もういいかげんにあいつと別
のチームで仕事したいんですよ。
俺は、上司との定期的な成果面談(最
近はオンラインだが)で、改めて言っ
た。あいつというのは、例の同僚のこ
とだ。
いいかげんうんざりしてるんです。あ
いつは自分のことしか考えてないし、
なんでも自分の成果に見せようとする
し。俺は、日頃の思いをぶちまけてい
た。
まあ、君がそう思うのもわからんじゃ
ない。上司である部長は言った。また
そのせりふかよ、俺は思った。
だが、これまでも繰り返し言っている
と思うが、君たち2人がチームとなっ
ていることが、とても良い効果をもた
らしていると私なんかは思うんだがね。
部長はこれまた過去の面談と同じよう
なことを繰り返した。
正直、そのお言葉は耳にタコができる
くらいきいてます。俺は反論した。
私だけじゃない、クライアントさんか
ら見てもそうだとおもうんだがなあ。
部長は続ける。
そりゃ、確かにあいつは目立ちたがり
で、成果をひとりじめにしたがるし、
口は悪いし、思いやりはないし、自分
勝手だが……。
わかってるじゃないですか。私の身に
もなってくださいよ。俺は懇願した。
だがなあ、ほら、ローリング・ストー
ンズだってミック・ジャガーやキース
・リチャーズだけで成立ってるわけじ
ゃなくて、チャーリー・ワッツが後ろ
でがっちり支えていたからこそっての
あるじゃないか。
はあ。また部長の音楽がらみの説得が
始まった、と俺は思った。
チャーリー・ワッツ、残念なことをし
たなあ……。部長は俺のことより、ス
トーンズの行く末を心配しているよう
に見えた。
えーと、あの、部長……。
あ、いや、すまん。だからさ、ほら、
俺、街の中華料理屋とか行くの好きな
んだけどさ。で、ほら、そういう何て
ことない中華屋で炒飯とか食べるわけ
よ。部長はまた急に話題を転換した。
炒飯、ですか?
そう、で、炒飯もいいんだけど、それ
に付いてくるスープあるじゃない?あ
のスープってなかなか他では飲めない
味だったりするんだよね。俺なんか、
あのスープが飲みたくって、炒飯を注
文したりするわけ。部長は急にまた饒
舌になって言う。
君たちの組み合わせなんてのも、なん
かそんな切り離せない組み合わせに思
えるんだよね。部長は続けた。
……つまり、俺は炒飯のスープってこ
とか? 俺は絶望的な気持ちで、部長
の中華話を聴いていた。しかも昼前な
ので、腹が、減った……。
外に出て店をさがそう。やけ食いして
やる。俺はそう思って部長の話が終わ
るのを待ちわびていた。
※このお話はフィクションですので、
現実の会社、同僚、部長、炒飯とは無
関係ですよ。ほんとに。
て、ことで。
それでは、また。( ̄▽ ̄)
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