あ、いや、それではそういうことです
ので、不肖私がホストを務めさせてい
ただきます。えー、それじゃあ、まず、
えーと……そうだ、曲だ曲。曲は何で
すかな?

 

え? フライ・ミー・トゥ・ザ・ムー
? 英語なの? 困るなあ、英語な
ら英語っていってくれないと、私にも
心の準備が……え? 演奏するのはみ
んな日本人です? ボーカルなし
あ、そうか。助かった……

 

えー、資料によりますと、フライ・ミ
ー・トゥ・ザ・ムーンは1954年に書か
れておりますね。スタンダードナンバ
ーとしては比較的新しい曲ですな。書
かれた当初はなんと3拍子だったらし
いですが、その後4拍子に変わった
いうことのようです。フランク・シナ
トラも得意にしてた曲で、歌詞の内容
は……えーと、何? 別紙で添付?
あ、これか……

 

ふーん、まあ甘ったるいしょーもない
歌詞ですなあ。「私を月に連れてって」
っていわれてもねえ。ホリエモンとか
マエザワでもなきゃ宇宙旅行なんてね
え。がっはっはっは。

 

は……

 

えーと、まあいいでしょう。ジャズの
スタンダードなんてそんなもんだと先
代も言っておられました。今日はもち
ろん4拍子でやりますが、大きくジャ
ズのスイング・ビート、まー、この
わゆるフォー・ビートでやるか、ボサ
ノバでやるかというのが、本日の主要
審議案件となっております。ここは、
ひとつご参集の皆さんの多数決という
ことでよろしいですか?

 

はいそれでは、挙手をお願いします。
フォー・ビートに賛成の方? ひい、
ふう……5名ですね。ではボサノバ
方は? あーこちらも5名ですかあ。
困ったな。

 

え? ここはホストが決めろ? 君、
なんてこと言うの。なんで私にそんな
重要なことを決めさせようとするかな
あ。責任負わなきゃいけないじゃ
ないの。

 

じゃんけんだ、じゃんけん。代表者前
に来てください。はい、最初はグー、
じゃんけん……と、はい、ボサノバに
決まりました。じゃんけんで、決定、
記録残してくださいね。君、ちゃ
んと議事録取ってる?

 

それで、曲の構成ですが、ABAB’とい
う比較的単純なもので、これといった
転調もないですが、それだけに、自分
が前半のABにいるのか、後半のAB’
方にいるのか、いわゆる、そのなんで
す。えー、あれ……うーんと、その。
あ、そうロストだ。ロストしやすいの
で、注意してください。

 

で、えーと誰が演奏するの? この人
たちです? ふうん。全員男? そう
なの? なんかこう、女性がいないと
華がないなあ。どうにかならんの?
今日は女性の希望者はいません? ふ
うん、私のホストでは不満ですか。
うですか。わかりました、今後のこと
はね、考えさせてもらいます……

 

そこの君、名前は? あ、そう。しか
しねえ、何とかならんの、その髪形
男ならもっと、こうさっぱりきちんと
しなさいよ。服装もねえ、何なのその
ャツ? なんでドクロのマークがつ
いてんの? 本職はメタルです? メ
タルだかホタルだかしらんが、私の会
議にその格好はゆるせんなあ。

 

え? 会議じゃなくてセッション? 
何だその薄ら笑いは。人の揚げ足とっ
ていい気になってんじゃないよ! お
い若造。教えてやろうか、英語ではな
あ、会議こともセッションて言うんだ
よ!

 

ぜえぜえ……

 

あー、もう気分悪い。もう今日はこれ
で終わります。え? まだ演奏してな
い? もう終わり、時間切れ演奏は
次回に持ち越します。次回のホストは
別の人にしてね。私はもうこの件から
ははずしてもらいます。やってられん。

 

解散!

 

※このお話はフィクションなので、現
実の中間○理職のおじさんや会社での
会議やセッションやドクロのマーク入
りのTシャツとは無関係です。

 

て、ことで。

では、また ( ̄▽ ̄)

 

バンドマンショートジョーク集! ( ̄▽ ̄)

の前、バンドマン川柳をや
ったら、
結構好評をいただいた
ので、2匹目の
ドジョウ狙いで、
バンドマンをテーマ
にしたショ
ートジョークです。皆様か
らの
ジョークお待ちしてます ( ̄▽ ̄)
「いやー最近ほんと目が悪くなっちゃ
ったなー。この譜面なんか、まるで読
めないし、○○さんの顔もまるで違っ
て見えるよ、今日は」
「確かに眼科行った方がいいかもね。
あんたの見てるのはライブのチラシ
裏だし、おたくたちのスタジオは隣
よ」
「なんでベーシストを撃ったんだ?」
「1曲で15回もルートを外したから
だよ」
「なんでギタリストを撃ったんだ?」
10コーラスもソロを弾くからだよ」
「なんでピアニストを撃ったんだ?」
ドラマーの俺に、このDmのところ
フィルインをいれろとかいうからだ
よ」
 
「なんで観客を撃ったんだ?」
1拍目と3拍目で手拍子叩くんだも
ん」
拷問と音楽の違いはなんですか?」
「拷問は白状すればやめてくれます
「なんでギタリストは自殺したんだ?」
タブ譜なしの楽譜を与えたからだよ」
「なんでトランプ大統領はジャズマンが
嫌いなんですか?」
フェイクするからだよ」
て、ことで。

 

では、また ( ̄▽ ̄)

お読みいただきありがとうございま
した。こんな話やら、セッションノ
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もしもセッションホストが幼稚園の先生だったら

ーい、みなさーん、こんに
ちはー。

 

私は今日のセッションホ・ス・ト
んだけどホストってわかるかな? は
い、ひろゆきくん。マンションのとな
りのお兄さんがホストだっていってた?
かぶきちょうで? んー、それ、ちょ
っとホスト違いかなー。

 

ここでいうホっていうのはね、
ッションが最から終わりまでうまー
く、みんな楽く進められるようにお
手伝いする、んな役割の人です。み
んな、先生じゃなかった私の言うこと
をよーく聞いて順番をまもってセッシ
ョンしましょうね。わかったかなー?

 

んー、元気ないですねー。大きな声で
もう一度。わかったかなー?

 

はい、いいお返事でした!

 

それでは、今日のセッションはじめま
すよー。最初の曲は、えーと、ふぃー
る・らいく・めいきん・らぶという曲
です。ろばーた・ふらっくという人の
歌で英語の曲ですねー。でも演奏する
のは英語も日本語も関係ないので、大
丈夫ですよー。

え? とうたくん質問ですか? どう
意味の題名ですかって? んー、
説明するといろいろ長くなるので、あ
とでまたねー。

 

はい、この曲はFm7というコードから
始まってますけど、キーはE♭ですか
ら間違えないようにしてくださいねー。
Fm7→B♭7→E♭という、ツー・ファ
ブ・ワンという名前でよばれる進行
なんですねー。色んな曲で使われてい
るので、覚えられる人は覚えておきま
しょう。

 

ワンコーラスは短くてA-Bというとて
もシンプルな曲なんですけど、Aの3
から4小節目とBの最後にそれぞれ
があって、Bのキメの後にはブレー
クが1小節はいります。おかげでBは
9小節になっていて、全部で17小節
あるという、ちょっと変わった曲です
ね。

 

はい、まさひろくん何ですか? この
別のところでやったときはブレーク
2小節だった? あー、そういうホ
ストの人もいますよねー。でも、私が
ホストの時は1小節ですからねー。間
違って1小節分ずれたりしないように、
みんな他の人とよく確認してください
ね。

はい、たかしくん、みおちゃんの髪を
引っ張っちゃだめですよー。お手々は
セッションになってから動かしましょ
う。たかしくんは、今日はギターで参
加ですよね。がんばってね。

 

あとは、みおちゃんがピアノで、とう
たくんがベース、まさひろくんがドラ
ム、それだけかな? え、ゆうじくん
も入る? ピアニ……じゃなかった鍵
盤ハーモニカで? いいですねー。

 

じゃあ、今日は特別にテーマはせんせ
いじゃなかった私がうたっちゃおうか
なー。いいですかー? わーい、あり
がとう。じゃあ、前と後と2コーラス
ずつやりますね。

 

イントロは、さっきのFm7-B♭7を繰
り返してもらって、私の合図で歌に入
りますよー。グルーヴはR&Bの曲なの
16ビート寄りの8ビートですねー。
リズム隊の人は16分のゴーストノート
をいれて崩したりしてみてくださいな。

 

さっきも言いましたけど、キメがある
ので、それを意識して合わせましょう
ね。ソロの人はキメにバッチリ合わせ
るのもいいけど、キメを無視して周り
をあおるのも面白いですよー。

 

それじゃあ、みなさんだいたい分かり
ましたか? 他に質問とか……、はい、
とうたくん? 曲名の意味が知りたい?
だからあとで……。ほらほら泣かない
の。大人になればわかるからね。

 

じゃ、いいかな? それじゃ始めます
よー。たかしくん、みおちゃんの髪を
ひっぱらないの。みおちゃんもなぐり
さないで。ゆうじくん、まだ音は出
さないで!!

 

(はあ、はあ、はあ)

 

じゃ、じゃあ、いいですか? まさひ
くんのカウントからいきましょう。

 

さん、はい!

 

て、ことで。

では、また ( ̄▽ ̄)

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