ネット環境構築物語(その1?)

(すみません、フィクションです)

ーい聞こえるか?俺の PC
の向こうから同僚の声が聞こえ
た。

 

聞こえるよ。俺は答えた。せっかくの
休日に朝から同僚と PC 上とはいえ話
をするのは気が進まなかったがしかた
ない。

 

といっても、いつもの仕事の会議とい
うわけでもなかった。俺と同僚は、そ
れぞれの家の PC で、ネット上でセッ
ションができるというアプリを立ち上
げていた。

 

わけあって、このアプリを試しに使っ
てみる必要があったのだ。わけという
のは、クライアントの部長のMさんだ。

 

Mさん音楽が趣味で、社内でもバン
を作って活動している。前はわれわ
れが出張して先方で打ち合わせするの
に合わせて、打ち合わせ後にセッショ
に誘われたりしていた。

 

それが、なかなか出張がままならなく
なったため、セッションする機会もな
くなっていたのだが、この前オンライ
ンでの会議の時にMさんが、このアプ
リの話を持ち出してきたのだ。

 

それで、1週間後にオンラインのセッ
ションをしようという話になってしま
ったので、こうやって俺と同僚は休日
試験的にセッションを立ち上げてい
るわけだ。

 

なんだか、音質悪いなあ、それに遅延
だいぶある。同僚は俺に言った。お
前、インターネットの回線何を使って
るんだ?

 

何って、よく知らないけど前から使っ
てるケーブルテレビと一緒に入ったや
だよ。それを WiFi で飛ばしてる。

 

ふん、どうせ、料金の安い遅い回線
んだろう。音楽をやる奴はできる限り
早い回線の契約をするのは常識だぞ。
同僚は言った。

 

何言ってやがる、と俺は思った。俺の
知り合いネットでセッションをやっ
ているといったら、ネットなんかでセ
ッションがまともにできるわけがない
そんな奴の気が知れない同僚が言っ
ていたのは、つい去年のことだ。

 

どうせ、ギターデュオをやっている
に言われて環境を整えたんだろう。
なんでもその相方 IT 系の企業に勤
めていて、こういうことには詳しい
だそうだ。そう思ったが、めんどくさ
いので口には出さなかった。

 

それから WiFi もダメだ。ちゃんと
ーターからイーサーネット・ケーブル
で繋がないと、満足な速度は出ない。
同僚はかさにかかって言い立ててくる。

 

えー、何だいそれ?そんなこといわれ
てもよくわからんよ。俺は言った。

 

まったく、お前みたいな奴はもう音楽
なんかやる資格ないな。これからの
楽はネットが主流だ。オンラインでち
ゃんとセッションできない奴は見捨て
られるぞ。だいたいお前がいつもトロ
いから俺が苦労……

 

そこまで言われたところで、俺は退出
のボタンをクリックした。嫌な所から
はすぐに避難できるのも、ネットのい
いところだ。俺はひとりごとをつぶや
いた。

 

しかし、と俺は思った。

 

悔しいが同僚の言うことにも一利ある
のは認めざるをえなかった。わが家の
ネット環境の改善を考えなければ。

 

そうだ、この際、PC を通じてネット
に楽器やらマイクやらを繋げる環境も
含めて一新して、俺の部屋を一段も二
段もアップグレードしたスタジオ化
ることにするか。そう考えると、なん
だか楽しくなってきた。

わくわくした気分になって、色々考え
ていると、がドアをノックもせずに
開けて入ってきたようやく起きた
うだ。

 

なにを部屋で一人でにやにやしてるの
よ?朝ご飯は?妻は言った。

 

こ、これから作るよ。ちょっと待って
てくれ。俺は言ってキッチンに向かっ
た。いかん、理想のネットスタジオ環
境の構築をするには、この妻をクリア
しなければいけなかった。

 

慎重にプランを練る必要があるな。
はそう思いながら朝食の支度にとりか
かるために、冷蔵庫の扉を開けた。

 

例によってフィクションですので、
現実のクライアントの部長、ネット環
境、セッション用アプリ、家庭内の勢
力図とは無関係です。たぶん。

 

て、ことで。

 

それでは、また。( ̄▽ ̄)

 

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