(くどいですがフィクションです)
「つまり、兄さんは朝起き
たらエフェクターになっていた
?」アキラが妹に自分の身に起
こったことを説明した後、妹は
言った。
「そういうこと。全く突然に」
「エドワード8世が人妻と恋に落ちる
くらい突然に」
「何それ?」
「なんでもない。気にしないで……。
でも何か前触れのようなものがあった
はずよ。竜巻の前には匂いを感じるっ
ていうでしょ。そんな前兆」
はずよ。竜巻の前には匂いを感じるっ
ていうでしょ。そんな前兆」
「さあ、匂いは感じなかったなあ」相
変わらず声はキンキラしていた。
「ちょっと待って。いい?1、2の3
て私が数えたら息をとめてね」そうい
うと突然妹は立ち上がり「1、2の3」
というなり、アキラの腹にあるフット
スイッチを思い切りの力で踏みつけた。
アキラはしばらく息ができず、声も出
せなかった。ようやく息ができるよう
になって、アキラは言った。「何すん
だよ!」
「これでよし、エフェクト切ったから
普通の声になったわ。あ、父さんが帰
ってきたみたいね」と言って妹は出て
いった。階下で声がした。母親が連絡
したため勤め先を早退してきたらしい。
その声は明らかにいらだっていた。
「……ったく、仕事中に電話するなっ
……言ったじゃないか」そんな声が聞
こえた。そこから、母親と父親は声を
ひそめて何か話し合っているようだっ
た。途切れ途切れに何か聞こえてきた
が、内容は聞きとれなかった。
「やれやれ、これから家族会議よ。行
ってくるから、静かに待っててね」そ
う言うと妹は出ていった。
アキラは部屋に1人、いや1台残され
た。静かにしろもなにも身動き一つで
きない。外はいつの間にか日が暮れた
ようで。アキラは次第に眠くなった。
無理もない。こんな経験をすれば、誰
でも疲れ果てる、とアキラは思った。
いつの間にかアキラは眠りに落ちてい
た。夢の中で、断片的に声を聞いた気
がした。
「大きすぎ……」
「使い物に……るのか?」
「エフェクター屋…看板……どう?」
「……ード・オフ……もっていくの…
…大変」
「ピアノ引っ越し……ンター……見積
を……」
「粗大ごみ……ってタダじゃな……」
「……」
さらに続きます ( ̄▽ ̄)
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