リニアなメディアあるいはコン
テンツという用語を聞かれたこと
はありますか?
デジタル時代の現代ではわりとよく聞
かれる言葉ではと思うのですが、要は
「初めから終わりまで、一直線に連続
した形で見て(聞いて)もらえること
を想定した」メディアやコンテンツと
いうことです。リニア(linear)とい
う言葉はライン(line = 線)の形容詞
う言葉はライン(line = 線)の形容詞
形なんですね。
たとえば昔のレコードやカセット・テ
ープはリニアなメディアですね。映画
も(映画館で見る映画に限定すれば)
リニアなコンテンツですね。
本は必ずしもリニアなメディアとは言
えませんが、小説といったコンテンツ
は基本的にリニアに鑑賞されることを
前提としていますよね。ビジネス書と
かは別でしょうけど。
一方、今主流のデジタル化されたメデ
ィアやコンテンツはノンリニアな傾向
のものであるといえます。ネット上に
あるコンテンツは基本的に頭から順を
追って見たり・聞いたり・読んだりす
る「必要はない」ですよね。
YouTube にアップされている動画や、
私を含めていろんな人たちが書いてい
るブログの記事も、基本的には昔の映
画や小説のような見方・読まれ方はさ
れないと思うべきでしょう。
で、
翻って、セッションあるいはバンドで
の(生の)演奏はどうかというと、こ
れはお察しの通り、きわめてリニアな
コンテンツなわけですね。
演奏の最中に「悪いけどこいつのギタ
ーソロは飛ばしてエンディングに行こ
う」とかCDや iTunes や YouTube では
簡単にできることがセッションやライ
ブとかではできませんよね。当たり前
ですが。
これは、考えてみれば現代ではなかな
か希有なことでして、コンテンツをリ
ニアな形で鑑賞することを当たり前の
ように強制(?)できるのはミュージ
シャンと(劇場公開時の)映画監督や
舞台関係くらいのものかもしれません。
(あと、まあテレビもそうか。でも録
画というものが家庭で出来るようにな
ってからはちょっと違いますよね。)
ある種の特権的な事なのかもしれない
のですが、一方でこうしたコンテンツ
見る・見ないとか聞く・聞かないとか
オール・オア・ナッシングの二択でば
っさり切られやすい、ということもい
えるわけでして。
そんな時代なのでリニアなコンテンツ
に関わるということにはある意味なか
なか難しいものがあるのですよね。
そして、コロナという感染症の影響も
あって多くのコンテンツがノンリニア
な方に流れていきました。もうそれで
いいじゃないか、なんて考える人も結
構いるかもしれないんですが。むしろ
ムダがなくていいとかね。
それでも、リニアなコンテンツにある
過剰さ(ムダともいう)とか、そうし
た過剰で余計なものから生まれる新た
な気づきとか関係とか。そういったも
のがやはりわれわれには必要ではない
か、とか。おじさんはそう思うんです
けどね。
別に誰に熱く語る気もないですが(な
いのかい)、そんなことをちょっとだ
け考えて、リアルなセッションをやっ
てます。
て、ことで。
では、また ( ̄▽ ̄)