ジャムセッションする際の1曲
の流れを紐解くシリーズ。イント
ロが終わると、次に来るのは曲の
主題、テーマの演奏になります。
テーマの主旋律(メロディー)を演奏
するのは、ピアノ、ギター、管楽器と
いった上物系のどれか、というのが
普通です。まれにベースというのもあ
りえますが、まあほとんどないでしょ
う(イントロをベースで、というのは
わりとありますが)。
上物系メロディー楽器の誰か1人がテ
ーマを弾くことが多いですが、もちろ
ん2人以上で弾く場合もあります。そ
の場合、同じ旋律を弾くいわゆるユニ
ゾンで演奏するときと、主旋律に対し
て、ハーモニーをつけたり、合の手を
入れたりする、より合奏形式に近い演
奏をするときとがあります。
ユニゾンとパートを分けた演奏とを行
ったり来たりするような場合もありま
す。たとえば、えーと…、チャーリー
・パーカーの Now’s the Time なん
かは、そんな風に演奏されることの多
い曲ですね。
ハモったりするのはかっこいいですが、
ジャムセッションの場合は、ぶっつけ
でこれをやるのはなかなかハードルが
高いので、よほど知られていて、多く
のミュージシャンの常識となっている
ようなスタンダード曲でないとやりま
せんけどね。
なお、ブルースのように、テーマが短
い楽曲(通常16小節以下の曲)の場合
は、テーマを2度繰り返すのがほぼ常
識とされています。
あ、それから、
テーマをとるといえば、楽器の他に、
もう一つ重要なパートがありました。
それは、
ヴォーカルです。
歌い手がいる場合は、当たり前ですが
その人がテーマを歌います。そんな場
合は、他の楽器はすべて伴奏に回りま
す。歌判てやつですね。泣く子とヴォ
ーカルには勝てない、といいますから
ねー←
もちろん、基本的に歌詞のある曲(ウ
タものといいます)をやる場合に限ら
れます。歌詞のない楽器のために作ら
れた曲(リフものと業界では呼ばれま
す)の場合は、歌えませんからね。
ま、ときどき、リフものに無理やり歌
詞つけて歌う人もいますけど。
ちょっと脇道にそれますが、歌手だけ
が歌の歌詞を覚えればいいのかという
と、そんなモノでもありません。その
曲がどんな内容の曲かということの理
解は、楽器奏者がテーマを演奏したり、
アドリブしたりするときに実は大切だ
ということはよく言われることです。
「ラウンドミッドナイト」というジャ
ズミュージシャンを主人公にした映画
で、主役のデクスター・ゴードン(本
物のジャズのサックス吹きです)が、
曲の歌詞を忘れてしまったので、演奏
できないというセリフがありました。*
そんなことを思い出して、たまにはウ
タものの曲の歌詞を勉強して、テーマ
演奏をしてみるのも良いのではないで
しょうか。
つづきます ( ̄▽ ̄)
プレーヤーであるレスター・ヤングが
実際に言った言葉だとか。ちなみに曲
は(映画では) Autumn in New York
で、レスター・ヤングの奥さんである
ビリー・ホリデーの十八番の曲なのが
泣かせますね。