(前回の続きです。今回もフィクショ
ンですよ)
「はい?」俺は、ちょっとび
くびくしてインターフォンに応え
た。誰だ?
「私です」弁護士の声がした。
俺は少しほっとして、解錠のボタンを
押した。とはいえ、アポイントメント
は明日のはずだ。何かあったのだろう
か?
「大丈夫でしたか?」俺がドアを開け
ると、弁護士は回りを見渡しながら入
ってきた。
「どうしたんです?」
「ニュース見ていないんですか? 何
か起こるとしても、私がいた方がいい
でしょう?」
「何もないですよ。私はパワーコード
なんて弾いてないです。大体、ここの
ところジャズとかフュージョンとかそ
っち系のしか弾いてないです。パワー
コードを弾くような音楽じゃない」
「そうですか……。ならいいんですが。
でも警察が動いているのは間違いなさ
そうですよ」納得しているようには見
えなかった。
「それにしても、この禁止法だの規制
法だのでのロックいじめの連続は異常
ですよ」俺は話を変えた。
「なんでも次はAとEのキーでの演奏も
規制したいようですが、さすがにイ長
調やホ長調の曲はクラシックにもある
から、といわれてペンディングになっ
てるらしいですね」
「茶番だ……」
そんな話をしていると、またインター
フォンが鳴った。
「まいどー○○署です」聞きなじみの
ある刑事の声がした。出前じゃあるま
いし。軽い奴だ。
「いやー、青井さん、やっちゃいまし
たねー」刑事は入ってくるなり切り出
した。「署までご同道願いましょうか」
「何言ってるんですか。私はここのと
ころ……」
「ジャズやフュージョンしか弾いてい
ない、でしょ? 国家権力をなめちゃ
いけませんなあ」
「え?」
「例えば、この『枯葉』ですが」と言
って刑事はICレコーダをとり出した。
この前やったセッションの音がした。
「ここ。あなたは、ソリストが盛り上
がる陰にかくれて、こっそりとパワー
コードでバッキングしてますね」
脇の下に汗が噴き出してきた。
「それから、こちらの『モーニン』も
同様です。それからこの『Feels So
ンペー、ンペー、ぺぺぺというのに悪
乗りしてパワーコードかぶせてますね」
「そ、それは……」
「青井さん、しゃべったらダメです!
やはり私がいてよかった」刑事が来た
と知ってキッチンに隠れていた弁護士
が出てきて言った。
俺は、椅子に腰を下ろした。弁護士の
存在に気がついた刑事が急に不機嫌そ
うになって言う。
「まあいい、逮捕状が出ています。署
まで来ていただけますね?」
<(゚ロ゚;)>ノォオオオオオ!!
(繰り返しますが、このお話はフィク
ションです。登場する人物は現実とは
無関係です 笑)
では、また ( ̄▽ ̄)
お読みいただきありがとうございま
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