なんでも日本だけでこれまでに50万枚
以上売れてゴールド・ディスク認定を
受けているそうです。これまで世界中
で一番売れたジャズのアルバムは、マ
イルズの『カインド・オヴ・ブルー』
でしょうが、日本に限ればこっちの方
が売れているのかもしれません。
エヴァンズのピアノにポール・モチア
ンのドラム、そしてベースは録音の10
日ほど後に自動車事故で亡くなってし
まうスコット・ラファロ。このトリオ
の最後の瞬間を捕らえたライブ盤とい
ったドラマティックな背景もあり、色
々と語られることの多いアルバムです。
私もこのアルバムは好きで、よく聞く
のですが……。実はこのアルバムには
トリオ3人に加えてプラス1の重要な
プレイヤーがいるんですね。それは、
ジャズ・クラブの中の雑音
なんです。
このアルバムはヴィレッジ・ヴァンガ
ードという有名なジャズ・クラブ(日
本で言うライブハウス)で録音された
ものなんですが、その店内のざわめき
とか食器の触れ合う音とかの音楽的に
は雑音とされるような音が、はっきり
と聞こえるように録音されています。
リバーサイドのプロデューサーのオリ
ン・ニュースキープやレコーディング
・エンジニアがどこまで意図的にやっ
たことかはよく知りません。背景の音
がよく聞こえるのは、ピアノ・トリオ
という演奏フォーマットのせいもある
でしょう。
しかし、ともかくも私はこの雑音(と
いうか環境音)のおかげで、このアル
バム(と姉妹盤の『サンデー・アット
・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』)
は聴き手を逆にトリオの演奏により引
き込んでくれるように思います。
カフェの環境音は人を集中させる効果
があるとどこかで読みましたが、そん
なことと関係してるんでしょうかね?
別の考えを持つ人もいるようで、この
演奏を前にしてペチャクチャ喋ったり
飲み食いしたり信じられない、とか怒
ったりする意見も見ましたけどね。
皆さんはどう思われますか?
て、ことで。
それでは、また。( ̄▽ ̄)