ギターとマスクとあいつと俺と

(今日のお話もまたまたフィクション
です)
曜日の朝、俺は腹を立てて、
ひとりで家を出た。

 

なんで腹を立てたかというと、が俺
の大事なエレガットギターを、勝手に
らだ。なんでも音楽の授業でギターを
弾かなきゃならないので、練習用に貸
せというのだった。

 

どんな理由があるか知らないが、たと
え父親のものだとしても、黙って持っ
ていくんじゃないといったら、むくれ
た顔をして、そのままひと言も口をき
かずに部屋に閉じ籠ってしまった。中
から鍵をかけて。

 

俺が娘の部屋の外から話しかけよう
していると、10時近くなってようやく
起きてきた妻が、うるさい静かにしろ。
あんなに沢山あるギターの1本くらい
貸してやれ、という。

 

そういう問題じゃない、と俺が言うと、

 

それじゃあ、今からあんたの部屋にあ
ギターの必要性について1本1本
れぞれじっくり説明してもらおうかし
ら?

 

妻は切れ気味の声で俺にすごんだ。

 

俺は、頭に来たが、これ以上対決姿勢
を取ること得策ではないと判断して
だまって家を出たのだ。まったくなん
て家族だ。

 

俺は、そのまま家から一番近くにある
楽器店に向かった。そして、開店した
てのその店に入ると、ギター売場に向
かったのだった。

 

それならそれで、もう1本買ってやる。
俺は思った。娘の持っていったギター
は小ぶりで持運びには良いが、もうち
ょっと大きめのサイズのが欲しいと思
っていたところだったのだ。

 

ギター売場で、よさそうなエレガット
を見つけた俺は、店員に言って試し弾
きを始めた。なかなかいい感じだ。も
ちろん最終的に買うまでには何軒か店
を回る必要はあるが……

 

ギターを手に取って少し落着いた俺
そこで、何か違和感を感じた。なぜか
回りの客店員視線俺に集中して
いるように感じたのだ。

 

そこで、気がついた。

 

俺は、怒りのあまり家を出る時にマス
クを着けずに来てしまったのだ。普段
の外出なら、忘れるようなことはない
のだが、その朝は頭に血が上っていて
忘れてしまったのだ。

 

回りの客はみなマスクをしている。あ
る男女のカップルはこちらの方を遠目
から、非難するような目で見ている。

 

店員はさすがにそんな素振はみせない
が、それでもときどきちらちらこちら
を見ている早く立去れとでも思って
いるのだろう。

 

俺だって、悪気があってマスクしてい
ないわけじゃない。たまたま忘れたん
、と言いたかったが、家庭内でケン
カした話をするのも恥ずかしい。考え
ただけで顔が紅潮するのが感じられた。

どうしようか。ギターを置いて立去り
たい気分になりながらも、それも悔し
気がして、俺はその場でギターをい
じり続けた。

 

そこに後ろから声がした。

 

なんだ、朝から下手なギター弾いてる
奴がいると思ったらお前か。

 

振り向くと、例の同僚が立っていた。

 

マスクをしないで。

 

同僚は、以前から世の中がマスクの着
用を強制するのはおかしい、といって
絶対マスクをしようとしないのだった。
一度クライアントにどうしても出向く
必要があったときもマスクをしなかっ
奴だ。

 

な、なんだお前、何してるんだ。

 

何って、ギターの弦を買いにきたらい
けないとでもいうのか?

 

そ、そんなことは言ってないが、マス
クくらいしたらどうだ。俺は自分がし
てないことを忘れてつい言ってしまっ
た。

 

俺がマスクしないことは知ってるだろ
う。……というか、お前だってしてな
じゃないか。お前、頭大丈夫か?
ャムセッションなんてしょうもないこ
とやってるんでついにおかしくなった
のか?

 

同僚は、大きな声で俺に言った。

 

俺は、マスクをしない男2人が大声で
会話しだして、さらに迷惑そうな目
俺たちに注がれるのを感じた。

 

全く、お前みたいな奴に買われるギタ
ーはかわいそうだな。同僚はさらに俺
皮肉を浴せた。

 

俺はギターを置いて、黙って同僚を残
して店を出た。全く、なんでこんな目
にあわないといけないのだ。
おれは土曜日の朝だというのに絶望的
な気分になって、逃げるように家に向
かったのだった。

 

このお話はフィクションですので、
現実の女子高生、主婦、会社の同僚、
楽器店とその客とはたぶん無関係です。

 

て、ことで。

 

それでは、また。( ̄▽ ̄)

 

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